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2019年3月25日 (月)

政令市・堺市と大阪市、そして都構想

大阪の中での堺の位置づけを。

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堺市は大阪南部にあり、大阪市に隣接する地域。

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こちらも大阪市と同じ、政令市。

面積的にはそれほど変わらないけれど、大阪市が270万人に対し、堺市は83万人。

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政令市は人口50万人を超えると認定される。ひとりの市長で采配できるのが70万人くらいまでといわれているので、まあ、ギリギリってところかな。

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政令市になると、府知事、県知事とおなじ権限が与えられ、府や県を通さず国にいろんなことを要望できる。

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けれど、大阪ではそれがネックに。

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面積の小さな大阪府のど真ん中に大阪市と堺市があり、独自の権限を持つことで、3人の知事がいるような状況になり、広域の道路、鉄道、水道などが一括整備できない事態になっている。

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全国に政令市は20あるけれど、大阪は香川県についで小さな自治体で、そこに2つの政令市は類がない。

また、大都市圏としては兵庫、奈良、京都にまでひろがっており、周辺へとのびる広域インフラの必要性も高まっている。

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政令市として、いろんな権限を得ることは良いことだと思っている方も多いと思うけれど、よく聞いてみると、予算がないと道路整備などもできず、権限はあるけれど使えずってことになるらしい。

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都構想はこれを解消する案。

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政令市を4つに分けて、特別区にする。特別区では選挙で区長と区議を選び、主に住民サービスを行い、広域整備などは府が行う。

こうやって役割を分担することで、権限がだぶらず、スムーズな意思決定ができる。

元々は堺をふくむ大阪市周辺の10市もいれたものが完成形だった。

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けれど、否定されることが多く、まず、大阪市からはじめていきましょうということに。

大阪市は270万人。すでに政令市としての限度を遥かに超えている。喫緊の課題なのだ。

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4つの特別区には、教育委員会や児童相談所などがあたらに設置され、より細かな支援などがされる。

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さらに、大学の試算では10年間で1兆円の節税効果がうまれると発表されている。

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大阪市(政令市)を4つの特別区に再編して、広域インフラなどを府に移管する。これで権限がかぶることがないので、合理的になるのだ。

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その都構想が大阪市でも足踏み状態という・・・。

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もう一方の、堺市。

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堺は独自の文化、歴史があり、大阪の特別区のひとつに入るのに抵抗感があるのはわかる。

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誰だって、新しいものを取りいれるのには、抵抗するし、それは年をとればなおさら。

新しい考えを理解するのも億劫だし、いろんな噂を聞かされると不安にもなる。

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それで、「反都構想」の現市長が当選し、3期目に突入している。

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いつも選挙となれば、都構想推進の維新と、反都構想の自公民共、各種団体の構図になっている。

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それで、都構想反対の意志を堺市民が示し続けるのはいいと思う。

それが選挙だから。

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けれど、つくづくもったいないと思うのは、そのワンイシューで現市長を選んでいること。

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そのため、現市長は普段もずっと、大阪市長や大阪知事と距離を置いている。

大阪市長や知事と連携すると、市民の中にも都構想推進してもいいんじゃないかという機運がうまれることを警戒して、事あるごとに敵対してみせる。

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自分の次の選挙を考えると、そういうアピールをし続けることになるんだろう。

けれど、これで隣接する大阪市が一緒に鉄道などを整備しようと言っても知らん顔。

知事が政策の提案をしても、自分のところはいらないと拒否。

連携しないため、外国からの観光客を大阪市から呼び込む手だても取りにくい。

ものすごく残念なことになっている。

万博を前にして、大阪の活性化が一層進むこの時期に、堺が取り残されることに危機感を抱く人も多いだろう。。。。

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でもこの硬直した状態は変わらず、歩みはにぶい。

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余談だが、そんな中、ここ1,2年で泉州の方が開発され始めてきている。

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関空は泉州にある。大阪府の南部地域。

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外国人観光客は関空から、鉄道を使って堺をとおって、大阪市に入る。

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堺同様、泉州も素通りされていたのだけれど。

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大阪市の活況を、堺で止めてしまって、大阪南部全体に波及させることができないと思っていたけれど、関空のお膝元の泉州自体が発展しはじめている。

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関空の航空機の発着数が増加するにつれて、その周辺地域への企業の投資が増えて開発が進んでいるのだ。

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ホテルや会議場、おもしろいのはスケートリンク。

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なんと!カーリングの大会を開けるリンクが作られている。全国からカーリングファンもやってきてくれるだろう。

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これは予想外の展開だった。
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全国の方には泉佐野はふるさと納税の件で知られていると思う。
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泉佐野には、斬新な発想をする市長がいる。
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国の政策の失敗もあって借金だらけジリ貧で、のたうち回るような市政運営をしていた。
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それを必死に立て直しをはかっている市長。
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大阪は今後、新大阪~梅田の再開発が進み、新大阪や大阪北部中心に発展しそう。
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そうなれば、大阪南部は取り残される。
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そう危惧していたけれど、関空周辺がにぎわうことで、バランスのとれた都市に成長していってくれたらうれしい。
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できたら、堺もそれに参加してほしいけれど。
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今回、堺の市長の不祥事発覚(1億を超える政治資金収支報告書への未記載)を見ていると、昔の大阪市と同じ問題があるっていうのがよくわかった。
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堺市長の政治資金収支報告書の記載もれを記者が分析したけれど、たくさんの企業、団体との関係も推し量ることができる。
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多くの企業が政治献金をしている。そして、その金額が報告書にきちんと書かれていなかった。
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市長を追求するはずの市議会は、自民、公明、共産、ソレイユは問責決議案(注意するのみ)にとどめ、維新が出した不信任案には反対。
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市長を守ってしまった。
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「堺のことは堺で」というキャッチフレーズで2回の選挙を戦い、その応援をしていた議員、政党、各種団体の人達。
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自分たちで市長を辞職に追い込むことはできなかった。
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1億3800万円にのぼっている記載もれは、市議会での審議は4月23日までない。
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大阪地検に告発されているんだけれど、告発状はまだ受理もされていない。
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市民が、市長の不祥事に怒って動きださないとどうにもならないと思う。
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マスコミも維新の味方はしたくないので、この不祥事を深く掘り下げようとしない。
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1億3800万円の記載もれという前代未聞の不祥事でも、テレビニュースでの量も、圧倒的に少ない。
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大阪市はこんな堺の状態から、脱するために七転八倒の努力をした。
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何よりフェアな市政をと。バラマキ、天下りのない市政にと。橋下さんが命がけでやった。
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そして、今の状況がある。
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堺もそれに続いてほしい。
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まあ、堺市民がそれを望まない限り、先には進めないけれど。。。
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そして、大阪市は今度の選挙で、橋下市政以前の10年前に戻らないように、今を死守しないといけない。
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大阪市も10年前に逆戻りになるかどうかの瀬戸際だ。
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10年もたったのに、昔の既得権を取り戻し、税金をバラまいてもらいたい人や団体はいまだに多くいる。
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あっという間に息をふきかえし復活してしまう。
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公平公正な市政のもとで、仕事ができる方がいいと思うんだけれど。。。
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大阪市民はだれを選ぶんだろうか…。
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