ミス・パイロット・第10話 感想(前編)
10話は国木田のトラウマを晴が救う話でした。
4話は晴の不安を国木田が払拭してくれる話だったことを思うと、10話と4話はカップルになるお話かな。
どちらも、ふたりの関係性がグンと縮まる回で、お気に入りなんですよね~。
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千里(相武紗季)は、晴(堀北真希)に国木田(斎藤工)のことが好きだと伝えます。
突然の告白に晴は戸惑ったような複雑な表情を浮かべています。
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【 2013年10月1日 】
底視程下運航訓練
実機シュミレーターに乗っての訓練も終盤に。
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岸井(間宮祥太朗)、小鳥(小柳友)、諸星(庄野崎謙)、山田(藤井流星)の4名は、2日後に最終審査が行われることに。
「あらゆる故障時の操作を、どんな気象条件でもこなせるように、徹底的に復習しろ!」
晴はドクターストップの期間を考慮して最終審査は1週間後になります。
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「確実にものにしろ、できなければ、ここで脱落だ。
もう、パイロットに手が届く距離にいるんだ。
ビビッてる場合じゃない!」
国木田が叱咤しています。
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訓練生の最終審査の日時が決まり、国木田は教え子だった千里の職場にも顔を出します。
「さまになってんじゃん。
いよいよ、ひとり立ちか?がんばれよ!」
国木田が来てくれたことに喜ぶ千里。
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「・・・あの、もう終わるんで、一緒に帰りません?
どうせ、寮で食事ですよね?」
「どうせって・・・。まあ、そうだけどな」
気さくに笑う国木田。
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国木田と千里、寮までの道のりをふたり、肩を並べて歩きます。
「みんな、もう一息で実機訓練ですね」
「やっと、ここまできたかってかんじだよ」
「シュミレーターになってから、みんなシフト制なんで、前ほど会えてなくて。
ほんと、がんばってますよね」
「そんなの、おまえも一緒だろ。
ひと足先の現場デビュー、たいしたもんだよ」
「・・・ちょっと緊張してます」
「そんな感じには見えなかったけどな。
もっと、てんぱってるかと思った。
かわいげのないヤツ」
「ほっといてください」
教官と教え子だった時より打ち解けた様子のふたりです。
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「晴は少し遅れてるみたいですけど・・・」
「焦りもするだろうけど。でも昔とは違う。ちゃんと前をむいてるよ」
「変わりましたよね。晴」
「そうだな~」
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その頃、晴は病院に。
母、よし美(根岸季衣)のお見舞いに来ています。
よし美はベッドに横たわり、その周りをいくつもの機械が囲んでいます。
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「お母さん、調子どう?」
「元気だよ。この間は退院するって大変だったんだ」と父、茂雄(石倉三郎)。
「ええ?ちょっと無理しないでよ~」
「そのくらい調子いいのよ。気にしないで」とよし美。
「それより、訓練は順調?」
「そろそろ最終審査だし、ラストスパートって感じだよ」
「そう!」
和やかな母子の会話を見ていた茂雄は、ふと、沈んだ表情を見せます。
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千里と別れ、寮の食堂で食事中の国木田。
「おかわりっ!」
通りかかったかのこ(藤澤恵麻)にお茶碗を差し出します。
「珍しい~。おかわりなんて」
「どうしたんだろうな?最近、やたら腹が減ってさ。
ガキどもの相手して消耗してんのかね」
「もう立派に教官だね~」
「もう3年以上経つんだぞ。当然だよ」
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「玄太、驚いてるかもね」
「最近、思い出す事が増えたんだ。玄太のこと」
「晴ちゃんでしょう?」
かのこもそう感じていたのか、国木田の気持ちを当ててしまいます。
「ああ、なんでかな~。
手塚のことを見てるとやたら思い出す。
勘弁してほしいよ」
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「ね!今年はどうする?」
「墓参りなら行かない」
「もう10年だよ。一回くらい、いいんじゃない?
あの人、待ってるよ~」
「まさか、あいつはおまえの顔を見たいの。
俺が行っても邪魔なだけだ」
また、言ってる。そんなわけないのに・・・そんな表情で、かのこはお茶碗をもって厨房へ戻ります。
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【 2013年10月2日 】
1エンジン不作動時訓練
シュミレーター訓練最大の難関。
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国木田は後ろの席から身を乗り出して、晴の操作手順と視線の動きを確認しています。
そして、操作の間違いと、目での計器の確認の遅さを指摘。
次々と飛び出す指摘箇所を、記憶しようと必死の晴。
夢中で操作をしていますが・・・。
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背後からの国木田の声に混乱してしまう晴。
「だから、パワーしぼんなよ!」
「えっ?? でも、エアースピードが・・・」
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「だから!!パワーしぼんなよっ!!!」
突然の国木田の大きな怒鳴り声に、晴は面喰ってしまいます。
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『だから!!パワー絞んなよっ!!!
おまえさ、エアスピードばっか追っかけて、パワー動かしすぎなんだよ!!』
国木田の激しい口調に玄太は驚きつつ笑って謝ります。
『わりい、わりい~』
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晴とのやりとりで、一瞬にして、昔の玄太との会話が蘇り、国木田は凍りつきます。
「・・・・・・すまん。手塚。時間がないんだ」
「いえ、厳しく指導してもらわないと間に合いませんから」
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「・・・いや、悪かった。 今日は以上だ」
消え入りそうな弱々しい声で、辛うじてそう言うと、国木田はさっさとひとりでシュミレーターから出て行ってしまいます。
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4人の男子訓練生の最終審査が明日に迫ってきます。
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晴はひとりで習ったことを復習。
部屋に千里がやってきます。
「なに?苦戦してんの?」
「うん。エンジントラブルのステップがちょっと・・・。
教官にも聞いたんだけれど、なんか最近、様子が変なんだよね。
距離があるかんじ」
「でも、国木田さんは前からそうだったでしょ?」
「そうなんだけど。毎日、狭いところに一緒にいてさ。
なんか前と違う気がするんだよね~。
でも、自力でなんとかするよ」
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千里は晴の言葉に目を丸くします。
「自力って。大丈夫なの?」
「大丈夫だって!弱音、吐いてる場合じゃないし~」
「そう。じゃあ、一緒に勉強する?」
「千里は順調?」
「うん、やりがいある。早く資格取らないと」
千里は自分の勉強ノートなどを取りに部屋を出て行こうとしますが・・・。
「あのさ、晴。
この間、私が言ったアレ、忘れてもらえる?」
「アレ?」
「好きな人の話。
晴が大変な時に言うことじゃなかったっていうか。ごめん!」
「ううん。平気。
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千里、私、応援するから。ふたりお似合いだと思うし」
「・・・うん。ありがと」
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◆晴は国木田のこと、どう思ってるんでしょうね。
千里と国木田のことをお似合いだと思ってるのは本当だろうし。
でも、千里の言葉に複雑そうでもあったし、すずは「図星」とか言ってるし。
まあ、パイロット訓練を優先するため、恋愛を自然と封じ込めてるのかも。
千里が好きなんだとわかったら、当然、国木田と距離を置こうとするでしょうね。
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4名の男子訓練生の最終審査が終わります。
結果は全員合格。
残るは晴、ひとり。。。
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その結果を受けても、国木田には喜ぶ様子はありません。。。
凜子(菜々緒)はそれは晴が残っているせいだと嫉妬してしまいます。
「4人は審査に合格したのにうれしくないの?」
国木田の顔を覗き込む凜子。
「・・・・・・」
「ああ、そうか。手塚がまだだ。
どうせ大丈夫でしょう?
まわりに心配と迷惑かけまくって、ちゃっかり合格するんじゃないの?」
「・・・そんな簡単じゃないよ」
「またそんなに心配して~。
どんだけかわいいのよ。手塚晴」
「・・・茶化すな」
ほんとに最後まで二コリともせず、沈んだ表情のままの国木田です。
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国木田は篠崎(岩城滉一)とともに、上司に4名の審査合格を報告。
「あとは手塚だけですね。
ドクターストップによる遅れは仕方ないにしても、これ以上遅れると規定にも抵触します。
会社として厳しい判断をすることもやむを得ないかと。
大丈夫ですか?
彼女が何かと問題児だって話はちょくちょく耳に入るんですが」
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上司の問いかけに篠崎が相変わらず、ちょっととぼけたような調子で返答しています。
「大丈夫です。
うちの国木田が全身全霊、不撓不屈の精神で仕上げますんで~」
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国木田は、その言葉を遮るように、声を張り上げ、上司を驚かせます。
「あいつは問題児なんかじゃありません!
一流になる資質はあるんです!」
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報告が終わって部屋を辞した後、篠崎は国木田に注意します。
「おい、国。一体、どうしたんだ?」
「手塚は成長してます。あいつならやってくれます」
篠崎はその言葉に眉をひそめます。
「ちょっと待て!他人事か?
おまえの指導力だって評価されてるんだ!国木田!!」
篠崎が怒っても、国木田の心には響かないようで・・・。
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「1エンジンで着陸する場合、いつもどおりパワーを絞れば、当然衝突する。
パワー操作が機械的すぎるんだ」
暗く沈んだ表情のまま、国木田は訓練の後、晴を指導しています。
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バディとして晴の訓練につきあっている岸井は、
「1エンジンって感覚、つかみづらいんだよな。
このあと、寮のシュミレーターでフォローするよ。
教官にもお願いできますか?」
晴の力になろうと提案しますが・・・。
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「いや、俺は・・・。
とにかく、イメージフライトで感覚つかんでおけ」
国木田は素っ気なく言うと、その場を後にします。
「・・・変だな」
「えっ?」
「いや、俺の時は結構、夜遅くまでネチネチやられたから・・・。
やっぱ、俺、頼んできてやるよ」
岸井は席を立って、国木田を追いかけようとしますが、晴はあわてて止めます。
「いいよ、いいよ。もう、ちょっとがんばってみる」
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そう言いつつ、不安気に面持ちで、国木田が出ていった扉をみつめている晴・・・。
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国木田は千里と仕事を終えて、一緒に寮へと食事に向かっています。
千里の横でも、国木田の沈んだ様子は変わらず・・・。
「晴、夢中でトレーニングしてました。
一緒に勉強して、ちょっとテキストのぞいたんですけど。
でももう、全然わからないんです。
晴が苦労してても、私、もう力になってあげられないんですよね・・・」
「それは仕方ないよ。凹むようなことじゃない」
「国木田さん、もっと晴のことをしごいてやってくださいよ。
晴、言ってました。教官がちゃんと教えてくれないって」
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「マニュアルに沿って正確にやる方がいい場合もある」
「それはそれとして。国木田教官らしい指導をしてあげてください」
千里は晴を指導してくれと食い下がります。
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「なんだよ?俺らしい指導って?」
国木田は立ち止まって、千里にたずねます。
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千里も、晴の言っていたとおり、国木田の様子がおかしくなっていることに気付きます。
「・・・国木田さんと私たちって、最初、すごく距離を感じたんです。
壁っていうか。最近はそれが無くなったなと思ってたんですけど・・・」
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「壁なんかあったら、こんな風に話してないよ」
「でも、晴にはあるみたいですよね?」
「なんにもねえよ・・・」
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やはり、晴とはギクシャクしてる・・・千里は思い切って言います。
「国木田さんがそんなじゃ、晴だってぶつかっていけませんよ!」
「・・・そうだな」
もうこれ以上は話さないと決めたかのように国木田は、千里に背をむけてしまいます。
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最終審査目前まで来たのに、どうなってるんだろう?
千里は途方にくれてしまいます。
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国木田はシュミーレーター内でも、晴に注意点を次々と指摘。
晴はノートに書き留めるヒマもなく、うろたえるばかり・・・。
「審査まで時間がない。自分でつかんでおけ!」
国木田は、言うだけ言うと、晴といるのが苦痛であるかのように立ち去ってしまいます。
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晴は国木田を追いかけることもできず、途方にくれて落ち込んでいきます。
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国木田はその足で、篠崎のところへ。
そして、晴の教官を変えてほしいと申し出ます。
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「今になって何を言ってるんだ?国?」
「・・・やっぱり手塚には俺じゃない方がいいと思うんです。
このままじゃ、俺は手塚をダメにします」
「でも、最終審査をどうするんだ?」
「既定のレベルは達しているはずです。
・・・でも後がない中、審査前の追い込みが、どうしても・・・。
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そもそも俺は教官なんていう器じゃないんですよ」
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篠崎はそれで国木田の抱えてる悩みがわかります。
「・・・玄太が、おまえのことを恨んでるわけじゃないだろう?
おまえを頼れる男。玄太はそう信じてた。
俺だっておなじだ。国・・・」
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国木田は何も言わず、一礼して部屋を出て行ってしまいます。
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篠崎は国木田を呼び止めようとしますが、近くに千里が来ていることに気付きます。
千里は率直に篠崎に国木田のことをたずねます。
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「ひとことでいうと、国は真面目な男でね」
「うん」
「あいつが訓練生の時、相葉玄太っていうバディがいてね」
「聞いたことある。負けたくなくて必死に訓練したって」
「玄太は絶対にへこたれない男。
国も俺もそう思い込んでた。
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ところが、一度、訓練の時に大きくつまずいてね」
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『だから!!パワー絞んなよっ!!!』
『おまえさ、エアスピードばっか追っかけて、パワー動かしすぎなんだよ!!』
『わりい、わりい~』
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どんどん先に歩いていく国木田を追いかける玄太。
『あっ、ちょっと!』
『わりい、じゃねえよ!最終審査近いんだよ!!』
『わかってるって~、
昨日も夜中までイメージトレーニングしてたんだけれどなあ~。
わりい、わりい~』
笑ってごまかしているようにしか見えない玄太に、
『だったら、なんでできないんだよ!』
国木田はますます苛立って、玄太の胸ぐらをつかんでにらみつけます。
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『努力がたりないんじゃないのか!!』
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その途端、笑おうとしていた玄太の表情が一気に真顔に。
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『俺は・・・お前とは違うんだよ・・・』
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言い過ぎた・・・国木田もそう気づいたものの、とぼとぼと去っていく玄太の背中を見つめることしかできず・・・。
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「国は玄太には言っても平気だろうと思って、厳しく指摘したんだな。
でも、人間、誰だって心の奥に弱さを抱えてる。
玄太もその例外じゃなかった。
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水と油だったけど、いいコンビだったんだ。あいつら。
でも・・・、それっきりになってしまってね。
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玄太は台風の晩、事故で死んだんだ。
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国は多分、手塚の中に玄太を見てる。
だから、教官として、もう一歩、踏み出せないでいるんだと思う。
あいつにとって今が一番の試練かもしれないな。
さっき、教官を下ろしてくれと言われた。
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傷は深そうだが・・・」
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◆やっと国木田の過去が出てきました。
玄太。
バディとして3年近く一緒にいて、打たれ強いと思い込んでいた玄太が、自分のキツイ指摘をまともに受け止めて壊れてしまった。
「自殺」というより、自信喪失して、一瞬のアクシデントに対応できなかったって感じかな。
でも、そうなるまで追い込んだのは自分だと思い込んでいるんでしょうね。国木田。
真相は闇の中。。。
でも、かのこが一切、怨んでいないことから、玄太との関係は疑う余地なく、良好だったんだろうと思います。
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◆別に最終審査は連帯責任じゃない。国木田が怒ったとしてもそれは玄太が、審査に通ってほしいがため。
相手のことを思うがために、指摘がキツクなって、相手を永遠に失ってしまった。
その後悔が晴と距離を置かせてしまってるんですね。
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◆国木田は初めからずっと用心深く訓練生とは距離を置いてましたよね。
どうしてこんなに突き放すんだろうって不思議に思っていたら、こんな過去があったんですね。
晴らの教官になって3年。
訓練生たちといろんなことを乗り越えて距離が無くなったところで、つい、玄太に対していたのと同じ調子で、晴に接し始めてることに気付いて、一気に怖気づいたみたいですね。
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前編おわり。
後編へ。
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●ミス・パイロット
※過去の記事
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話前にちょっと補足 第5話 第6話 第7話 第8話 第9話
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◆ 終わりまで読んでくださってありがとうございます ◆
★ぽちっとしていただけたら、励みになります。(*゚▽゚)ノ
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