ハゲタカ・第5話「ホワイトナイト」第6話最終「新しきバイアウト」
(敬称略)
ハゲタカ・第5話「ホワイトナイト」
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株主総会で敗北した鷲津(大森南朋)は大空電機へのTOBを開始する。
その上で、大空電機の経営権を取ったあと、全体をそのまま中国の電機メーカー、テクスン社に引き渡す交渉をはじめる。
それが、鷲津の考える大空電機の名前を残し、雇用を守り、子会社や系列会社も生き残れる最良の策だった。
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一方、ハイパークリエイションの代表となった西野(松田龍平)は一躍、表舞台に踊り出る。
インターネット広告業で事業を拡大。2000年新興市場に上場。今では年商300億円をあげるまでになっていた。
バックにはMSG銀行の飯島副頭取がおり実権を握っている。また、西野のハイパー社は、すでに5%を越える大空電機の株を保有していた。
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鷲津のTOBに戦々恐々の塚本社長のもとにMGS銀行の飯島から電話が入る。
増資を引き受けるという飯島の話に、塚本は芝野とともに会いに行く。
だが、そこで二人は飯島にハイパー社の西野を引き合わされる。
西野はハイパー社が大空電機のホワイトナイトになると申し出るのだった。
業務提携を前提に、ホライズン社による敵対的TOBを阻止するというのだ。
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塚本は慎重な芝野に無断で、ハイパー社の業務提携を受け入れてしまう。
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鷲津のホライズン社と西野のハイパー社によるTOB合戦がはじまり、株価はどんどん吊りあがっていく。
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尋常ではないTOB価格の上昇に芝野は再三警告するが、塚本はMGS銀行がバックにいるのだから大丈夫だと取り合おうとしない。
また、鷲津も絶対に大空電機の経営権を取りに行くと一歩も引かないのだった。
それはレンズ事業部の子会社である由香の父の工場を守るためでもあった。
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やがて、秘密裡に行っていたテクスンとの交渉がホライズン本社の知るところとなり、鷲津はいきなり解雇されてしまう。
そのことで、ハイパー社によるTOBはあっさり成立。
大空電機はハイパー社との業務提携を正式に発表する。
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だが、その2週間後。
ハイパー社はインサイダーの疑いで強制捜査を受けることに・・・。
MGS銀行は慌てて融資を打ち切り、そのためハイパー社、大空電機の株価は大暴落する。西野も破滅の一途をたどることになる。
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鷲津のもとに、西野がやってくる。
「・・・ずっとあんたの背中を追ってきたけど。
俺も、あんたも、もうお終いだな。
俺もあんたも、金にふりまわされただけなのか・・・?」
西野は持ってきた拳銃を鷲津に向ける。
「撃てよ!」
そういう鷲津に、西野は絶望の表情を浮かべ自分のこめかみに銃を向ける。
西野の自殺を止めようとした鷲津は、かわりに銃弾を受け、プールに崩れ落ちる・・・。
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ここで1話の冒頭部分につながるんですね。
あれがドラマ全体の最後にならなくて良かったです。
鷲津が亡くなって終わりなんて・・・ねえ。
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鷲津と西野が一緒に生放送番組に出るシーン。
鷲津が西野に次々と質問していくところ、凄みがあっていいですね。
それとドラマ内のニュースシーンなどで、元NHKのアナウンサーがキャスターとして登場してるのが粋でうれしかったです。蟹瀬さんとか宮川さんとか。
おしゃれなことをしますね~。NHKさん。
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ハゲタカ・第6話 「新しきバイアウト」
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鷲津(大森南朋)は病院へ運ばれ、一命を取り留める。
大暴落した大空電機株はホライズン社が一気に買いすすめ、彼らと業務提携をすることに。
ホライズン社は息の掛かった大賀を大空電機の社長にすえ、旧経営陣を一掃する。
ホライズン社の要請でひとり大空電機に残った芝野(柴田恭平)は、赤字部門の転売と大規模なリストラを担当させられる。
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そんな中、再び自殺者が出る・・・。
赤字部門の責任者だった。彼自身は新会社に残れる予定だったが、リストラされる部下達の今後に責任を感じての自殺だった。
芝野は彼の葬式で息子になじられる。
芝野は葬式にあらわれた由香を前にして、こんなことは二度と起こすまいと銀行を辞めたはずなのに・・・と悔し泣きする。
由香はそんな芝野に、鷲津は大空電機を切り売りしないために、テクスンとの提携をはかっていたと伝える。
「・・・鷲津さんはきっとまだあきらめていません・・・。」
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ホライズン社は、カメラレンズ事業部を米軍事企業レンダント社への売却し、最高技術者50名のみ残し、あとの約200名はリストラすると決定する・・・。
大空電機の創業部門を売り渡すというホライズン社の意向を聞いた芝野は激怒する。
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芝野は鷲津に会いに行く。
鷲津は、銃弾を受けマヒしてしまった足のリハビリに励んでいた。
「もう疲れました・・・大空のことは忘れたい・・・」
鷲津の言葉に芝野は予想外の厳しい口調で言う。
「だめだ。俺は許さない。
バブルの落とし前をつけていない日本、お前は前にそう言った。
お前こそ、大空電機に落とし前をつけるべきだ。
鷲津、お前と俺は同じだ。頼む。協力して欲しい。
レンズ事業部を救いたい。もう一度、ファンドビジネスをやる気はないのか?」
芝野の思いに鷲津の表情が引き締まる。
「私は退職時にホライズンから36億円にのぼる分配金の掲示を受けました。
受け取れば、契約上向こう10年ファンドビジネスに関わることはできない。
・・・それは、私に死ねということだ。
私はそれを断りました。
・・・まだ満足に歩くこともできない。だからなかなか決断できずにいた。
芝野さん、あなたとなら、踏み出せる気がする。
鷲津ファンドをたちあげようと思います。」
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鷲津が再び動き出す。
芝野は大空電機から内部情報を次々と鷲津に渡していく。
鷲津はEBOを仕掛けることにする。
EBO・・・従業員による企業買収。レンズ事業部の従業員が自ら金を出し、新しい会社をたちあげること。
一番の要はレンズ事業部の最高技術者、加藤の意向だった。レンダント社が欲しがっているのは何より彼の持つ技術だったからだ。
鷲津はファンドの出資者を探して東奔西走するが思うようには集まらない。
そんな中、MGS銀行の飯島副頭取(中尾彬)に会い行く。
出資を要請するためもあったが、レンズ事業部の軍事転売を政治家を使っての阻止してほしいと頼むためだった。
その謝礼に鷲津は飯島に全財産を渡す。
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鷲津は自分を撃った西野(松田龍平)に会う。
「(父の)西野さんはお前に旅館を継がせたがっていた。
それは金持ちになれってことじゃない。きちんと事業をするってことだ。
戻って来い、もう一度。」
鷲津は目的を失って彷徨っている西野を励ますのだった。
また、由香の三島製作所を含むレンズ事業部の子会社は多くが鷲津と芝野の考えに賛同しファンドに出資してくれることになる。
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レンズ事業部のキーとなる人物、加藤が芝野に連れられて鷲津のところにやってくる。
加藤は鷲津の前に座ると、重い口を開く。
「一度、「ハゲタカ」とやらにお会いして聞いてみたかった。
他人の金を使って、見ず知らずの会社に投資する。
それがあんた達の仕事だ。
あんたら、何かをつくるわけでもない。なんら価値を生み出すわけでもない。
所詮、金なんだろ?ただの紙切れじゃないか?ただの紙切れだよ。」
鷲津はその言葉にももう動揺はしない。
「ただの紙切れですか・・・。
その紙切れのために自ら首をくくって死ぬ人もいる。
ただの紙切れと言ってしまうことは私にはできない。
加藤さん。今までの私なら、あなたがレンダント社の提示された金額の倍をここにおけばよかった。
たしかに世の中の99.9%は金で決まる。
金でほとんどのことが解決する。
残りの0.1%、こればっかりはそうもいかない。
私はこの仕事を通じて、逆にそのことを学びました。
部品一個です。大きな機械の中のたった一個の部品。
部品一個で一生忘れることができない思い出ができるように。
あなたも大空電機全体からみれば、部品一個だ。0.1%です。
だけどその0.1%は、時にはすべてを変えることができる。
どういう使われ方をされるのか、そのことによって紙切れ自体の価値も変わる。
それはあなたがた、職人の技術も同じじゃないですか?
加藤さん、賭けてくれませんか?私と芝野に。」
加藤は新会社を設立することを決心し、他の社員をまとめてくれる。
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そんな折、大空電機のレンズ事業部の軍事転売に国が不快感を示しているというニュースが流れる。鷲津の飯島への依頼が効いてくる。
ホライズン社は手を引かざるを得なくなる。
そして、EBOが成立する。
レンズ事業部は大空電機より独立。新会社社長は芝野。そして、テクスン社との業務提携が実施される。今後はアジア地域における展開を視野にいれた事業計画を発表する予定という。
その記者会見の場で、新社長となった芝野に、由香(栗山千明)は記者として質問する。
「芝野社長。この歴史的なEBO成功の一番の要因はなんですか?」
「鷲津ファンドです。鷲津ファンドとの出会いがすべてを変えました。」
由香は芝野にそっと微笑む。
これを機に、鷲津はファンドビジネスの世界に返り咲くこととなる。
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記者会見の場から去った鷲津は三島製作所にやってくる。
かつて死に追いやってしまった工場の経営者。
今は由香の母が切り盛りしている。
長い年月の後、鷲津はようやくこの家に招き入れられる。
そこが「ハゲタカ」鷲津の原点だった。
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鷲津はその遺影に手をあわせる・・・。
「・・・ようやくご報告できそうです。
あれからの私を・・・」
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ラストシーンがめちゃめちゃいいですよね。
グッと感動がこみ上げてきて言葉を失いました。
再び、母と二人で長い沈黙・・・。
もう一日中、「いいドラマだったねえ~」「見てよかったねえ~」の繰り返しでした。
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「心」があるかないかってことなのかな。
加藤との会話で鷲津が言っていたこと。そして西野に由香が足りないと言ったこと。
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銀行マンだった鷲津や芝野。
貸し渋りをして自殺に追いやった相手からも生前、「あんたのせいじゃない。サラリーマンだから仕方ない。」といわれていました。
それは一見、許しの言葉のように見えて、西野の息子のように恨みを抱え込んで生きている。
芝野は銀行を辞める時、「言い訳をしながら生きていくには、残りの人生は長すぎる」と言ってました。
独立して鷲津も芝野も自分と戦う日々。試されるのはどこまでも心の強さ・・・。
苦悩の末に見出していく答えは、ただ強く前に進むということ。
最後は、過去に組織の人間としてやったことを、今度は個人として落とし前を付けに行ったってことですね。
自分なりの責任をとったんですね。
1話から最終話まで見てきて、最後の仏壇の前で手をあわせる鷲津の顔のアップがほんとに胸に迫りました。
いいドラマでした。
1話を見た時、まさかラストがここにくるとは思わなかったです。
いいラストでした。
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それから、中尾彬さんと冨士真奈美さん。すごいアクの強いキャラで楽しませてもらいました。
昔、お二人はこういう役を結構されてたんですよね。
今のドラマではこういう人物自体、あまり登場しないのが残念なところ。
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うちの母は大森南朋さんが気にいってしまったみたい。ドラマやCMに出ていたら教えてね!としきりと言っておりました。
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6月6日には映画も公開。ちょっと楽しみです。
鷲津にまた会いたいですね~。
鷲津がいてこの大恐慌の中でどう行動してるのか、見てみたい。
NHKさん、続編つくりませんか?(笑)ものすごく大変そうだけれど。
そのときには芝野と飯島には絶対に出てほしいです。飯島はこの金融危機でどうなってるでしょうね。見てみたいなあ。
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休日の朝に、2時間3日連続。じっくり見ることができて良かったです。
今度は「監査法人」の一挙放送をしてくださいね。NHKさん!!
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※ 夢中になって見たドラマでしたから、はりきって「あらすじ」まで書いてしまいましたが、経済の難しい言葉がいっぱいで、とっちらかってしまいました。
UPすること自体、恥ずかしいんですが、まあ、せっかく書いたので・・・。
そんな方はいないかもしれませんが、最後まで読んでくださった方、お疲れさまでした。
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