七つの会議・第3話(全4話)すべてが壊れていく
個人の葛藤を丁寧に描きながら、最後には組織の体質を浮かびあがらせるってすごい。
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CMナシで視聴者をじっくりと引き込んでいきます。
NHKならではのドラマですね。
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「隠蔽せよ!」
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東京建電の社長(長塚京三)からそう言い渡された営業部部長、北川(石橋凌)は、製造部部長や人事部長、他数名と会議室にこもります。
その中には原島(東山紀之)の姿も。
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佐野(豊原功補)は思惑がはずれ、ひたすらおとなしくしている状態。
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会議では、隠蔽について話し合われます。
「闇回収するしかない。
航空機は点検を待って製品を入れ替える。
そのためには最低でも5年はかかる。
国内のすべてのネジをかえるにも5年・・・」
「最低でも5年・・・もっとかかる可能性もあるのか・・・」
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北川はこの隠蔽に関する業務はすべて原島が担当するようにと命じます。
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「坂戸がこんなやり方に手を染めたのは何か理由があったからじゃないのか?」
会議のメンバーから根本的な原因をたずねられても、北川は押し黙ったまま。
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会議後、原島は交換用のネジを大量に発注しようとしますが、経理部に知られてはまずいと北川に言われ、前借りもできず・・・。
こんなことをしている間にネジが原因で事故が起きてしまうんじゃないかと原島は思い詰めていきます。
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東京建電が隠蔽へと本格的に動き出した矢先、佐野の手紙が村西福社長のところにも届きます。
村西副社長は東京建電の生え抜きの宮野社長とは違って、親会社フロンティアから出向している身。
村西はすぐにフロンティアに連絡。
フロンティアは定期監査に経理だけでなく製品の品質監査も加えて、念入りにやりたいと言い出します。
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東京建電では今度は社長も加わり会議が開かれます。
原島は東京建電側の責任者として、この監査を乗り越えるかわりに、ネジを調達するための費用と人員を用意してほしいと、社長に直談判します。
「そうしてくだされば、5年のところを2年で終わらせます!!
死に物狂いで乗り越えてみせます!!」と。
社長は大きく頷きます。
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フロンティアの監査の日。
原島らは用意した書類をフロンティア側に渡します。
そして、すべての監査が異常ナシで終了しようとしていたころ・・・。
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隠してある坂戸関連の重要書類のありかをフロンティア側に漏らす人物が出現。
原島は胆を冷やしますが、間一髪で発見されるのを阻止します。
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フロンティアの監査が帰った後、原島の前にあらわれたのは八角(吉田鋼太郎)でした。
「あなたなんですね。情報を漏らしていたのは。佐野の手紙を副社長に送ったのも・・・」
「ああ。
おまえは企業のリコール隠しに加担して隠蔽作業に関わったんだぞ」
「言い訳するつもりはありません。
わたしは臆病な人間です。
強度不足のネジで街を危険にさらしたくない。
けれど、会社を壊す度胸もない。
下請けの仕事を奪う勇気もない。
だったらこういうやり方しかないじゃないですか?
死に物狂いでこのまま乗り切っるしか!」
「お前ひとりで何ができるんだ?
いいか、組織っていうのはな、そんな簡単なもんじゃないんだよ。
会社っていうのな、お前のその善意を利用するんだ。つけこむんだよ。
目を覚ませ。原島!」
原島は怒りにふるえます。
「だったら、あなたは何をしてきたんだ?
匿名の投書で告げ口するくらいじゃないか?」
「・・・わからないんだよ。俺も。。。
何をすればよかったのか。
20年以上前・・・俺は人を殺した。
強引な訪問販売で相手を自殺に追い込んだんだ。
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・・・・・・この会社が生き残る道がまだ、
まだ何かあるんじゃないかと思うんだ・・・」
「その間にみんなが危険にさらされているんだ!
私はこのまま進みます!」
「これくらいならまだ大丈夫だ。まだ引き返せる。
でも、そう思ってても気がついた時には戻れない場所にいることがある。
そうなってからじゃあ、遅いんだぞ!原島!」
会社という組織の中に戻っていく原島をずっとみつめている八角。
八角は今度は名前を名乗ってフロンティアに電話します。
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一方、原島は誰もいない会社の自分の席に座り、坂戸の携帯に電話します。
坂戸は出ず、留守番電話に切り替わります。
「今日、フロンティアの監査があった。
・・・・・・安心しろ。
おまえがやったことはみつからずに済んだ。
でも、ちょっとこわいよ・・・。
どうしてかな。こうやってるうちに引き返せなくなるのかな・・・。
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・・・・・・おまえもそうだったのか?」
原島が電話を切ると、折り返し坂戸から電話が・・・・・・。
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「坂戸がこんなことをしたのは何か追いつめたからじゃないのか?」
なんで坂戸がこんなことをしてしまったのか、それが知りたかったんですが・・・。
坂戸を批判していた原島が坂戸と同じ心理状態に陥ってしまっているようです。
原島のように坂戸も追いつめられたんでしょうね・・・。
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八角の「会社っていうのな、お前のその善意を利用するんだ。つけこむんだよ」
つけこまれたのか・・・。
このセリフ、すごくストンときますね。
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最後に、ぶわ~~と会社という組織の歪みが浮き彫りになりました。
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しかし、あの八角の変わり様には驚きました。
フロンティアにバラしただけでも驚いたのに。
原島にお説教。
会社の中で八角がどんな気持ちでどんな目で他の社員を見ていたのか、あらためて気になりました。
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とにかく、原島が今にも起るかもしれない事故に怯え、会社や下請けの板挟みになって苦悩する気持ちがこちらにまで伝わってきました。
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ネジ一本がどんなに大切かをつくづく教えられるドラマです。。。
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