FISHは、日本での警備参入を狙ったスペード社が送り込んだテロリストであるという線が濃厚となる。
住本(渡部篤郎)は愛子(石田ゆり子)とジュリオをテロリスト仲間から保護する。
そしてジュリオに新しいパスポートと1億円を渡すからテロリストの情報を教えるようにと取引を持ちかける。
迷うジュリオに愛子は「利用されるだけの人生から逃げられる。ほんとのあなたらしい人生が送れるじゃない・・・」と説得。
ジュリオは語り始める。
彼の本名はグラン。日本でテロの人員を集めること。そして起爆スイッチをつくり、クレメンテのもつ爆薬にセットすることが役割だった。スペード社については何も知らなかった。
住本は今後の指示を出す。
「明日、クレメンテの指示どおりに起爆スイッチを運べ」
.
住本は有賀(石橋凌)にスペード社が黒幕であることを知らせる。
スペード社が進出するとその国には暴動やテロが起きる。そしてわが国の官房長官に取り入ってると。
すでにスペード社は今回の件を持ち出し、村松に自分たちの会社をアピールしていた。
「たかが金儲けのためにテロまで起こすと思うか?」
有賀にたずねられた住本は言い切る。
「やりますよ。金儲けのためだからこそ」
有賀は即座に倉田(遠藤憲一)に「村松官房長官とスペード社との親密度を探れ」と命じる。
.
陽菜(尾野真千子)は倉田にもう1億円出してほしいと願い出る。
再び住本の部下として動いている陽菜を責める倉田。
それに負けず堂々と反論する陽菜。
「住本の動きを把握し監視してるのは私だけです。彼を陥れることもできます」
その言葉に心が動いたのか、倉田はあっさりと1億円を用立てる。
「クレメンテの居場所がわかり次第、連絡をよこせ」
.
陽菜が外事4課に戻ると、床のコンセントにさされた盗聴マイクを回収する。
陽菜は五十嵐(片岡礼子)に協力を求める。
.
ジュリオの携帯にメールが届く。
「女を人質にとり起爆スイッチを持ってこい」という内容。
住本はメールのとおりに行動するようにジュリオに言う。
ジュリオは愛子を人質にとり、テロリスト仲間と落ち合いアジトへと向かう。
慎重に後をつけてきた住本班も続いてアジトに潜入する。
.
住本の隠れ家にやってきた陽菜は誰もいないことに驚く。
そして、五十嵐にたずねる。
「愛子さんをどこへつれていったんですか?
あなたは知ってるはずです。
私はあなたを住本に突き出すためにここに連れてきたんです。
あなたが外事を去った後、盗聴器を一新しました。このタイプを使っているのは五十嵐さんだけです。
私たちを裏切って何をしてたんですか?」
.
村松官房長(余貴美子)の部屋に有賀と倉田が集まる。
有賀はスペード社の正体を村松に伝える。
倉田は村松がコスト削減のために警備部門の民営化を考えていることに言及する。
「国益の損失、国家機密の漏洩につながります」
だが、村松は動じない。
有賀がかわりに言う。
「くだらんゲームは早く終わらせたい。
クレメンテを逮捕してもスペード社には届くまい。ものは考えよう。彼らを利用してやればいい」
村松は官僚的で融通の利かない倉田をこの件からはずし、有賀と共にスペード社に会うことにしたのだ。
内々に手を組んでいたはずの村松の態度の変化に唖然とする倉田・・・。
.
五十嵐は陽菜をクレメンテのアジトへと連れて行く。
愛子救出に必死になる陽菜に五十嵐は手を引けと言う。
「私はそんなに価値がないんですか?
住本にどうあがいても叶わないんですか?」
「あなたは住本のようにはならなくていいのよ。もとの場所へ帰りなさい」
「もう手遅れです」
アジトに飛び込んでいこうとする陽菜を五十嵐は気絶させる。
.
アジトの奥から登場するクレメンテ。
彼がジュリオと愛子からはなれた隙に、取り囲む住本班。
「起爆装置は偽者だ。あきらめろ!」
クレメンテは懐から手榴弾を取り出し、「これを爆薬に投げ入れたら同じことだ」と言い放つ。
.
スペード社の代表と会う村松と有賀。
「我々のビジネスの後押しをしていだだけるのですね」
喜ぶ代表を有賀は一蹴する。
「下手な芝居はやめろ!代わりの案を提示しよう。
重要防護施設の設備はさせない。先端技術の提供。雇用の確保。
そして、テロリストは日本にいなかったことにしてほしい」
代表は苦し紛れに言う。
「クレメンテがFISHと決まったわけではない」
.
クレメンテと対峙している住本。
住本に有賀から電話が入る。
「今、どこだ?」
「クレメンテを追い詰めています。逮捕してスペード社の事を吐かせます」
「スペード社には触れない。クレメンテはCIAへ渡す。
お前たちはそこをひけ。
FISHはいなかったことにする。
クレメンテもジュリオと同じ偽造された経歴だ。FISHではない。
おそらくFISHはスペード社のでっちあげだ。
踊らされたんだよ」
有賀の説明をどうにも納得できない住本はクレメンテに銃を向け続ける。
「・・・お前はFISHだ」
「違う。FISHなんていない。すべてウソなんだ」
「ウソかホントかは問題じゃない。信じるか信じないかだ。
この世に真実なんてどこにもない。それでも人はなにかを信じる。
騙され層と裏切られようと、信じることでしか救われないからだ。
お前は何を信じる?利用されるだけの偽りの人生か・・・」
住本がクレメンテを問い詰めていると、突然、クレメンテが射殺される。
次に狙われた住本をかばったのは五十嵐だった。
かわりに撃たれてしまう五十嵐。
愛子とジュリオを逃がした後、五十嵐のもとに駆けつける住本。
「私、裏切ってた。
あなたたちの情報をCIAに売った。なぜかわからない。気がついたら私、取り込まれてた。
殉職させて住本班の一員として。外事として終わりたい・・・」
息を引き取る間際に五十嵐は住本にSDカードを渡す。
「・・・ずっと渡したかった。役に立つはずよ」
瀕死のクレメンテが手榴弾を手にする・・・。
そのあと大爆発が起こる。
.
事の顛末を幹部達に報告する住本。彼は辞職願を提出し受理される。
五十嵐は殉職扱いとなる。
有賀は幹部たちに宣言する。
「あれだけ派手に爆発が起きてはFISHの存在を隠すのは不可能。FISHという国際テロリストは警察が追い詰め、被害の出ない場所で自爆した。それを統一見解とする」と。
.
SDカードにはスペード社とFISHとされた男の写真があった。
有賀はスペード社の代表にそれを見せて交渉をやり直そうと提案する。
「文句があるのか?CIAにバラしてもいいんだぞ」
その一言でスペード社は引き下がる。
取引の内容を村松に報告する有賀。
彼も辞表を提出する。
「私なりに外から警察を変えてみようかなと思っています」と言い残して。
.
ジュリオは海外に旅立つ。
愛子は植物状態の夫の世話へと戻る。
「ねえ、あなた、(病院から)うちに帰ろうか・・・」
愛子がそういうと、夫が反応する。
愛子の信じていた奇跡が起こる・・・。
警察を辞めた住本のもとへは妻子がもどる。
.
倉田のもとをたずねる陽菜。
陽菜は五十嵐に気絶させられた後、意識を取り戻してアジト内に飛び込んでいったのだった。
そして、そこで爆発直前の様子を目撃していた。
「いい加減にしろよ。
またバカな妄想を言いに来たのか?」
「ですが、私は本当に見たんです!」
.
手榴弾を手にしたクレメンテがそのまま息絶える・・・。
「五十嵐、今言ったのはほんとに写ってるんだな?
だったらあいつを本物のFISHに仕立て上げる」
そう言った住本が手榴弾を手にとり大爆発をおこした・・・。
.
「私にマスコミからの取材が殺到しています。
現場をみたのは私だけですから仕方ないのですが。
どう対処したらいいでしょうか?
警察官がみずから爆破を起こしたなんてスキャンダルが出たら公安はふっとびますから。
おそらく頭を撃って記憶が混乱したんです。
バカな妄想は口が裂けても言いませんので。
私の処分を撤回し、今後も理事官のもとで働かせていただけるのならば」
「・・・似てきたな」と倉田。
「誰にですか!
本当によろしかったんでしょうか?あのようなものを街に放り出して。
生涯、公安で飼っておくべきだったのでは?」
「騙されるなよ。あの男に。
警察をやめたのはカモフラージュだ。
警察に籍を置いておいてはできない仕事もある。
送り込まれたんだよ。さらなる裏の裏に。
あらたな特命だ。」
倉田の話を聞き終えて、静かにニヤリと笑う陽菜だった。
(敬称略)
.
.
最後の倉田と陽菜のやりとりとそれにかぶさる住本の姿。
ここはもうゾクゾクするくらいすごいシーンでした。
名作ですね。外事警察。
.
ただ、最後の最後のシーンはいりませんね。
大感動していたのに、妙に冷静になって「刺されるのはいらんでしょ」って突っ込みをいれてしまいました。
あれはいらないです。
まあ、刺されてもたちあがる住本の姿がありましたから死にはしないんですが。
私としては忘れることにします。(笑)
続編、ずっと待ってます!!!
.
更なる裏の裏に送り込まれた住本。
どんな仕事をするのか、めちゃめちゃ興味をもたせる展開で終わりました。
.
外から警察を変えると言っていた有賀も同じような仕事をするのでしょうか。
.
残された住本班は寂しそうでしたね。
.
あと、陽菜の今回ゲットした1億円はニケの妻に渡したんだろうと勝手に推測しています。だから久保田の誘いにもまったく乗らなかったんでしょう。
.
はじめに手を組んでいた村松と倉田。
でもあっさり村松は有賀の方にのったのにはビックリ。
村松も一筋縄ではいかない政治家の顔をもっていました。
面子をつぶされた形の倉田でしたが、結局は目障りだった有賀と住本が警察を去り、思い通りになったということで満足気。
ここらへんの展開ももうたまらないくらいゾクゾクさせてくれました。
すごいです!
.
そして、倉田と陽菜。
「あの男に騙されるな」はここで登場する言葉だったんですね。
なるほど~と膝ポンしました。
陽菜が倉田のもとで働きたいために取引を持ちかけて、倉田に言われる「似てきたな」という言葉もカッコいい!
陽菜、ダーティーになりました。
叩き上げで成長しました。いいのかどうかはわかりませんが。(笑)
外事の仕事に魅せられて、もう戻れなくなってしまったんでしょうね。
もう戻れない、愛子と陽菜のこのセリフ、心に残ってます。
.
この陽菜と住本がまたいつか組んで仕事をするドラマが見たいです。
なんだか続編があっさりと始まる気がしてしまいますよね。
.
渡部さんは当然、こんな役をやらせたら天下一品。
それと意外にもはまり役だったのが尾野真千子さん。
知らなかった女優さんだから良かったのか、未熟でどう動くかわからない陽菜という新米刑事に惹き付けられました。睨みつける時、強い闘志が目に宿っていいんですよね。
五十嵐をはじめ外事4課のメンバーも個性的で良かったです。
.
石田ゆり子さんのこの愛子。
ドロっとした部分と一途な部分とを併せ持つ女性で、丁寧に心理描写されていたので気持ちを理解することができました。
でも、あっさりと住本と離れて夫の元へ戻ったのはちょっと意外だったかな。
まあ、それでキレイに終わったんですけど。
.
五十嵐の最期。
「気がついたら取り込まれてた」と詫びる彼女に、「わかるよ」と答えた住本の声音があまりにも優しくてホロっときちゃいました。
優しかったですよね。
五十嵐と住本ってきっと深い関係だったんでしょうね。それとも完全な同志だったか。
.
遠藤憲一さんも石橋凌さんも余貴美子さんも当然、良かったです。
.
いろいろいっぱい感想のある外事警察。
ほんとにおもしろかったです。
続編、つくってください。
待ってます。
.
.
★ランキングに参加しています。よろしくです。
.
最近のコメント