チェイス・第6話最終回「カリブの黒い薔薇」※「感想」編
※チェイスはレビューが長くなりましたので、「あらすじ」と「感想」を分けてUPしています。
「あらすじ」は上にありますので、読んでみてくださいね。
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感想です。
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最後まで村雲は母親を憎めなかったんですね。
子供の手足を切る親なんて世界中にいっぱいいると言いながら、その現実を受け止められなかった。
見ている私も受け止められなかった。。。
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テレビを見ていても、親の虐待で死んでしまう子供たちのニュースが毎日のようにあるし、そんな親もいると認識せざるを得ないけれど・・・。
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2度目に見て、ようやく村雲の哀れさを感じることが出来て、白浜での春馬の悔し泣きに一緒に泣きました。
ほんとに憎い母を憎めない・・・愛されたいから・・・。
かわいそうでした・・・村雲が。
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春馬は妻の事故で復讐に溺れそうになったけれど、生活のあちこちに漂う妻の面影と娘の存在が現実に引き戻してくれたんでしょうね。
白浜で村雲のために悔し泣きしてあげられる春馬に感動しました。
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私も悔しかったです。あんな母親。
まだ愛されたいと願っている村雲が哀れで。
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歌織は・・・この母と似たタイプの女性ですね。
お金や男の野望のために子供を産んだり・・・。
でも最終的は子供の安全が一番。お金には転ばなかった。
村雲の本来の理想を彼女が見せてあげられたのかも。
自分の息子は幸せになると確信して、安心して死ぬことができた・・・かな。
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しかし、あの木彫りの薔薇。
文子が受け取っていたら、スイスに送金されたお金はすべて文子のものになってたんですね・・・。
正道の財産はすべて文子のものに。
元々ひかる名義でも、文子との二重名義にしてあったということだし・・・。
歌織とひかると一緒に暮らしていても、根本的に母に愛されたいという思いの方が強かったんですね。
母親は村雲の思いを受け取らず、黒い薔薇は春馬のもとへ。
正道の遺産はほとんど国税局が把握できたと・・・。
この最後の黒い薔薇のやりとり、村雲が託した希望・・・が伝わってきました。
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ところで、あの誘拐事件。
文子の自作自演だったことはわかりましたが。
盛りだくさんな内容だったので放送直後は理解するので精一杯。
でも、もやもやしててはっきりした感想がなくて・・・。
翌日に2度目を見て頭を整理したら。
●正道が身代金3億を払ったのかどうか。
●母、文子が3億手に入れたのかどうか。
●署長の谷山が犯人らが射殺された時にはすでに母と関係があったのかどうか。
この点ははっきりした描写がなかったですよね。
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でも、歌織がはっきりと「正道と貴一には罪はなかった」と言い切ってますし、
文子は「息子などおりません」と完全拒否してるから、
誘拐は文子が首謀者だったってことなんでしょう。
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文子の周辺は、5話の春馬に話した谷山の話と再現映像を事実とするか作り話が混じってると受け取るかで解釈が変わってきますよね。
谷山の折々の事件の感想がウソとは思えなくて、これが一番、混乱させてくれます・・・。
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でも、3日間考えて出た結論は、
文子は自分が絶対に疑われないために息子の腕を切断させたってこと、でした。
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文子の体を拭いていた赤い手ぬぐいを、誘拐犯人が首からぶらさげていたことから、二人は性的関係にあったと見て取れます。
二人はグルで、文子のアイデアですべて動いていたんでしょう。
もし犯人が警察に捕まり、自分との関係を自供したとき、「そんなはずはない。私は息子を傷つけられた被害者なのだ」と言いはるために。
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3億を正道が出したとして、犯人に渡す前に紙くずと入れ替えたのなら、なぜ村雲を傷つけさせる必要があったのかと疑問だったんですが・・・。
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自分が疑われないため。それが必要だったんですよ。
その時点で、村雲は決定的に母に裏切られているから、それ以上の描写はなかったのかも。
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でも、私なりの解釈を書いてみると・・・。
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文子は3億を手にしたんでしょう。
そして、グルである誘拐犯人の一人とはこれは打ち合わせ済み。
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文子は先に3億を取り、紙くずと入れ替えた。
共犯者は仲間たちの手前3億払われなかったと逆上してみせて村雲を傷つけた。
それで仲間を騙すつもりだったけれど、警察に乗り込まれて全員、射殺されてしまった。
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犯人たちが逮捕されるように居場所を警察に密告したのは文子かもしれないですね。
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共犯者を含む犯人たちが射殺されたことは文子にとって誤算で幸運だったのでは。
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この時は、まだ谷山とは関係なく、事件後、真相に気付いた谷山が文子に近づき、恋仲になったんじゃないかな。
餓死したと村雲と正道に手紙を書き、死んだと思わせ、ひそかに白浜に隠れ住まわせた。
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5話の回想映像では谷山が犯人を射殺したわけではなくて、警官たちの後の方で中に入ってるんですよね。
たくさんの目撃者もいそうなのでほんとに谷山が射殺したわけではなさそうだし。
谷山は陰でこっそり賄賂をもらうタイプ。誘拐の共犯になるような過激なタイプではないですよね。
ただ、見た目の雰囲気だけですが。
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文子は本妻に子供ができて、正道の足が遠のいたことから、自作自演の誘拐を思いついたと。
村雲を犠牲にして、人生をやり直した。
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愛人にあんな貧乏な生活を強いていた正道が、3億奪われても黙っていたのは穏便に済ませたいという気持ちと、手切れ金がわりだと思ったのでは。
3億がどこに消えたのかはわからなくても、村雲は無事だったわけだし。
それ以降、文子とは会っていないし。
正道が亡くなる前、手を合わせて謝っていたのは文子や村雲らに対してでしょう。
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私は文子は3億を手にしてると思います。
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谷山が正道と村雲に「死んだ」ではなく、あえて「餓死した」という手紙を書いたのは、文子が3億を手にしていないことを強調しておきたかったからかもしれないですよね。
文子と自分の生活や地位を守るために。
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でないと、身代金要求が失敗してたなら、あのまま文子は黙ってなかったと思いますわ。
再び、村雲を使って正道に何かを仕掛けていたと思います。
だってこんなことまでした文子なんですもの。
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それもあって、村雲は身代金は払われてないと思ってますね。
少年の頃に檜山の家に侵入したり、大人になって正道の遺産を狙ってるわけですから。
母が生存してると認識したとき、彼は檜山に近づいてますから。
歌織の話では、母が死んだと思っているときは真面目な普通の人だったらしいし。
村雲が文子の生存を知らずにいられたら、きっと幸せに過ごせていたんでしょうね。
母親への「希望」を抱くことはなかったんですから。
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いつか、ノベライズが出たらすべての真相がわかるかもしれないですね。
でも、私はこの自分の考えた真相で納得したので、これでヨシとします。一応。(笑)
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チェイスは春馬と村雲の本筋はきちっと終わったんですが、村雲の過去のパートは「籔の中」状態。
文子、谷山、正道。
この中でも、鍵を握るのは文子。でも決して話さないでしょうね。
過去のパートは、考えれば考えるほど新たな発見があります・・・。
ラストで、文子の回想を映像で見せてしまうのは野暮ってもんなんでしょうね。
過去のパートはどれを見せて、どれを見せないかを、ほんとに考えて作られてますね。
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私は多分終わりにすることができず、まだまだ悶々と考え続けそうです。(笑)
だってほらまだ、なぜ子供の村雲に正道は山の数え方を教えたのか?わかってませんよね。一座、ニ座って。
これも何か意味がありそうだと思いませんか?(笑)
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チェイスは謎の多い良いドラマでした。
考えるのが楽しかったです。
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