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2011年9月 1日 (木)

それでも、生きてゆく・第8話

名作ですね。

ドラマ内ではじめに懸念されていたことがここにきて、現実になってきて、いろんな人々が試されようとしています。

後半を迎えて、迫力が増してまいりました。。。すごいです。

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駿輔(時任三郎)は文哉(風間俊介)に会おうと果樹園にやってきます。

けれど、文哉の部屋では真岐(佐藤江梨子)が倒れており・・・。

経営者で父親である草間(小野武彦)は衝撃を受け、放心状態のまま、真岐に付き添って病院へと向かいます。

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果樹園に残った駿輔は妻の隆美(風吹ジュン)に電話し、文哉がまた人を傷つけたかもしれないと告げます。

「・・・とにかくすぐに出かけられる準備をしておいて」

隆美は気配を察して不安がる灯里(福田麻由子)に、

「大丈夫よ、何があっても母さん、あなたを守るから!」と抱き寄せます。

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果樹園にやってきた洋貴(瑛太)と耕平(田中圭)も駿輔から詳細を聞かされます。

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「ふかみ」では、響子(大竹しのぶ)と双葉(満島ひかり)が楽しげに食事をしています。

けれど、二人の会話をさえぎるように、テーブルに出しておいた双葉の携帯が鳴りだします。

・・・電話をかけてきたのは文哉でした。

「お兄ちゃん?

ああ、びっくりした。

今、どこ?深見さんと一緒じゃないの?どこにいるの?

私はね、今、三船湖の深見さんちに、深見さんのお母さんと一緒にいる・・・。

ねえ、お兄ちゃん、今から会おう」

「・・・双葉。

お前がイヤだっていうからこんなことになった・・・。

・・・・・・。」

双葉の表情が強張り、それを見ていた響子はひどく心配しますが・・・。

双葉と文哉の会話が終わった途端、今度は「ふかみ」の電話が鳴ります。

響子は耕平によって、果樹園の娘が文哉に襲われたらしいと知らされます。

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「・・・お風呂わいてるわよ」

響子はぼんやりと突っ立たままでいる双葉に話しかけます。

「・・・亜季がいなくなった日もね。

警察からの連絡を待ってる間、主人と言いあったの。

お風呂入るか入らないかで。でも入らないまま、朝になった。

警察が来て、亜季のことを聞いて、結局そのまましばらくの間、お風呂のことなんか頭に浮かばないようになっちゃって・・・。

あなたの家もそうだった?」

双葉はコクリとうなずきます。

「みんな臭かったでしょう?

・・・ご飯とお風呂は済ませられるうちに済ました方がいいのよ。

また長い一日が始まるかもしれないんだから」

「・・・・・・」

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駿輔や洋貴らが病院に到着した時もまだ真岐の手術が続いています。

あまりのショックに現実を受け止められないまま、孫娘の面倒を見ている草間。

駿輔と洋貴、耕平は入院のために必要なものを買い揃えて草間に渡します。

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そこではじめて洋貴と耕平は草間に自分たちの素性を伝えます。

「・・・ああ、深見さんでしたか。

(文哉が)うちに来たときに大体のことを聞いてます。

亡くなった方のためにも、あいつに真っ当な人生をと思っていましたし。

娘もあいつが気に入っていましたし。

まさか、まさか、俺が雇ったやつがこんなことを・・・」

草間はそこまで話して、言葉を詰まらせます。

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そんな草間に手術を終えた医師が真岐の容体を伝えに来ます。

「脳挫傷が広範囲で、意識が戻る可能性は低く・・・」

「以前の同僚にも同じ状況の人がいました・・・」

草間はようやく娘の状態を正確に理解し、絶望で泣き崩れます。

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>草間の背後で、真岐の子供の面倒を見てる駿輔が映っていて。

本物の家族は文哉から距離を置き、文哉を受け入れた家族はこんなことに。

皮肉なものですね・・・。

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「ふかみ」では双葉が出かける用意をしています。

「・・・私、会いに行ってきます」

響子は驚いてたずねます。

「誰に?洋貴?お父さん?お兄さん?」

双葉は何度も首を横に振り、絞り出すように声を出します。

「あ、あの・・・被害者の方に」

双葉は深々と頭を下げ、「ふかみ」から出ていきます。

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病院から姿を消す駿輔。

洋貴は、車が行き交う道路の真ん中をフラフラと歩いている駿輔をみつけ、路肩へと連れ戻します。

駿輔は憔悴しきった表情でその場に座り込みます。

「このまま、生きてても償えるんでしょうか?償いきれるんでしょうか?

15年かかっても償いきれないのに!」

肩を震わせ泣く駿輔。

「・・・さっき。草間さんが買ってきてくれました。

あなたの分だとおっしゃってました」

洋貴は駿輔にコンビニの袋の中のパンを見せます。

道路には駿輔の財布が落ちています。

洋貴がそれを拾うと、中が見えて・・・。

そこには駿輔と隆美、双葉と妹、4人の笑顔の写真が。。。。

洋貴は背中を丸めてうずくまっている駿輔に目をやり、複雑な表情を浮かべます。

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>ああ、そうか・・・。

4人の写真を見て、どうして複雑な表情をするんだろうと思ったら。

15年かかっても償えない・・・と駿輔は言っているけれど、文哉の居所を探そうとせず、4人の生活を大事にしてきたんですよね。

それは償っているとはいえないと洋貴は再び思ったんでしょうね・・・。

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「ふかみ」では、一人で店番する響子のもとに耕平の妻、由佳(村川絵梨)と孫がやってきます。

由佳は「ふかみ」のお客さんに荷物を持ってもらったと言い、男に中に入るように促します。

由佳の背後から現れた男を見た途端、響子は戦慄を覚えます。

文哉でした・・・。

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>双葉が言っちゃったんですよね。場所を・・・。

うっかりさんだと思う・・・。双葉。

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真岐の状態から事件性を疑った消防は警察に連絡。

病院に警察官がやってきます。

草間から事情を聴いていた警察官は文哉のことを聞くと態度を一変させます。

病院に戻っていた駿輔は自分が文哉の父親だと名乗り出て、草間とともに警察にむかうことに・・・。

そんなところに双葉がやってきます。

「お父さん・・・」

駿輔に話しかける双葉を見て、草間は初めて感情を爆発させます。

「あんたの娘か!

娘がいるのか?

帰してくれ!俺の娘返してくれ!!」

草間は警察官に抱きかかえられるようにしてパトカーに乗せられます・・・。

駿輔もそのあとに続きます。

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病院の玄関でひとり棒立ちになっている双葉に声をかける洋貴。

「・・・遠山(双葉)さんのせいじゃないよ」

「・・・いえ、私のせいです!

・・・お兄ちゃんがそう言ってたんです・・・。

『おまえがイヤだっていうから、こんなことになったんだ。

双葉のせいでまた人殺した』・・・って・・・」

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「ふかみ」では由佳と孫が奥の部屋へと姿を消した後、響子は文哉に話しかけます。

「文哉くん?」

「・・・はい」

「今日ね、洋貴出かけてるの。なんの用?」

「妹を迎えに来ました」

「妹さんも洋貴と一緒よ。千葉の農家で娘さんが襲われたの。こん睡状態らしいわ。

かわいそうにね。お子さんもいるみたいなのに。

無念だったと思うわ。そう思わない?」

響子の感情は次第に昂り・・・。

「・・・わかりません」

「わからなくないでしょう?」

「わかりません」

「あなたがやったんだから!」

「忘れました・・・」

響子は文哉につかみかかります。

「忘れたんなら、思い出しなさいよ!」

文哉は響子から逃れようともがきます。

「無理です、そういう病気なんです。

病気って自分じゃどうしようもできないからっ」

響子は文哉の頬を叩きます。

それをきっかけに嫌がる文哉を押さえつけ、亜季の思い出話を無理やり聞かせる響子。

「あなたが殺したの!

私、あなたが中学生だったとしても!心を失ったんだとしても!

私はあんたを許さない!!」

文哉は叫び声をあげると、響子を突き飛ばし、体の上に覆いかぶさり首を絞めはじめます。

「殺しなさい!!

私は絶対にあなたが死ぬまで死なないから!!」

ふいに響子の首をしめる手の力が抜け、文哉はうっとりと宙をみつめ・・・。

「・・・亜季ちゃん、キレイだった。

三日月湖に浮かぶ亜季ちゃん、キレイだった。

それだけはよく覚えてるんです。

だからお母さん、そんな落ち込まないで・・・」

響子は椅子の足をつかむと、力いっぱい文哉を殴りつけます・・・。

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双葉を自宅へと車で送っていく洋貴。

双葉の死にたいというつぶやきを聞いて洋貴は車をとめます。

「・・・別に死ぬのは結構ですけど、

遠山さんが死んだら・・・俺も死ぬと思います」

洋貴の言葉に双葉は面食らいます。

「は・・・、何言ってるんですか?私と深見さんは加害者と・・・」

「そんなのどうでもいいだろっ!

死ぬとか言うなよっ!!

あんたにそんなこと言われたら、俺は・・・俺は・・・」

洋貴はハンドルにもたれかかり、必死で心を静めます。

「・・・できるものなら、何もかも忘れて・・・、

できるものなら、何もかも投げ出して・・・、

どこかずっと遠くの・・・、誰も知らない・・・、

僕らのことを誰も知らないところへ行きたい・・・。

・・・二人だけで・・・」

双葉は洋貴の横顔をそっと・・・息をひそめるようにしてみつめています。

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いつからか双葉の悲しみは、もう双葉だけのものではなくなっているのでした・・・。

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あなたが死んだら、僕も死ぬと思います。

寡黙な洋貴の心の中で、双葉への想いが深く育っていたんですね。

ドキッとするセリフでした。

重苦しいそれまでの展開が一気に吹き飛んでしまうような感じでした。

まさに恋とか愛の力は強いです。

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響子と文哉の乱闘。すごかったですね。

でも、気持ちをぶつける響子を見ていて、文哉相手にこれだけのことが言えて、気持ちが浄化される部分があるんじゃないかと思いました。

吐き出す方がいいですものね。

それと、今まで人づてにしか聞いてなかった「文哉は反省してない」という言葉。

まわりがそう判断してるだけで、本人の思いはどうかはわからないと思っていたんですが、みんなの証言のとおりだったんですね。

病気のせいにしようとしたり、記憶にないと言ったり、あれでは響子はたまったもんじゃありません・・・。

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しかし、文哉はどうしてあんなに双葉に執着してるのか。

亜季のことも真岐のことも、双葉のせいってどういうことなんでしょうね。

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もうあと2時間弱で9話がはじまります。

ま、間に合った~!

楽しみです!!

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※過去の記事

第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話

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2011年夏ドラマ」カテゴリの記事

コメント

間に合わせたんですね~。
一回抜けるのかと思っていたら。。素晴らしい

段々と川が一つになってくような展開。すごいですよね。
一回見ても消化しきれないし、そうしたものもドラマの中で一つずつ丁寧に掬っていくし。

時任さんもああいう演技するんですね。何だか、みんなすごい。
救急車を呼ぶのがすぐには思い付かないとかも。

文哉が病気だから、と言ったのも、彼自身が更正施設で治ったとは思っていなかったし、むしろ病気だからと言い含めていたのはこの社会システムだったようにも私には思えたりして。

いい作品ですよねぇ。それなのに観てる人が周りにいなくて、、
また、レビューお願いしますね。

投稿: 閑人 | 2011年9月 2日 (金) 19時50分

こんばんわ~!閑人さん!

>間に合わせたんですね~。
一回抜けるのかと思っていたら。。素晴らしい

お恥ずかしい…。気にしてくださってたんですね。
ありがとうございます。。。

>段々と川が一つになってくような展開。すごいですよね。

ほんとに。はじめのころからずっとブレてないところもすごいです。安心してどっぷり見ていられます。。。

>一回見ても消化しきれないし、そうしたものもドラマの中で一つずつ丁寧に掬っていくし。

一回目は結構、衝撃的で受け止めるだめでいっぱいいっぱいで、見返してセリフをちゃんと理解するって感じになってます。

>時任さんもああいう演技するんですね。何だか、みんなすごい。

みんながすごいから、画面から伝わってくる緊迫感がすごいですよね。ビリビリしてます。

>文哉が病気だから、と言ったのも、彼自身が更正施設で治ったとは思っていなかったし、むしろ病気だからと言い含めていたのはこの社会システムだったようにも私には思えたりして。

ああ、そういう見方もありますね。うん。
そういう意味では文哉も歪められてるんでしょう。
きっと今後の展開で浮き彫りにされてくるんでしょうね。

>いい作品ですよねぇ。それなのに観てる人が周りにいなくて、 また、レビューお願いしますね。

いい作品です。
普段なら私もヒューマンドラマは避けていたんですけど見ていてほんとによかったと思っています。
たくさんの人もぜひ見てもらいたいです。

この作品は最後までレビューします。決定です。
下手なレビューですが、ぜひ!読んでくださいませ!

投稿: とわ→閑人さん | 2011年9月 2日 (金) 23時58分

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それでも、生きてゆく 第9話 このドラマと、思いっきり被る現実に事件が起きちゃった。 8月31日夜、渋谷区のライブハウスにガソリンを撒いて無差別大量殺人を引き起こそうとした島野悟志容疑者。 「大勢の人を焼き殺そうと思った」と供述している島野容疑者は、17歳だった05年4月に東大阪市の「花園中央公園」広場で遊んでいた当時4歳の男児の頭を鉄製ハンマーで殴り重傷を負わせた、いわゆる『4歳男児ハンマー殴打事件』の犯人で、中等少年院行きになった前科を持つ。 ハンマー殴打って、文哉(風間俊介)と同じ... [続きを読む]

受信: 2011年9月 2日 (金) 12時35分

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