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2010年4月23日 (金)

チェイス・第1話「カリブの手品師」

春馬草輔(江口洋介)は、東京国税局 査察第20部門(内偵班)に所属する査察官。

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春馬らが内偵調査をし、その後、案件は実施班(ガサ入れ担当)に渡され、これを嫁入りと言うらしいです・・・。

が、実際に脱税容疑で調査に入るときは、内偵班も実施班も一緒に行くみたいです。

春馬は執念とカンの良さで脱税を暴いていきます。

上司には統括官の新谷(益岡徹)、次長の品川(奥田瑛ニ)。そして、部下にはITの能力を買われて配属されてきた新人の窪田(田中圭)。

また、仕事に追われる日々の春馬には、文句を言わず尽くしてくれる妻、雪恵(木村多恵)と、構ってもらえないことに不満タラタラの一人娘、鈴子(水野絵梨奈)という家族がいます。

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「お金を増やす一番のいい方法。それは税金を払わないこと」byジョニー・ウォン

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ヴァージン諸島にライトキャスト社長、檜山(斎藤正)と税務コンサルタントの村雲(ARATA)がやってくる。

村雲はさっそく客である檜山にレバレッジド・リースの説明をします。

「まず、この旅客機を40億円で購入します。今年見込まれている御社の黒字10億と借入金30億でそれを購入し、東アジア航空へリースします」

これがタックス・シェルター(租税回避商品)で、合法的に1年で10億を減価償却できると話します。

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檜山は自分が購入する飛行機に触りながら、村雲に言います。

俺の親父は元経団連会長で資産は6千億。

もし今、親父が死んだら相続税3千億、国に持っていかれる。

村雲さんは金を消す手品師。脱税のエキスパートと言われてるんだろ?

親父の資産6千億円を消せるか?

非合法でもかまわない」

村雲はニコリともしないで無表情に言います。

「税金を払わないのは犯罪でしょうか?

殺人や窃盗は世界中どこへいっても犯罪です。

税金のかからない国で税金を払わない。それは犯罪とは言えない。

例えば香港、バハマ・・・。

税金をおさえることで世界中の富裕層から預金を集めている国があります。

またそこでは顧客の情報は保護され、税務調査の手が届きません。

ここ、ヴァージン諸島もそうです。

ここは税金のない国、タックスヘヴンです」

檜山は感動して村雲の手を握り締めます。

そして、彼の左手が義手であることに驚きます。。。

「ああ、それからひとつ、忠告が・・・。

旅客機のリース先の東アジア航空は経営に難があります。

乗客としては乗らない方が懸命です」

村雲の言葉はのちに現実となってしまいます・・・。

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村雲は元同僚の川島(長谷川朝晴)の見舞いにやってきます。

川島は末期がんで余命半年と宣告されています。

会社を辞めてから自宅でデイトレーダーをしていたが、リーマンショックで全財産失ったと。そして今の唯一の心配は残していく妻の歌織のことだと打ち明けます。

「川島、残りの人生を南の海で静かに暮らさないか?

彼女に資産を残すこともできるぞ」

川島は村雲の申し出を受けいれるのでした。

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檜山は村雲の能力を試すため、Zaicc(ざいく)レンタカー社長、財津(佐藤二朗)を紹介します。

財津の依頼はシンガポールに隠してる株の利益20億を税金のかからない金にしてほしいということだった。

村雲は檜山と財津に自信ありげに言います。

「今朝、川島とその妻が成田を立ちました。

半年後、20億の金はこの男の命と共に消えるでしょう」

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村雲の計画は着々と進んでいるようですが・・・。

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資金繰りに困った財津は、偽の領収書を使ってしまいます。

村雲に注意されても、「どうせバレはしない」と危機感がまるでない財津。

「脱税とはこの国でもっとも困難な違法行為です。

それは申告があるからです。申告とは自ら証拠を提供するようなもの。

脱税はあらかじめ犯人がわかっている犯罪です。

むしろ殺しの方が簡単でしょう」

村雲のこの脅しも効き目がありません。

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その偽領収書はきっちり発見され、春馬のところへ・・・。

さっそくZaiccレンタカーを調べ始める春馬達。

5ヶ月後。

一見、たいした利益をあげていないように見えているけれど、詳しく調べると。

財津がシンガポールに20億、隠し持っていたことがわかる。

でも、そのお金は別会社との取引で使われ、その後赤字として申告されたという。

20億が送金された先も判明します。

お金の動きは十分怪しいのだけれど、手も足も出ないと春馬。

「日本の国税に海外の調査権はない。国外で金を動かされたら捜査できない。

しかも行った先が悪い。タックスヘヴン。ヴァージン諸島だ」

ヴァージン諸島の送金先の口座名はサジタリウス、

代表者がケイスケ・カワシマ・・・。

けれど、春馬達の調査はここまでが限界だった・・・。

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一方、ヴァージン諸島では川島夫婦が豪邸で暮らしていた。

妻の歌織がするようにと命じられているのは、村雲の下で働くジョニー(大浜直樹)から手渡されるぬいぐるみを受け取って自宅へ持ち帰ることだけ。

日に日にやつれていく川島に寄り添う歌織。

「君みたいな女が7年間もただの奥さんでいてくれた。

俺じゃなくて、君が株をやっていたら今頃、大金持ちだったね・・・」

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春馬らの調査は行き詰まってしまう。

ちょうどそんな時、鈴子から雪恵が世界遺産旅行へ行きたがっていることを聞かされ、新婚旅行にもいってないこともあり、春馬は夫婦で海外旅行に行くことにする。

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そこでまた、金策に疲れ果てた財津は税理士に相談してしまいます。

ヴァージン諸島にある20億の隠し金をなんとかできないか~と。

それを聞いた税理士は取引を打ち切ってしまいます。

そこまでやった後で、村雲に泣きつく財津。

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「ヴァージン諸島にある資産を動かします。

購入した無記名債券を香港に持ち込み、再び日本円に変えて新会社に入金します。

これでその金がなんなのか、どこからきたのか、誰にもわかりません」

これからの段取りを話していた村雲は財津の愚かさに落胆します。

「・・・タレコミの可能性がありますね」

そのとおり、税理士は国税局へ通報します。

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ヴァージン諸島の川島の容態が急変。

村雲はジョニーに川島を病院へつれていくより、先に例のスキームを実行しろと命じます。

うろたえる歌織の前で、ジョニーはぬいぐるみの腹を引き裂き、中から札束を取り出していきます。それは財津の隠し金。

歌織はようやく川島を病院に運びます。

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国税局の国際部から春馬らのところへ連絡が入ります。

ヴァージン諸島への税務への調査要請に対して、昨今の国際的な働きかけにより脱税の意図が明確であれば、ヴァージン諸島当局はサジタリウスへの調査を了承するというもの。代表取締役の事情聴取も。

春馬らは大喜びする。

「タックスヘヴンはもはや脱税者の天国ではない」

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が、数日後、春馬らは新谷統括官から事情聴取が中止になったことを告げられます。

ヴァージン諸島で事情聴取の予定だったが、代表の川島が死亡したという。

「20億は死んだ社長に墓場に持っていかれてしまった・・・」と。

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追い詰めてはすり抜け・・・追い詰めてはすり抜けてしまう財津の20億・・・。

春馬の査察魂が沸騰してしまいます。

そのせいで、春馬は妻と約束した海外旅行も直前になって行けないと言い出してしまいます。

鈴子は驚いて春馬を責めますが、雪恵は夫の気持ちを察して許します。

そして、自分ひとりで旅行に行くと旅立っていきます。

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川島の死後、彼との約束を果すために、村雲は歌織と会います。

ジョニーもそこにはおり、財津の隠し金は自分がこっそり香港へ持ち込み、財津の裏口座に入れると村雲に伝えます。

村雲に財津から支払われる報酬は2億。村雲は3千万をジョニーに渡し、残りの1億7千万を川島の口座へ入れるように指示します。

打ち合わせが終わった後、村雲は歌織にその口座のカードを渡します。

歌織はそれで初めて夫と村雲の約束を知り泣き出します。

「金さえあれば絶望はしない!」と村雲。

だが、意外な話をしはじめる歌織。

「また、私だけ置いていくの?8年前と同じね・・・」

「川島は俺と君とのことを知っていたのか?」

村雲の問いかけに無言で肯定する歌織・・・。

「彼はあなたのことを尊敬してたわ。10億100億のお金を負かされていたあなたに嫉妬していたのかも」

「あいつが嫉妬していたのは君だろ。

自分より才能のある女を主婦にした。だから少しでも君に資産を残そうとしてたんだ」

かつての川島の言葉を思い出した歌織はひどく嘆くきます。

「あの人はなんにもわかってない!!

私、幸せだったのに!! お金なんかよりずっと!

ある日、突然いなくなって突然あわられる男なんかよりずっと!!」

歌織は村雲に渡されたカードを投げ捨てます。

「こんなものより一緒に死んであげたのに。

ねえ・・・。

たったの1億7千万じゃ何も買えないわ。

修次、私もそっちへ連れて行ってよ」

そういって差し出された歌織の手を、村雲は思わず掴んで抱き締めます。

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そしてその夜、二人はホテルのベッドで激しく愛し合います。

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同じ頃、日本では。

雪恵がひとりで旅行に行ってしまってから、春馬と鈴子の関係はぎくしゃく・・・。

朝の支度のバタバタの中、テレビに東アジア航空の飛行機が墜落したというニュースが流れます。

その飛行機は雪恵の乗る予定だったもの。

テレビでは乗客名簿が読み上げられ、その中に雪恵の名前が・・・。

唖然とする春馬。

鈴子はそんな春馬に、「お母さんを殺したの・・・お父さんだね・・・」と行って家を飛び出して行ってしまいます。

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村雲もホテルで旅客機墜落のニュースを見ています。

その飛行機は檜山が購入し、東アジア航空にリースしているものだった。

驚いた檜山からの電話に村雲は嬉々として答える。

「この事故で違約金が払われます。最大の40億の違約金です。

おめでとうございます。我々は節税に成功したんです。合法的に」

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そばに寄ってきた歌織に、飛行機の炎上している映像を見ながら村雲は言う。

「この世界では誰かにとっての絶望の火が、誰かにとって希望の火であることもある。

これは俺にとって希望の火だ」

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最後の村雲は悪魔の微笑みでしたね。

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村雲も歌織も十分、魅力的なキャラです。

きっと浮世離れした展開になるんでしょう。

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それを追いかけるのが現実の世界にいる春馬。

国税局の査察官。

檜山や財津の脱税を阻止するために、彼がどこまで村雲たちを追い詰めるか、すごく楽しみです。

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雪恵はほんとに墜落死してしまったんでしょうか。

娘の鈴子も心配ですが・・・。

お母さんを殺したのはお父さんと責めてましたが、その気持ちもわかるけれど。

もし春馬が留まらなければ、一気に両親を失ってたことに・・・。

それを思うと、複雑な心境になりますね。

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「自分より才能のある女を主婦にした」なんてセリフ、ちょっと聞いたことがないので、歌織の今後には大注目です。

金融関係のプロってことでしょう?

本領発揮したらどんな女性なんでしょうね。

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また、主題歌もムードがあっていいです~。

次回が楽しみです。

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