子供たちをあゆみ(鶴田真由)に返すと決意したマルモ(阿部サダヲ)は急に温泉に行こうと言い出します。
「どうして?急に?」と驚く薫(芦田愛菜)と友樹(鈴木福)に、ムックは「大人には息抜きも必要なんだよ」と説明してくれます。
「やった~」と大喜びの二人です。。。
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また、マルモは居酒屋くじらで大家さん(世良公則)に二人を返す決意を報告します。
「週末に温泉に行こうと思ってまして、最初で最後の家族旅行です。
二人にはまだ言ってないけれど、わかってくれると思います」
彩(比嘉愛未)は不安そうに言います。
「急にそんなことを言われて、すぐに受け入れられないと思う・・・」
「でも、それが二人のためだから。受け入れてもらうしかない・・・」とマルモ。
「そうか…、でも二人の気持ちも大切だぞ」
大家さんは言葉すくなにそう言います。
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いざ旅行へ出発。修善寺へ。
旅館で出された活造りに「かわいそう~」と絶句する二人。
そして夜には枕投げ。
マルモも入って大はしゃぎの3人です。
ふと、気付くと離れたところでシュンとしているムック。
「ムック、どうしたの???」3人がたずねると・・・。
「ずっと暇だし、ドッグフードだし。もういい!寝る!」
とすねるムックです。
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深夜には・・・。
寝ているマルモを揺り起こす二人。
「マルモ、何かいるの・・・。お化けかな・・・」
恐る恐る障子を開けると、そこにはお菓子の袋をあさっているムックが。
「お腹がすいちゃって・・・」
「ああ、、、僕のおやつ・・・(泣)」
マルモに内緒でこっそり持ってきたおやつ・・・ムックに食べられ涙目の友樹です。
その後もお化けを怖がって、マルモの布団に入ってくる二人。
マルモは困りながらもニコニコ。。。
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帰りの日には、神社にお参りします。
「また、来年の温泉に来れますように~~!」
薫と友樹は楽しそうにお祈りしています。
その様子を見たマルモは・・・。
「二人がずっと元気でいますように」
こみあげてくる淋しさをおさえ、一心にそう祈ります。
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無事、旅行から帰宅。
「やっぱりウチが一番だな~~」とヤレヤレと旅行から帰った時の定番のセリフを言うマルモ。。。
その後は落ち着くヒマもなく、後片付け。
子供たちの服を見てはしんみり・・・。
お茶碗やお箸を洗っては感慨にふけるマルモ。
子供たちのいる賑やかな夜をすごせるのはもうあと少し・・・。
「ほんと!ウチが一番だよな・・・」
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翌日、マルモはあゆみを呼び出します。
そして、笹倉の手紙を見せます。
「すみません。勝手に読んじゃいました」
あゆみはその笹倉の手紙を読みはじめた途端、泣き出します。
夫が自分の育児放棄をとうに許してくれていて、ずっと家族だと思ってくれていた・・・。
手紙には優しい言葉がいっぱいでした。
「・・・笹倉はあゆみさんのことを待ってたんですね。
俺、それを呼んで決めました。
薫と友樹はあゆみさんのところへお返しします。
それが笹倉の気持ちなら二人はあゆみさんと暮らすべきです。
ほんとは・・・俺がずっと二人を見守っていたい。
でも、もう返すって決めました」
「・・・いいんですか?」
「その手紙は笹倉がずっと捨てずに持っていたんです。
その思いを知った以上、返すしかありません」
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マルモは、あゆみを家へと連れて行き、薫と友樹に引き合わせます。
「大事な話があるんだ。
・・・あゆみさんはお前たちのママなんだ。
俺はうそをついてた・・・」
「ごめんね」
あゆみも薫と友樹に謝ります。
けれど、薫も友樹も聞かされたことに驚くばかり・・・。
「ママは死んだってパパは言ってたよ」と友樹。
「おばちゃんはずっとどこにいたの?」と薫。
あゆみは覚悟を決めて話します。
「ママね。
二人の前から逃げ出しちゃったの。
ママがだめなママだから、二人の前から逃げて、ずっと隠れてたの」
「僕、ママがいなくて寂しかったよ」
おっとりした友樹はまだ現実味がない様子・・・。
「なんで会いにきてくれなかったの?
パパが死んだ時、なんで会いに来てくれなかったの?」
しっかり者の薫はきちっと痛いところをついてきます。
「・・・あのな」
「薫たちを捨てたんでしょ?だから隠してたんだ!」
あゆみをかばおうとするマルモに薫の不満が爆発します。
「マルモのうそつき!」
薫と友樹は家を飛び出します。
一階にいた彩がマルモのかわりに二人を追いかけてくれます。
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「なんとかあいつらを説得しますから。大丈夫ですから」
慌てた様子のマルモに対して、意外にも冷静なあゆみ。
「やっぱり許されることじゃないんです。それはわかってます。
でもちゃんと謝れてよかったです」
「大丈夫です。ちゃんと言ってきかせますから」
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河原に座り込んでいる二人をみつけ、ホッと胸をなでおろす彩。
そっと近づき、二人のそばに腰をおろします。
「おばちゃんは本当はママだったんだって」
薫はそんな彩に気づいて、思いを吐き出します。
「びっくりしたね・・・」
「ねえ、彩ちゃん。
おばちゃん、なんで薫と友樹を捨てたのかな?キライだったのかな?」
「キライだったらまた会いになんてこないよ。捨てたわけじゃないと思う」
「でも、好きだったら、うそはつかないよ!」
「うん、うそは悪いことだね。
みんなは二人のことが好きで、がんばってうそをついたんだよ。
もしばれたら二人に嫌われるかもしれないでしょ?
でもがんばって、うそをついたんだよ。
何か特別な理由があったんだよ。
うそをつかれて、みんなのことをキライになっちゃった?」
二人は首を振ります。
彩に連れられてマルモのところに戻っても自分の部屋に直行する二人。
マルモと彩がリビングに取り残されてしまいます。
「・・・やっぱり返さなきゃいけないんですかね。
高木さん(マルモ)が一番寂しいのはわかってるけど。
それでも、私、寂しいです。
3人と一緒にすごす時間好きだったし。
家族っていいなって高木さんたちを見て思ったので」
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子供たちの反発に降参したマルモは居酒屋くじらにやってきます。
事情をわかっている大家さんもシンミリ・・・。
「あいつら、受け入れてくれますかね~・・・」
「お前はどうなんだ?」
「俺、あゆみさんが現れた時、ほんとはどっかで思ってたんですよね。
二人を返した方がいいって。だって母親だもん。
・・・俺、ほんとはあいつらとずっと一緒にいたいです。
ああ、、、手紙なんて読まなきゃよかったな~・・・。
でも、あの手紙読んじゃったら、返さないわけにはいかないですよ。
納得するしかないですよ」
「寂しいよな。赤の他人から家族にまでなったんだからな。
お前よくやったよ。ほんとによくやった。
たいしたもんだよ・・・」
大家さんはマルモを心からねぎらってくれます。。。
.
翌日、会社から帰ってくると、マルモは薫と友樹に宣言します。
「よし!今からおきてを書くぞ。よく見てろ!」
しばしためらった後、書きだした文字は。。。
【 はなればなれでも 家族 】
その言葉を読んだ薫と友樹はびっくりして目を丸くします。
マルモとはなればなれになっちゃうの?
「マルモ・・・どうしてそんなおきてを書くの?」と驚く薫。
「マルモとはなればなれなんて嫌だよ!」と泣きそうな友樹。
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強く抱きついてきた薫と友樹を、自分から無理矢理、引き離すマルモ。
「情けない顔してんじゃねえよ~。
いいか!
人間は成長する。薫はギャルに。友樹はイケメンに成長します。
そしたら、こんな汚い狭い部屋、うんざりしちゃうんだ。
だから早めにこんな部屋を出るんだ。さみしいのなんて今だけですぐに忘れちまう」
「でも!でも!薫と友樹は寝るところもないもん」
「マルモがご飯作ってくれないとおなかすいちゃう~だから」
二人は必死になってマルモにすがりつきます。
「お前らにはママがいるだろ。
お前らはママと暮らすんだ。
ママはお前らを捨てたんじゃない。
ママはずっと病気だったんだ。たったひとりで病気と闘ってたんだ。
パパはママのことを応援しながら、ひとりでお前らの面倒を見てたんだ。
死んだってうそをついてママの病気を隠してたんだ。
でも、ママの病気は治った。だから、お前らはママのもとに帰るんだ。
それが死んだパパの願いなんだ。
泣いてもだめだ。お前らはママのこところに・・・」
「そんなのヤダ!ママなんていなくてもいいもん!!」
友樹はママの出現でマルモと暮らせなくなることをはっきり理解したようで焦り出します。
「友樹!
ママがお前らをどんだけ好きだったのかわかるか?
好きで好きで心が病気になっちゃうくらいだったんだぞ。
それでもおまえらに会いたくて、たった一人で病気を治して。
元気なママに戻ったんじゃないか。
ママをいらないなんて絶対に言うな!
家族をいらないなんて絶対に言うな!」
友樹はマルモに怒られて、反論できず・・・。
目の前のおきてノートを手にすると、
「おきてなんていらない!!!」と力まかせに破り捨てて、部屋に閉じこもってしまいます。
.
>思えば、友樹が叱られることはあまりなかったですよね。
薫と友樹の怒りの沸点の違いが出ていてウマいなあ~と思います。
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マルモは河原でぼんやりと景色を眺めています。
つらいのはマルモも同じです。。。
薫はひとりリビングで破れたおきてノートを一枚一枚、めくって読んでいます。。。
.
やがて、薫は子供部屋に友樹のそばにやってきます。
「友樹…」
「お姉ちゃん。
・・・マルモ、おきてノートを破ったから怒ってるかな?
僕、マルモとはなればなれはイヤだよ。
マルモと一緒がいいもん。
・・・お姉ちゃんははなればなれでもいいの?」
薫は友樹の前に破れたおきてノートを広げます。
「・・・イヤだけど、でもマルモのおきては絶対だよ。
家族のおきてだよ」
「でも、今日のは間違えたよ・・・」
「マルモのおきては今まで一回も間違えなかった。
パパが死んでいなくなっちゃったけど、もう寂しくないでしょ?
彩ちゃんとか、おやじさんとか、学校のお友達とか、
みんなと仲良くできたでしょ?マルモがおきてを書いてくれたからだよ、
薫はそう思う」
薫は泣きながら友樹に話しかけます。
「おきてかあ~。
マルモとはなればなれなったら、もうおきてを書いてもらえないね」
「もう・・・書いてもらえない。
でも、がんばるんだよ・・・。
最後のおきてもちゃんと守ってマルモに誉めてもらお。
マルモと元気でバイバイしよ」
「・・・うん」
薫と友樹はセロテープを持ってきておきてノートの破れたところを直していきます。
「・・・ママ、もう病気にならないかな」
帰ってきて、途中から二人のやりとりを聞いていたマルモが口を挟みます。
「ママはもう病気にはならないよ。
ママは4年間、ずっとお前たちのことを思い続けたんだぞ。
はなればなれだった間も、ずっと家族だったんだよ。
俺たちだってそうだ。はなればなれでも家族だよ。
俺たちはこの短い間で家族になれた」
「でもはなればなれは寂しいよ」と友樹。
「俺たちは家族なんだからな。俺たちは家族だ。
俺たちがどこにいってもそれは変わらないんだ」
友樹は突然、マルモが手にぶら下げているコンビニの袋に目をやります。
「・・・マルモ・・・アイス買ってきたの?」
話題が急に変わってマルモは拍子抜けします。
「こんな時に・・・。おしっ!一緒に食うかっ!」
友樹は納得すると、すぐに元のおっとり食いしん坊にもどるようです。
.
>薫が泣きながら話すんですが、声が震えるんですよね。
それでもうグッときちゃって・・・もらい泣き。
マルモもほんとにやさしい人ですよね。
.
あけぼの文具ではマルモの異動の話が本格化。
お客様相談室の同僚たちは異動を祝してサプライズパーティを開いてくれます。
それは、子供たちを返すことになって寂しそうにしているマルモを励ます意味もありました。
そんな中、マルモは異動話を断ってしまいます。
「お客様相談室にいたから、独りよがりじゃない発想で開発の手伝いができる気がする」
同僚たちはマルモの思いに賛成してくれます。
.
居酒屋くじらで、3人は最後の夕食を済ませます。
ごちそうに大騒ぎの薫と友樹。
.
食事の後は彩が二人を上に連れて行って寝かしつけてくれます。
.
居酒屋くじらにはマルモと大家さんが。。。
「いよいよ、明日か・・・」
「明日です。二人とも元気でたすかりました」
しみじみとお酒を口に運ぶ大家さん。
「・・・彩を嫁に出したときもそうだったな~。
いつものようにメシ食って、風呂入って、おやすみって言って、寝て、
次の日、嫁に行った。
ちょっとそこまで出かけてくるって感じでな~」
「彩ちゃんらしいですね」
「正直、寂しかったけどな~。
でもなあ~、寂しいだけじゃないんだよ。
子供を送り出した後にちょっとだけ胸張れるんだ。
これでやっと親として一人前なのかなって胸張れるんだ。
まあ、それも子供のおかげかな。苦労してやっと親になってくんだ。
どっちが育てられてるんだか、わかんねえなあ。
でもなあ、彩、さっさとで戻ってきやがった。
コンビニから帰ってきたみたいに、ただいま~だとよ・・・。
はあ~・・・。誰かもう一回、もらってくれねえかな。
もう一回だけ、親として胸張りてええなあ~」
.
>この大家さんの話を聞いた後のマルモの表情が不思議。
ハッとした顔をしてるんですが。大家さんの思いに気づいたのかしら・・・。
自分の中の彩への思いに気づいたのかしら?
.
薫と友樹におやすみを言う彩。
「彩ちゃん、マルモのことよろしくね。マルモってひとりだとダメダメだから」
薫は彩に頼みます。
「うん。おやすみ・・・」
彩は微笑んでそっと部屋を出ていきます。
「・・・ムックもマルモのことよろしくね」
「わかってるよ」
・・・なかなか寝付けない薫と友樹にムックは話しかけます。
「眠れないの?心配ないよ。おきてがあれば大丈夫」
.
深夜、マルモは温泉の写真をアルバムに貼り付けています。
楽しい思い出をたくさん残しておいてやらないと、いつもマルモはそんな風に考えてます。
.
お別れの朝。
もりもりご飯を食べて、「行ってきま~す!」と明るく言って家を出る薫と友樹。
マルモのところにやってきてから親しんだ「ごま塩の親分」をカバンに入れて。
マルモはバス停で待っていたあゆみに子供たちを引き渡します。
「護さん、いろいろとありがとうございました」
「はい。
薫、元気でな。ママに甘えていいんだぞ。
友樹は甘ったれをなおせよ。
今までどおり仲良くな。
あと・・・・・・、もういいか・・・。
元気でいろ。なっ!」
「あ~あ、バス来ちゃった」
薫はいつも使っていた赤いボールをマルモに手渡します。
二人はあゆみに促されてバスに乗り込みます。
「おきてノートが入ってるから忘れるな。元気でな~」
マルモは一生懸命に手をふります。
窓から泣いてくしゃくしゃになった顔を出して手を振り続ける薫と友樹。
二人は遠ざかるバスの窓からずっとマルモの名前を呼び続けます。
.
>このときの子供たちの泣き顔がもう、、、泣かせます。
この泣き顔はすごいです。
.
バスの姿が消えた後、マルモは二人から渡されたボールに目をやります。
そこには子供たちの字が。
「ずっと大好き。ずっと家族」
それを呼んだ途端、マルモは泣き出します。
.
あゆみは薫と友樹を連れて喫茶店に入って一息つきます。
あゆみをどう呼ぶかで相談している薫と友樹。
「おばちゃんでもママでもどっちでもいいよ~」とあゆみ。
「ママって呼びたい」と友樹。
「ママって呼んでいいですか?」と薫。
「ほんと?ママって呼んでくれるの?ありがとう」
あゆみはうれしそう。
友樹はさっそくママと呼んで話し始めます。
「ママはひとりで病気と闘ってたんだってマルモが言ってた」
「ママ、ひとりでがんばってたんでしょう?」
「ママ、一緒に闘えなくてごめんね。
今度、また病気になっても僕が一緒に闘ってあげる」
「薫も!」
「ママ、知ってる?家族は何より大事なんだよ。マルモが教えてくれたの。
ねえ、ママ、生きててくれてありがと」
友樹の言葉にうなづいて薫と続けます。
「ありがとう」
子供たちの言葉に涙が止まらなくなるあゆみです。
「あっ!
僕たち・・・マルモにありがとうって言うのわすれた・・・」
二人はしゅんと肩を落とします。
「おきてノートをもらったのに・・・」
「おきてノート?」
リュックからおきてノートを出して見せる二人。
「マルモが決めたおきてが書いてあるの。
みんなで仲良くするためのおきてなんだよ。全部、マルモが決めたの」
「ちゃんと守らないといけないの。おきては絶対だから」
薫の言葉に友樹もニッコリします。
「おきてを守ってたから、毎日楽しかったよ」と友樹。
「マルモのいうとおり、ずっと仲良しだった」と薫。
「ママ、マルモはね。
すぐに怒ったり怒鳴ったりするけれど、ほんとは寂しがりなんだよ」
「泣き虫なの。
またマルモに会えるかな。ありがとうって言えるかな」
.
子供たちの話を聞きながら、おきてノートを開いて中のおきてを読んでいくあゆみ。
その中のひとつに目をとめます。
「はなればなれでも家族」
それは一番最近、書かれたおきて。。。
その文字をあゆみはじっとみつめています。
.
部屋ではムックがマルモを出迎えてくれます。
「・・・護、護、ありがとな」
聞き流しそうになったものの、マルモは「護」と呼ばれたことに驚きます。
「おう・・・、え?護って。お前・・・」
マルモはそこではっとします。
「お前、もしかして笹倉か?」
ムックの顔をじっとみつめるマルモ。
そのムックの全身から光が・・・天へとのぼっていきます。。。
笹倉の魂が去ってしまう・・・。
マルモはなぜかそう感じ、どうすることもできず泣き出しそうになります。
「これじゃあ・・・、俺。ほんとに一人ぼっちじゃねえかあ~」
.
その時、耳に飛び込んできたのは誰かが階段をのぼってくる音。
マルモは一瞬、子供たちが帰ってきたのかと期待しますが、やってきたのは彩でした。
彩は子供たちの忘れ物を届けてくれたのでした。
「・・・行っちゃいましたね」
「・・・うん。こんなに静かなの久しぶりだから落ち着かないよね」
「あっ、これまでは二人がいたから、これからはこうやって入るのは変ですね」
彩はちょっと残念そうに言います。
「いや! 俺は平気なんだけど・・・」
慌てて否定するマルモです。
「二人がいないと顔をあわせることも減りますね~」
再び彩は残念そう。
「いや!どうなんだろ~・・・」
再び慌てて否定するマルモです。
ふと、床に落とした忘れ物を取ろうとして彩とマルモの手が重なります。
二人の間に今までにない種類の緊張が走って・・・。
.
そこへ。
なんと薫と友樹が突然、飛び込んできます。
「ただいま~!!!!」
ニコニコ顔の薫と友樹は、二人の間に流れる緊張感に気づきます。
「あれ~。二人で何してんの~~?」
マルモも彩も赤くなって、
「せ、世間話をしてたのよ~~」とごまかすことでいっぱいいっぱい。
ようやく状況を把握したマルモは驚いて叫びます。
「あっ!おまえたち!なんでここにいるんだ!!あゆみさんは?」
「え~、下にいるよお~」とまだまだニマニマしている薫と友樹です。
.
マルモが居酒屋くじらに行くと、大家さんと話すあゆみが。
「あゆみさん、俺、ちゃんと言ってきかせますから」
「いいんです。私が連れてきたんですから。
あの子達をおいて家を出てから今日までの4年間。
私、心の中で謝り続けてきたんです。
二人を引き取ることになって、罪をつぐなうつもりで大切に育てようって思ったのに・・・。
・・・それがあの子達、生きててくれてありがとうって言ってくれたんです。
ありがとうって。
それで焦っていた気持ちが少し楽になりました。
護さん、ほんとうにありがとうございました」
どこか気持ちがふっきれたような笑顔を見せるあゆみです。
「・・・俺はなんにも・・・」
「あの子達をこんな風に育ててくれたのは笹倉だけでなく、護さんだと思います。
おきてノートを読んでそう思いました。
・・・だから、もう少しだけあの子達のことをよろしくお願いします。
はなればなれでも家族、なんですよね。
はなれていても家族なら、私はゆっくり、少しずつ母親に戻ります」
「まあ、これからはいつでも会えるんだ。焦ることはないですよ」
そばで聞いていた大家さんもあゆみの考えに賛成します。
マルモは夢のような展開にうれしくて言葉もありません・・・。
1階におりてきた子供たちはさっそくお腹すいた~とご飯を催促。
大家さんはみんなのご飯の用意をはじめます。
「ママの分も作ってね~。
マルモも、おやじさんも彩ちゃんも家族だよね!
あっ!そうだ!
ママ、カステラ作ってよ~。
お誕生日に作ってくれたぐりとぐらのカステラ~!」
子供たちに望まれて、あゆみも厨房に入ります。
マルモも薫も友樹も、手伝いをするために厨房へ。
彩もはりきって腕まくり。
家族みんなでおいしいご飯を作りはじめます。
.
マルモと薫と友樹のいつもの朝が始まります。
マルモは仕事に行く支度をしながら、
「マルモ~、髪をしばって~!」と言われ、薫の髪を適当にしばり・・・。
時間ぎりぎりまでご飯をかきこむ友樹をしかりつけ・・・。
「おら~、遅刻するぞ~!!」
ふたりを急きたてて、玄関へと向かいます。
ふと、薫が足をとめ、見送りに近づいてきたムックを見ます。
「ムック、最近、しゃべらないよね・・・」
マルモはムックに笹倉が乗り移っていたことを話すべきか、迷いますが・・・。
「遅刻するぞ!!!」と突然しゃべり出すムック。
薫と友樹は「な~んだ、しゃべるじゃん!」と安心して出ていきます。
一人残されたマルモに、ムックは、
「何、泣いてるんだよ~!!マルモ!」とニッと不適な笑み。
「ええええ~~~!!!」
どういうこと? 笹倉じゃなかったのぉぉ~??
.
混乱するマルモを残して、
マルモのおきては終わりを迎えてしまうようです・・・。
.
(おしまい)
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終わりましたね~。大団円で。
そして、スペシャル決定だそう。
途中まで泣いてたのに、最後はもう自分がなぜ泣いていたのかも忘れて大笑いしてました。
いやあ~、いい終わり方でした。
テンション高いまま、マルモリダンスに入れたので、気分も良かったです。
な~んも言うことはありません。(笑)
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最後のあゆみの気持ち。
これは、マルモびいきを別にして、すんなり理解することができました。
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子供たちやその周囲から拒否されているときは、受け入れてほしいという思いが募ります。
それが急に叶って、そこであゆみは落ち着いて物事を見られるようになったんでしょう。
子供たちにママだと名乗ったあと、次に会った時にはもう「生きててくれてありがとう」とまで言ってもらえたんですから。
うれしいですよね。
でも、それはすべてマルモのおかげであゆみ自身は何もしていないんですね。
だから、あゆみはゆっくり余裕をもって子供たちと接して、子供たちから一緒に暮らしたいと言ってもらえるようなママになるつもりなんでしょう。きっと。
ゆっくり母親にもどる、それができる環境にあるんだから、それが一番いいんだと思います。。。
ママもいて、マルモもいて大家さん親子もいて、愛してくれる人がたくさんで、その中で成長していける薫と友樹はしあわせです。
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さて、ハッピーな最終話だったので、もうこれ以上言うこともなく・・・。(笑)
ああ、マルモと彩は・・・にわかに恋しそうな雰囲気になってきましたが、このままかな~。
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それから、予告でおかしなことが。
ムックには笹倉が乗り移っていて、だからしゃべるんじゃないかと大方の視聴者に思われていたんですが。
そうじゃなくて、ムックは単なるおしゃべり犬だったってこと?
だって、ガールフレンドはフレンチブルドックの花ちゃんもしゃべってましたよ。
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「花です~♪」に、
大方の視聴者も、マルモたちと一緒に、
「ええええ~~~~~!!!」でした。(笑)
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最後はムックのなぞでスペシャルまで引っ張るの???(大笑)
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ほんと、最高の最終話でした。
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はあ、長い記事って途中で消えるんじゃないかとハラハラしますね~・・・。へへへ。
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