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2016年10月 2日 (日)

ON異常犯罪捜査官・藤堂比奈子 第9話最終回 感想

比奈子のいう「生まれつき感情がない」というのはどういうことか。

中島先生の分析では、「感情の発露が通常の人とちがう」らしいのですが。

それを理解したくて、比奈子の表情やセリフをずっと注意して、ドラマを見てました。

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比奈子はONとOFFを使い分けていて、自宅で一人の時はOFF。感情のない素の自分。それ以外はONで、感情のあるフリ、演技していると言います。

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でも、感情がないということが理解できない私は、比奈子がONの時、本当に演技しているのか、もしかすると、彼女自身が気づいていない感情が出ているのではないか、と探る気持ちがいつもありました。

比奈子の感情の揺れを見たいと熱望していたんですね。

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なので、何か比奈子にとって大きな事件があったりすると、代表的なのは5話の中島先生が逮捕された時ですが、比奈子の内面に多大な影響を及ぼして、感情が揺さぶられるのではないかと思っていたんです。

けれど、明らかな変化は見られず。

比奈子は最後まで「感情がない」状態でした。

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それを一番、如実に示してくれたのが、最終回のラスト。

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捜査を終えて帰宅した比奈子が、部屋に入るなり、「スイッチOFF」とつぶやいたところ。

中島や東海林、石上、厚田らとの交流から、人を殺さないと決意した比奈子が、以前と変わらず、ONとOFFを使い分けた生活していたこと。

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これで、ようやくドラマが何を伝えたかったのか理解できました。

「感情のない」比奈子をひとつの個性として受け止め、周りの人々が仲間として内包していく。

彼女の個性に親しみ、周りが変化していくためのドラマだったのだなと、ようやく気づきました。

比奈子の状況が最後までブレなかったことで、大事なことがメッセージとして伝わりました。

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比奈子は、抜群の記憶力、推理力を生かして、警察官として生きていくことができる。

警察という居場所ができました。

理解してくれる相棒も上司も先生もいて、周りをかためてくれています。

それは比奈子が手繰り寄せた縁なんでしょう。

とても素敵な最終回だったと思います。

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猟奇殺人の捜査をする刑事ものとしての楽しさは、5話までで堪能させてもらい、6~9話は比奈子の決意を促す回となりましたが、どちらも楽しめました。

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女に首を切りつけられた片岡刑事は病院に運ばれ、比奈子は厚田から事情を聴かれます。

「藤堂、おまえは片岡を切りつけた女と遭遇してるわけだが。

もしかして面識がある人物なのか?」

「はい・・・。

名前は真壁永久(とわ)。私が高校生の時に知り合いました。

彼女の素上について詳しく知っているわけではありません。

8歳の時に親元をはなれて、永遠の翼という養護施設で育ったこと。

常習的に動物殺傷をおこなっていたこと。それから何もかもが全部、嫌いだと言っていました。

自分はこの世界のすべてを憎んでいると・・・」

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厚田らは早速、真壁永久の周辺を調べます。

そして、永久とかかわりのあった人々が次々と行方不明になっていることを知ります。

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その永久は、佐藤都夜と結託して、東海林を拉致しますが、ちょっとした口論から、あっさり、都夜を焼き殺してしまいます。

都夜が火に包まれているのを笑って見ている永久。

東海林は、その永久から、情報屋の藤川を殺したこと、虐待されていた父母、施設の園長など多数の人間を殺してきたことを聞かされます。

永久は殺した人々の体の一部をコレクションとして箱にいれて持ち歩いていました。

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●東海林、本物の連続猟奇殺人者を前にして絶句。

比奈子を疑ってきましたが、レベルが違うことを思い知ったのではないかと。。。

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一方、比奈子は動物殺傷人体埋め込み事件の鑑定結果を聞きに石上のもとを訪れます。

石上は、犯人と知り合いだった比奈子を質問責めにすることもなく・・・。

ただ、どこかへ行ってしまいそうな顔をしてると言い、ふわりと身軽に比奈子のそばにやってくると、しっかりと抱きしめてくれます。

比奈子は驚いて固まってしまいますが、ふと、同じように自分を大事そうに抱きしめてくれた母のことを思い出します。

「石上先生・・・」

「人とのつながりとか、そういうのがあると、ギリギリのところで踏みとどまれるもんよ」

石上は満面の笑みをたたえて、比奈子をみつめています。

それはあなたが大好きなのだと伝えてくれていました。

「・・・ありがとうございます」

「どういたしまして。

おせっかいついでに、SNRCへ行ってきて。

中島先生のところへ顔を出してきて」

「私、もう中島先生ところにはもう」

「メールをもらったの。いろいろわかったから、藤堂ちゃんにぜひ来てほしいって」

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●中島先生に会ってきてと言われて、露骨に戸惑う比奈子。

このあと、中島を前にしても、渋々来たという表情を。

どうしてこんなに表情に出るんでしょう。無表情が普通の比奈子が。

中島先生ファンの私はちょっと傷つくんですけど。(笑)

多分、中島は比奈子を必死で引き留めようとする人だから。

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SNRCの中島は比奈子にいつものように椅子に座るように勧めます。

「事件の詳細は聞いています。東海林さんのことも、真壁永久のことも」

さっそく本題に入る中島。

「以前、お話しした私にナイフを渡した人です。

彼女があらわれたのは、私がまだ人を殺していないことを知ったからだと思います。

私が彼女の期待にこたえていないから」

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「自分と同じように藤堂さんにも人を殺してほしかったと?」

「あの日、母が亡くならなければ、私は父の殺害を実行していたはずですから」

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「それは間違いです。

あなたが真壁永久の期待に応えていた可能性は限りなく低かったと僕は思う」

「どうしてそう思われるんですか?」

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「僕はあなたに潜入しました」

「・・・それで答えが出たんですか?私がどういう人間なのか」

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「人間に答えなんてありませんよ。それに安易なこたえも求めることはできない。

僕はあなたの自分自身を知りたいという言葉が何かに縛られた結果だと思っています。

それは父親からいわれた怪物という言葉であり、真壁永久の自分らしく殺すという言葉ではないかと、あなたはその言葉に抗おうとしているのではないかと・・・。

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でも実際に潜入してみるとしっくりこなかった。

心当たりはありませんか?

藤堂さんに何か大きな影響を与えた誰かからの言葉について」

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「・・・だとしたら、それは母の言葉だと思います。

父と離婚したとき、母は私を抱きしめて言いました。

『心配しなくていいの。

あなたはきっと間違えずに正しく生きていけるから』

・・・ただ、私にはその言葉の意味が理解できなかった」

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「藤堂さん、お母さんはあなたを愛していたし、あなたもお母さんを愛していたんですね」

「愛?」

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「あなたはただ、お母さんのその言葉を証明したかっただけだ。

だから警察官になったんだ。

殺人犯と対峙し、ナイフを手にして命の危険にさらされ、あなたがそこで確かめたかったのは、自分と人殺しの違いではありません。

それでも相手を殺さずにいられる自分なのかどうかだった。

自分を疑い続けて、試さなければいけないと思い続けたんです。

答えを追い求めて」

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●中島と比奈子が一緒にいるシーンはとても好きでした。

とうとう中島が比奈子の内面に潜入。ちょっとムッとしている風の比奈子。潜入することは当然のことで、全然悪いと思ってない中島。立ち入りすぎな感じはありますが、中島が導き出した答えを比奈子が役立てることができるのか、ですね。

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中島のところを出た後、比奈子は、片岡が襲われた時、永久から指示された内容を実行に移します。

『選択肢を与えてあげる。一人で来て人質を取り戻すか、警察の連中と来て、人質を殺すか。24時間以内に決めて』

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比奈子は永久に教えられた廃屋の中へと入っていきます。

東海林は隅の方で、手錠につながれていました。

「永久さん、約束どおりに東海林先輩を開放してください」

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「その前にもう一度、選択して。

私と東海林巡査長、どっちを死なせるか。

手錠の鍵はさっき飲み込んじゃった。

相棒を助けたかったら、ナイフで、私のお腹を切り裂いて鍵を取り出すしかないんだから。

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心のないあんたのことは嫌いじゃないから。殺されてあげたくなったの。

あの長野の山の廃屋で最初に会った時から、あんたにときめいてたの。

あたしのこと、少しも怖がらない。

何も感じてないあんたに私と同じ場所に来てほしい。あたしと同じようにその手を血で汚してほしいって。

もうてっきり父親のことを殺したんだと思ってた。

でもいいよ。

初めてが私でも。

ほら早くナイフを出して。

言い訳はたつでしょ?だたの正当防衛、ただの人命救助なんだから。

あんたらしく人を殺すの。

誰よりも透明で何も感じずに人を殺すことができるんだから。

3分以内に答えを出して」

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永久は床に灯油をまき、ライターを用意し、比奈子の答えを待ちます。

比奈子はバッグからナイフを取り出して、覚悟を決めて、永久の方へと歩きだします。

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「藤堂!!」

比奈子と永久のやりとりを聞いていた東海林は、中島の言葉を思い出します。

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『一緒に地獄に落ちても構わない。僕が彼女に抱いている気持ちはそういう種類のものなんでしょうね。

でも東海林さんはちがうでしょう?

もし藤堂さんが地獄の淵に立っていたら、頭をひっぱたいて、無理矢理そちら側にに連れ戻す種類の人だ。

必要なんです。藤堂さんにはそういう人が。

藤堂さんを助けてあげてください』

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「ふざけんなよ!

おまえ、そんなやつのいいなりになってるんじゃねえよ!!

藤堂、おまえはちょっと根暗で、悪趣味で、ひとりのときは無表情で、犯罪に興味津々で、なんでも七味をかけるすげえ変なヤツだよ。

でもだからって、おまえは怪物なんかじゃねえ!

だだの普通の人間だろ。

殺すんじゃねえぞ!!

そっち側にいっちまったら、絶対にゆるさねえからな!

お前のことを信用してる人間のこと、裏切るんじゃねえよ!」

比奈子は東海林の言葉に戸惑います。

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『あなたが一線を超えないように、つなぎとめていたものは形見の七味缶ではなく、お母さんが与えてくれた温もりです。

お母さんはただ、あなたを信じていた』

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さっきの中島の言葉が脳裏をよぎります。

「ありがとうございます、東海林先輩」

比奈子は、構えていたナイフを下します。

「永久さん、火を消して」

「ダメ。無理!!」

永久は火のついたライターを前方に投げ、またたく間に、廃屋は火に包まれます。

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比奈子は、転がっていた鉄パイプで、東海林を手錠でつないでいる鉄柵を叩き壊そうと試みます。

「藤堂!! さっさと逃げろ!!」

「先輩をおいていけません!」

「てめえ、ぶっ殺すぞ!

こんなところで無駄死にするんじゃねえよ」

「殺したいのか、生かしたのかどっちですか?

それより先輩、あと1分で決めてください。

右手と左手、どっちを切り落とすかです」

「真顔で怖いこといってるんじゃねえよ!」

「死なせるよりはましですから!!」

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ふたりのやりとりを絶望的な表情を見ていた永久は、

「結局、あんたもそっち側かよ!!」とナイフをかざして比奈子に襲い掛かります。

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「藤堂!!! うしろ!!」東海林の声が響きます。

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比奈子にナイフを振り下ろそうとした永久は、火のなかへ飛び込んできた倉島によって突き飛ばされます。

倉島同様、廃屋に飛び込んでくる厚田たち。

比奈子と東海林はホッと胸を撫で下ろします。

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永久が連行されていく後姿を見ながら、比奈子はそばにいた東海林に言います。

「ずっとひとりぼっちで。

彼女は殺すことで人とつながりをもとめていたのかもしれません。

私は母のおかげで、ただの普通の人間でいられました」

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「・・・ああ、ただの普通の新人刑事だ。

あのギリギリで踏みとどまったじゃないか。

だから、とりあげずお前のことを信じてみるわ」

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頬を涙がつたい、比奈子は無表情のままそれを拭います。

「いや、おまえが泣くとか・・・」

心底驚く東海林に、淡々と説明する比奈子。

「ただの生理現象です。たぶん」

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「おまえとつながっているのは俺だけじゃねえ。

おまえを助けに来たここにいる全員だ。そのことを忘れるな」

東海林は厚田ら刑事たちのところへと合流しようと歩きはじめ、比奈子もあとに続きます。

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中島は比奈子からのメールを読んでいます。

『・・・というわけで、刑事を続けることになりました。

今回は踏みとどまれましたが、先生がおっしゃるように人間に答えはないので、先のことはまだわかりません。

ただ、中島先生や東海林先輩、母が信じてくれたように。

自分を信じたいとおもいます』

中島は、ホッと安堵した表情で、部屋の窓から見える四角い空を見上げています。

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●このシーン、部屋には中島の机のみになっていて、来客用の椅子のセットがなくて。

私は中島が自分の役目は終わった、もう比奈子に会うこともない、今後は誰も部屋には招かないという意志のあらわれかなと思って、ちょっと凹んだんですよね。

でも、録画を見直したら、来客のある時だけ出されるセットのようで、誤解だと気づきました。でも、連絡係は東海林へと変わってしまったし。

もう会うこともないのかも。。。

比奈子のメールにまだ先のことはわからないと書いてあるので、確定的ではないんですけどね。

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事件の捜査を終えて、自宅にもどった比奈子は、「スイッチOFF」とつぶやきます。

ベッドに横になり、眠りに落ちると、あの廃屋にいる比奈子。

あらわれる永久。

永久は再び、比奈子にナイフをもたせて、自分を刺すようにうながしますが・・・。

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比奈子はそんな永久に手錠をかけます。

「私は刑事だから」

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終わり。。。。

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いいドラマでした。

もう1話からはまりまくりました。

特に1話から5話は、最高!

細部まで見逃さないぞと、メモをとりながら真剣に見ました。

3か月間、楽しかったです。

できたら、もう少し、中島先生の回をあとにもってきてほしかったですけどね。

5話でいきなりのクライマックス。戸惑いました。(笑)

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比奈子を演じた波瑠さんはとても魅力的でした。

この役は演じるのがとても難しかったですよね。

だって、きっと私のように波瑠さんの表情から、比奈子の感情を読み取ろうとしていた人はいっぱいいたと思うから。

細かく表情を使い分け、波瑠さんは比奈子を演じきった。

比奈子も波瑠さんも好きになりました。

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それから、中島先生を演じた林遣都さん。

もうファンです。

でも、中島先生が特に好き。はまり役でしたね。

なので、藤堂比奈子の続編が無理なら、中島先生のスピンオフをやってほしい。

中島先生はこの作品でしか会えないので。

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それから、店長役の伊藤麻実子さん。

彼女も超個性的でよかった。

あんなにあのコスプレが似合う人はそうそういないですよね。

こちらもはまり役です。

中島先生のスピンオフに店長も出てほしい。

比奈子が登場しないと、このふたりを同時に登場させるのは難しそうだけれど(笑)

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この夏、一番のお気に入りが終わりました。

でも、まだまだ余韻を楽しみたいので、原作本を読みたいと思いま~す。

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●ON異常犯罪捜査官・藤堂比奈子

※過去の記事

第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話 第8話

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