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2011年1月 4日 (火)

新参者スペシャル「赤い指」

前半、暗かった・・・でも、最後には感動。

良かったです。

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このお話は加賀恭一郎が人形町に赴任する2年前の話らしいです。

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サラリーマンの前原(杉本哲太)が妻の悲痛な電話に驚いて自宅に帰ると、庭に少女の死体が。

妻の八重子(西田尚美)は半狂乱。息子、直巳の仕業らしい。

息子を殺人犯にしたくないと頑なに言い張る八重子に説得され、前原は公園のトイレに死体を捨てにいく・・・。

そんな前原と妻の行動を認知症の彼の母親(佐々木すみ江)はぼんやりと眺めています。

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公園の死体が発見されて、すぐに前原家に練馬西署の加賀(阿部寛)がやってきます。

前原が玄関に出ると、加賀は庭の少女の死体を置いていた場所に立っているのでした。

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死体を発見して、妻と相談して公園に捨てにいくまでの35分。

つい、お正月なのに暗い・・・とつぶやいてしまいました。

35分たっぷり使って前原家の内情についてやったのは、彼の家族がどれだけ気持ちがバラバラになっているのかを印象づけるためだったんですね。。。

前原は同居している母の認知症や、息子のイジメ問題に背をむけて、見て見ぬフリをする日々。そんな中で起こされた息子の事件でした。

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前原家にやってきて、認知症の母親に少女の写真を見せる加賀。

庭の芝生の種類をたずねる加賀。

加賀・・・ほんとに鋭い・・・。

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加賀は従兄弟の松宮(溝端淳平)とコンビを組み、聞き込みにまわることに。

さらに前原家のガレージに放置された自転車のタイヤについた泥に注目。

少女の遺体を箱にいれ、雨の中自転車で運んではないのかと仮説を立てます・・・。

それはすべて当たっていて、怖いくらい。

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一方、加賀の父親は病院で余命いくばくもなく・・・。

残りの時間を費やして、看護師さんと将棋をする毎日。

松宮は加賀の父親を慕っており、見舞いに出かけるが、加賀は病院を一度も訪れることなく・・・。

なぜ、父親に会いに行かないのかと、松宮からチクチクと嫌みを言われています。

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松宮の母は加賀の父親の妹で、この親子の面倒は彼がよく見ていた模様。

でも、父親は本当の家族の方はないがしろにしていたってことなんですね。

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加賀は松宮に話します。

刑事だった父親は家庭を顧みず、母親は加賀が小学生のときに蒸発。

数年後、アパートで一人で亡くなったという知らせを聞き、加賀は単身、母親の遺骨をもらいに行ったと言う。

加賀はそれ以上は何も言いませんでしたが、それが父親の見舞いに行かない理由のようでした。

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警察の捜査がどんどん自分たちに迫ってきていると判断した前原は先手を打つことにします。

前原は加賀らを呼び出して、認知症の母親が少女を殺したと告白します。

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前原の母親がどこで絡んでくるのと思ったら・・・。

こうきたか~っと驚きました。。。

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前原は母親が犯人でも、認知症では責任能力も問われないだろう、老人だから過酷な状況にはおかれないだろうと加賀らにたずねますが・・・。

加賀や松宮はそれを否定します。

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ここらへんの前原や妻の様子を見ていると、それじゃあ、死んだ女の子や女の子の親の気持ちはどうなるんだと腹が立ちましたね。自分たちの家族だけ守ったらいいのかいと。

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けれど、加賀はすでに、すべてを見通していました。

そして、母親を犯人にしていいのかと前原に詰め寄ります。

前原はついに耐えられずに白状してしまいます。

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けれど、次に加賀の口から出た言葉に前原を驚愕・・・。

なんと!

母親は認知症を装いながら、ずっと息子に真実を警察に打ち明けなさいとサインを送っていたという。

息子に正しいことをしてほしいという一心でいろいろと。。。

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これには、ビックリしました。

おばあちゃんはどうしてずっと認知症を装ってないといけなかったの?

家で殺人が起こってるのに、お芝居を続けたのはなぜ?

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前原は母親の思いを聞いて、自分が家族の問題に対して真正面からぶつかろうとしていなかったから、こんなことを招いてしまったのだと気付きます。

前原は、息子が犯人であることを告げ、警察に引き渡すのでした。

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なぜ前原の母親が認知症の真似をしていたのか、それは加賀にもわからないようでしたね。

でも、松宮には理解できなくても尊重しないと、と言います。

老人には老人にしかわからない思いがあるからと。

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その後の加賀の父親の話にぼろ泣きしてしまいました。

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加賀は父親が危篤と聞き、病院に駆けつけるも、外でそっと病室を見上げていました。

松宮はそんな加賀を見て、ああ、父親を憎んでいたわけではないのだと気付きます。

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加賀は・・・。

加賀の母親が看取ってくれる人もなく、たった一人でなくなったことを父親はずっと気にしてていた。だから、自分が息を引き取るまでは絶対にそばによるなと言われたとようやく語ります。

「自分もたった一人で死んでいこうと決めていたのだろう・・・」

それは妻への詫び・・・。加賀は父親の思いを汲んであげたのでした。

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老人には老人にしかわからないことがある。それを尊重してあげること・・・なんですね。

加賀は父親をとっくに許していて、こっそり看護師さんを通じて将棋の相手をしてあげていたんですね。

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叔母に頭を下げ、父親の死に顔を見て「満足そうだ」と微笑み、看護師さんにお礼を言う・・・加賀。

その表情は、万感の思いを胸の奥に抑えこんだ、厳粛なものでした。

将棋の相手が加賀だったことと、この最後の表情に胸がいっぱいになりました。

もう泣けて仕方なかったです。

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この最後のシーンはめちゃめちゃ良かった。

加賀と父親の絆は十分に伝わりました。

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でも、おばあちゃんの考えはわからないんですよね。

その疑問が渦巻いて、正直、タイトルの赤い指のエピソードは丁寧に描かれていたのにまったく集中できなかったです。(笑)

おばあちゃんから前原へのセリフがもう少しあっても良かったかも。

でないと、想像力のない私にはわからん・・・。

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加賀は事あるごとに松宮に相手の気持ちを探りながら丁寧に捜査をしないといけないと言い、それは加賀の父親の信条と重なり・・・。

けれど、加賀自身は父親に対して冷たく。

過去のことが許せなくて動けなくなっているのかしら?なんて思わせておいて・・・。

実はそれは父の思いを尊重したことで、父親とは心がつながっていたという最後の種明かし。

何度も書いてますが、良かったです。

その証が将棋ですから。

うまいなあ~。。。さりげなくて、良すぎますよ。

阿部寛さんの加賀恭一郎に惚れてしまいそうですわ。

連続ドラマの時はここまで思わなかったのに。

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田中麗奈さん演じる看護師さんの肩の力が抜けた温かな雰囲気も良かったです。

加賀父のエピソードでは要になる役どころだったんですね。。。

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松宮も加賀父の影響を受けていて、意外と鋭いところがいいんですよね。

加賀の推理には素直に耳を傾けるし。

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大好きなあの新参者のテーマ曲も聴けました。

大満足なスペシャルでした。

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加賀恭一郎シリーズの新刊が発売されるらしいので、これもいつかSPで見られるのでしょうか。

楽しみですね~。。。

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受信: 2011年1月 5日 (水) 18時03分

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さすがの東野圭吾作品を堪能しました。そこでやはり思い出したのが、心残りだった『新参者』の見せ方。今回のお話が良かったのか、2時間20分のSPが良かったのか…スタートから引きつけられてました。女児の遺体を公園まで運ぶシーンも、あらゆる部分を見逃すまいと釘づけ。そ... [続きを読む]

受信: 2011年1月 9日 (日) 10時51分

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