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2013年9月27日 (金)

ぴんとこな・第10話最終回(後編)

●●前編の続きです。●●

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あやめは河村家に帰るとまっすぐ、恭之助のいる稽古場へと向かいます。

一弥のことをちゃんと話しておこうと、思ったのですが・・・。

「おかえり」

ちょうど稽古を終えた恭之助とバッタリ出くわします。

一弥とのデートから戻ったあやめを見ても恭之助は冷静です。

「・・・ただいま」とあやめ。

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「話があるの」

「話があるんだ」

同時に話しだしたことに驚いて、あやめは「あ、なに?」と尋ねます。

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「話があるんだ。

俺、腹くくった。

いきなり親父が倒れて、いろんなもんが肩にのっかってきて。

すげえプレッシャーで、どうにかなりそうになったけど。

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俺がやるしかねえんだ。

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俺がこの家の伝統を守っていくしかねえ。

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だから・・・」

恭之助はあやめに頭を下げます。

「ごめん!あやめ!

今は、歌舞伎のことだけを考えたい。

ぶっちゃけ、今の俺にあやめのことを守っていくのは無理だ。

おまえのことを、あきらめるしかないって決めた・・・」

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あやめは突然の別れの言葉に表情を強張らせます。

自分の恋心がしぼんでいく・・・。

胸がつぶれそうになりながらも、あやめは必死に涙をこらえて笑顔を作ります。

「うん、わかった!

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今まで、ほんとにありがと。
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何から何まで助けてもらってばっかりで。

私、河村君は絶対にすごい歌舞伎役者になるって信じてるから」

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別れを告げた恭之助も泣きそうな表情をしています。

「ありがとうな」

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精いっぱいの元気を総動員してあやめは続けます。

「がんばれ!!、河村恭之助!!」

「おう!」

あやめは笑顔のまま、稽古場を去ります。

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廊下にいたシズにも「お世話になりました」と頭を下げるあやめ。

そんなあやめの肩をシズは抱き締めます。

「あやめさん!」

あやめは思わぬシズの優しさに、あふれてくる涙を必死にこらえて、河村家を出ていきます。

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あやめが家を出て行ったあと、恭之助はシズに言います。

「ああでも言わないと、あいつは一弥のところへ行けない。

いいんだ。これで・・・」

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シズはあやめと一弥の関係を聞いたのか、恭之助の悲しみを察して言葉なく見守っています。

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〇あやめのために身を引くなんて・・・。

別れを告げる恭之助の声がちょっと震えてるんですが・・・。

あやめ、ほんとに可哀想でした。

涙をこらえて、恭之助に言うところなんて、こちらが胸がいっぱいに。

よくこらえた。天晴れ!

でも、泣いて本心を打ち明けられた方が、ここはうまくいったのに。

今回はしっかりした女の子なのが災いしてます。

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夜の公園のベンチでぽつんと座っているあやめ。

横には荷物を詰め込んだ大きなバッグが。

「・・・あやめ」

声をかけたのは、親友の千晶でした。

あやめは千晶の顔を見た途端、声をあげて泣き出します。

その声はどんどん大きくなり・・・。

千晶はそばに座ると、あやめの肩を抱き寄せて、なだめるように撫でてくれます。

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〇友達の前でやっと心置きなく泣くあやめ。

つらさがこちらまで伝わってくる泣き方で、ああ、恭之助もあやめも恋してるんだなと、しみじみしました。

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この泣いてるあやめと、すぐ後の恭之助の猛稽古の様子が重なって、とっても素敵なシーンになってます。

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突然、別れを告げられてあやめは河村家にいづらくなり、千晶のところへ行ったんですね。

父さんのところへ行かなくて良かった~。ほんとに。

お父さんの居所は知ってるし、ちょっと行くんじゃないかと心配しました。

未成年だとアパート借りられないし、親を頼るしか・・・なんて考えてしまいました。。。

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恭之助はあやめが一弥のもとに行くと確信してたから、別れを言ったのだけれど、ほんとにもう・・・。

あやめの気持ちを確かめてから言ってほしいもんです。

シズさんも夜にあやめが出ていくのはダメだと止めてほしかった。

止めてると、千晶とのいいシーンが見られなくなるんですけどね~。

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恭之助の猛稽古が続いています。
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大事なあやめを手放して、稽古に集中したせいか、

銀蔵から「ようやく幕が開けられるな」とお墨付きをいただきます。

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恭之助はさっそく、完二郎やヤス(清水優)と打ちあわせて、病院の屋上に舞台をつくり、世左衛門に踊りを見てもらうことにします。

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車椅子の世左衛門の前で、鏡獅子を踊る恭之助。

その見事な出来に世左衛門は圧倒され、魅入っています。

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完二郎に連れられてやってきた一弥もその舞台を見ています。

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「まっすぐだよな。あいつは。

こうと決めたら、ごちゃごちゃ考えず、死に物狂いで努力する。

バカになれる男が、最後は一番強いんだ」

「でも、僕には・・・」

「誰だってなれる。向き合う勇気さえあれば」

一弥の目は舞台上の恭之助を食い入るようにみつめています。

その目に力強い闘志がみなぎりはじめます。

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春興鏡獅子を踊り終えた恭之助に、絶妙のタイミングで世左衛門が声をかけます。。

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「木嶋屋ぁぁぁぁ!!!」

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親父が掛け声をかけてくれた!!

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恭之助は驚いて目を見開いたまま・・・。

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世左衛門は車椅子から立ち上がり、恭之助の前へとやってくると、

「いい舞台だった。

本番も頼んだぞ。

おまえならできる。恭之助!!」

そう言って、見たことがない満足気な笑顔で誉めてくれます。

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世左衛門から初めてもらった褒め言葉に、恭之助は感極まって、うれしそうに表情を崩します。

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「はい!!」

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〇まさに、木嶋屋~!

世左衛門のこの掛け声、すばらしい!!!予想外で感動しました。

誉められて、恭之助がニッと笑うところもとても良かった。

これはまさに、あやめが言ってた木嶋屋の御曹司ここにあり!ですね。

世左衛門のおまえならできるっていうのもあやめと一緒。

あやめは恭之助の力量をちゃんと見抜いて言ってたんですね。

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舞台が終わったあと、恭之助は一弥と会います。

「最高の鏡獅子をみせてもらいました」と一弥。

「あれ見ても、まだ歌舞伎やめるとかいうんじゃねえよな・・・」

「もう一度!

恭之介さんの背中を追いかけたいと思います」

一弥の口調には彼本来の生意気さが戻っています。

大きな役につけて欲しいと願い出たり、恭之助とケンカしながら稽古をしていた時が戻ってきたよう・・・。

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「澤山の家に行って、頭を下げます。許してもらえるまで。

なりふり構わず、がむしゃらに生きてみせます。

そして、いつの日か、恭之助さんに追いついてみせる!」

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恭之助はうれしそうに笑います。

「しょうがねえなあ~。待っててやるよ。

お前は、俺の相棒だからな!」

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一弥も晴れ晴れとした笑顔を見せます。

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「・・・じゃあ、あやめによろしくな!」

そう言って歩き出した恭之助を、一弥は驚いて引き止めます。

「恭之助さん!

あやめちゃんは、もう・・・」

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〇私は5,6話のふたりの歌舞伎話に感動して、このドラマにはまったんですよね。

けど、7話からは、あやめと恭之助の恋愛話にシフトしちゃって、歌舞伎が遠のいていてさびしかったんです。

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なので、この最終回で恭之助の鏡獅子を見て、一弥が再び歌舞伎を目指すという展開はとてもうれしかったです。

6話までのお話を彷彿とさせてくれました。

恭之助の芸に惹かれて、何が何でも恭之助を追いかけてみせる。

この一弥の感じが最高です。

自分の芸を見せて、一弥を魅了することで、歌舞伎界に連れ戻す恭之助も、この上なくいい男ですよね。

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一弥はさっそく澤山の家に行って咲五郎にもう一度頭を下げます。

何度でも足を運ぶつもりでしたが、咲五郎は反応は意外にも・・・。

「おまえのしたことは優奈の親として許させるはずがない。

だが、この家の伝統をおまえに継がせたいという気持ちは消え去るものではない。

おまえが一から出直し、本気で努力するというのなら、この家に置いてやってもいい」

咲五郎はもう一度、チャンスをくれます。

一弥は驚きつつ、頭を下げます。

「ありがとうございます。全力で精進いたします!」

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咲五郎の突然の態度の軟化は、優奈の口添えのおかげでした。

結納が破棄された後、自分が男に生まれなかったから、家を継ぐことができないから、こんなことになったのだと自分を責める優奈を見て、咲五郎は、はじめて娘の苦悩に気付いたのでした。

轟屋の跡継ぎを願うことは、娘を追い詰めることだと。

「これでいいな?優奈」

優奈が部屋に入ってきます。

そして、留学することにしたと一弥に報告します。

「いつかもう一度、弘樹、舞台に立つ姿を見せてね。

私も弘樹に自慢できるような自分だけの大切なもをみつてみせるから。

弘樹もがんばって」

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〇ほんとに憑き物が落ちたような優奈です。

一弥への執着を取り去ってしまって、楽になったんですね。

しかし、こんな思い切った選択ができる子なら、これまでのはやはり歌舞伎界のしがらみに囚われていたということなんでしょうか。

ホラーぎみに怖かった優奈が最後にはこんなに爽やかになるなんて。(笑)

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一弥から水族館デートの中身を聞いた恭之助は、あやめの行方を探しています。

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そのあやめは恭之助とよく歩いた広場にたたずんで、恭之助のことを想い出しています。

「さよなら。河村君・・・」

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「あやめ!!」

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ハッとして顔をあげると、そこには恭之助が・・・。

駆けてきた恭之助は、息を切らしていてあえいでいます。

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「河村君、なんで・・・?」

「ここに来たら、あやめに会える気がしたんだ。

ちょっと一緒に来てくれ!!」

恭之助は突然、現れたかと思うと、あやめの手を取り、再び走り出します。

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連れて行かれたのは、ビルの屋上でした。

恭之助はあやめの手を離すと背をむけて、屋上の端まで歩いていきます。

「おまえ、俺に言ってくれたよな?

俺は歌舞伎界を引っ張っていく人になるって」

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「うん・・・」

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恭之助はあやめを見て、

「あやめ、俺はおまえのためにも必ず、一番の歌舞伎役者になる。

そして、いつの日かあの場所の、、、」

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恭之助がそう言って指さしたその先には、照明に照らされた歌舞伎座が浮かび上がっていました。

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「あの舞台の真ん中に立って見せる!」

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「うん!」

あやめはうれしそうに微笑みます。

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「そんで、お前にも特等席を用意してやる」

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「え?」

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「永遠にお前しか座らない俺の隣って特等席!」

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「・・・河村君」

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恭之助は真顔になって、あやめに言います。

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「あやめ、好きだよ」

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あやめも初めてちゃんと恭之助に自分の気持ちを伝えます。

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「私も、私も、大好きだよ!」

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ホッとした笑顔をみせる恭之助に、

花が咲くように見事な笑顔をみせるあやめ。

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あやめは、恭之助に向かって走り出し、その胸に飛び込みます。

恭之助は、やってきたあやめをしっかりと抱き寄せます。

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やがて、ふたりは体を離して、

お互いの想いを伝え合うように、キスします。

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お話はこれで終わりです。

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ラストのキスも良かったけれど、ギュッとしたハグが特に良かったです~。

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でも終わりの「fin」はないですよね~。

初回冒頭、歌舞伎風で始まったのだから、歌舞伎風に終わらないと。

これだけは、違うと思いましたわ~。(笑)

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10話は詰め込みすぎだったので、あと15分くらい延長してほしかった。

のちのDVD発売を考えると、余計にそう思って仕方ないです。。。

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ラスト、広場にどうして手ぶらであやめがいるのか、よくわからなかったし。

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まあ、それはさておき、良かった、良かった。

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大ハッピーエンドです!!!

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あやめが自分のことを想ってくれていたとわかったら、速攻で会いに行ってましたね。恭之助。

ふふふ。恭之助はそうでなくっちゃ!

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しかも、あれはプロポーズ?

なにこれ、おめでたい!!(笑)

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もうこのドラマが放送されている間は、楽しくて楽しくて。

こうやってレビューを書くのも楽しかった。

UPするのを遅らせたくらい。。。

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できたら、スペシャルとか続編とか作ってほしいなあ~。

歌舞伎ドラマは華やかなので、お正月にいいと思うんですけどね~。

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世左衛門もすぐに亡くなるというわけではなく、養生してなんとか恭之助のそばにいてくれそうですし、ほんとに大満足です。

恭之助には世左衛門という「重し」は必要だし、厳しい銀蔵さんも必要ですね。

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さて、ふたりは両想いになりました。

恭之助がフラれても、フラれても、あきらめず、ようやく両想いになったんですから、その経緯を見てきた世左衛門とシズはあやめのことは大歓迎ですよね。

結婚するにはもうひと波乱ありそうですけど。

それもドラマで見たい!!!!

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あやめはまた河村家で同居するのかな。

今度ははっきりと両想いなんで、恭之助のテンションがあがりそうで心配!(笑)

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歌舞伎の家の花嫁修業もするのかしら。

シズさんにばっちり仕込んでもらえそう。

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苦労をしてきたしっかり者のあやめだから、目いっぱい努力しそう。

なんといっても、あこがれの木嶋屋ですしね。

着物を着ての花嫁修業、かわいいだろうなあ~。

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恭之助と一緒におうちの伝統をばっちり守っていきそうです。

しあわせな未来が目に見えるよう。

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ああ、なんか想像するととっても楽しいんですよね~。

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それから、レビューを書きながら、思ったことなんですけど。

このお話で一番、楽になったのは一弥かもしれないなと。

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いろいろ苦しい思いをしましたが、咲五郎の言葉を聞いていると、優奈との結婚がなくても跡継ぎに一弥を選びそうだし。

しがらみが一気に消えた感じ。

これからは思う存分、歌舞伎だけに打ち込めます。

あやめを失ったことを除いては。

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そのあやめのことですが。

一弥は、6話で一度、しっかりとあやめより歌舞伎を選んでるんですけど。

でもその後、9話のあやめの危機で歌舞伎よりあやめを取ってるんですよね。

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そう思うと、一弥の気持ちも、あやめの気持ちも、結論が出るまで10話までかかったんですね。

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あやめを失っても、ずっしりとのしかかってくる伝統を背負いながら、精進していかないといけない恭之助とは違いますから。

やっぱり、気楽に歌舞伎に集中できそうです。

それに、轟屋の跡継ぎとして、すぐに大きな役をもらって、恭之助と同じ舞台に立てそう。

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恭之助と一弥、ふたりで競い合い、支え合い、最高の歌舞伎を見せて、お客さんを目いっぱい喜ばせてくれそうです。

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歌舞伎の演目では、3話の棒しばりの回が好きでした。

2,3話は何度もリピートしました。

そのあとの5,6話の刈屋姫も。

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演目とお話が絡んで、それを見事に演じることで、恭之助や一弥が成長していく様子がたまらなく魅力的でした。

もっともっと見たかったです。

ぴんとこなはこれが一番、見応えがあったと思います。

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その上に、恭之助と一弥とあやめの恋模様が加わって、贅沢なドラマでした。

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ああ、楽しかった。

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私のお祭り状態はまだまだ続いていて、これからまた1話から見直します。

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秋ドラマが始まるまではどっぷり、はまりますよお~。

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長文を読んでくださった方、ありがとうございました。

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●● ぴんとこな ●●

※ドラマ通信の中にあるぴんとこなの過去ログ

ぴんとこな第2話

ぴんとこな第3話

ぴんとこな第4話

ぴんとこな第6話

番外編1 ぴんとこな第7話

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◆前後してますが、見逃していた回を見ましたので、遅れてレビューしてます。

ぴんとこな第5話

ぴんとこな第1話&玉森くん

ぴんとこな第8話 感想速報

ぴんとこな第8話

ぴんとこな第9話感想速報

ぴんとこな第9話長文

ぴんとこな第10話最終回・前編

ぴんとこな第10話最終回・後編

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