コールセンターの恋人・最終回
コールセンターからアオキョー(ミムラ)が姿を消して一週間。
相変わらず南極アイス(名取裕子)は商品を紹介していた。
今回の商品は「有名店の餃子」。
アイスは餃子を「猿でも焼ける」と言ったものの、自分は焦がしてしまい、こっそり餃子を差し替えて放送したりしている。
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アイスは自分が餃子を焦がしておきながら、鼻をつまんでコールセンターに電話。
都倉(小泉孝太郎)のクレーム対応に合格点を出す茶目っ気っぷりを発揮する。
そこでアイスはアオキョーがコールセンターを辞めたことを知り、ショックをうける。
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次にアイスが番組で売り出したのは、「『こげへんやん』というフライパン付き有名店の餃子」。
餃子を焦がすのは自分のせいではなくフライパンが悪かったせい。このフライパンなら焦げません、暗にそう示唆するためのセット企画だった。
だが、それでも餃子を焦がすアイス・・・。
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頭にきたアイスは有名店に乗り込んでいく。
「どうして焦げるのよ!焦げないやり方を教えてちょーだい!」と言うが、その店の厨房で先に焼き方を教わっていたのは、なんとアオキョーだった。
コールセンターを辞めたものの番組を見ていた彼女は、アイスが餃子を焦がしているのを見て、いてもたってもいられず店を訪れたのだった。
アイスははじめて対面する彼女を声だけでアオキョーだと気付く。
「もっと年をとった人かと思ってたわ」
そういうアイスを無視して、
「この店の餃子は他の店のより皮が薄いんです。だから、蒸らす時は水ではなく、熱湯を入れて時間を短縮するといいんです」
と、アオキョーは焼き方のコツを単刀直入に教えるのだった。
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そんな中、都倉はアオキョーのノートを手に入れる。入社から5年間のクレームの内容と対応が詳細に書かれていた。
都倉はそれを自身のブログでつづり始める。
それは瞬く間に評判となり、1年後、出版社から本を出版。本が話題となり都倉は「徹子の部屋」に出演することに。
都倉はその生放送でアオキョーに戻ってきて欲しいと懸命に訴える。
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同じ頃、アオキョーは昔、父親と一緒に入ったラーメン屋でなつかしのラーメンを食べていた。
店のテレビにはその「徹子の部屋」が映っていた。
ふと、店主が声をかけてくる。
彼は幼い頃、たった一度来ただけのアオキョーのことを憶えていた。
アオキョーがさらに聞くと、刑務所を出た彼女の父親が店で長い間働いていたというのだ。
そして、すでに5年前に他界していると。
アオキョーは愕然とする。
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都倉はアイスの働きかけもあり、本の出版で花形商事のイメージアップに貢献したとして本社に戻れることになる。
だが、彼はコールセンターで人と接することに生きがいを感じるといい、その話を断ってしまう。
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都倉はアオキョーがしていたようにコールセンターで寝起きし、電話がかかってくるのを待っていた。
午前3時。電話が鳴る。
鼻をつまんで声を変えたアオキョーだった。
都倉は彼女の話を聞きはじめる。
話は彼女がずっと手放さないでいる黄色い水筒のことだった。
幼い頃、父親と旅をしたどり着いたとある町の福引で当てたものだった。
それが唯一の父親との思い出の品だったのだと。
都倉はアオキョーに言う。
「・・・1年前、僕はボロボロで、夜中の3時15分にここに電話した時、電話に出た女の人がこう言いました。
人生はペットボトルの水とは違う、思い通りにならない人生を生き続けなさい、と。
彼女の電話の声で救われた人は、僕の電話のほかに大勢います。
でも彼女は今、ひとりぼっちじゃないかと思うんです。
ほんとは幸せになりたいのに。
どこかで一人で迷子になってるんじゃないかと。
ここに電話をしてくる人はみんなそうです。
お客様の苦情はよりよく生きたい、もっと幸せになりたい、そういう気持ちの裏返しです。
だから、僕はここでその人の帰りを待ってます。
生き続けてください。
あなたは、ひとりじゃない」
都倉との電話を切った後、彼女はようやく自分の孤独と向き合い号泣する。
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翌日、アオキョーがコールセンターに帰ってくる。
「おかえりなさい」
都倉が微笑んで彼女を迎える。
「昨夜、午前3時15分、鼻のつまった女から電話があったかもしれませんが、それは私ではありません」
アオキョーは照れくさそうにそういう。
「はい、昨夜午前3時15分、鼻のつまった女の子から電話がありました。
でもアオキョー、あなたとはしゃべってません」
都倉もこれ以上、その話をするつもりはなかった。
今までに見せたことのない笑顔で都倉を見るアオキョー。
「・・・都倉、ただいま」
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コールセンターはひさしぶりにメンバーが揃う。
そして、アイスの言いたい放題なMCで、再びコールセンターは喧騒に包まれる。
(敬称略)
(終)
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おもしろかったです。
後味のいい爽やかな最終回でした。
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今回の最終回はネタの宝庫でしたね!
みのさんでしょ、徹子の部屋でしょ、大和田獏さんでしょ、などなど。
いっぱいゲストが出たわりに、ガサガザせずにキレイにまとまったので良かったなあ~と。
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あと、「こげへんやん」の登場に笑ったり、アイスがどうして焦げるんだと有名店に乗り込むのもおもしろかったです。
アイスらしい・・・。(笑)
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都倉のテレビ出演につきあって、あこがれの東京へ行った宇野。
結局、ひとり東京に置き去りに。
ひとりでクタクタになりながら帰ってきたのもおかしかった。置き去りにされたのに文句も言わず、ひっそりと仮眠をとる宇野。
こちらも宇野らしくて、大笑いしました。
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都倉とアオキョーの絆は、ミネラルウォーターに続いてのもの。
あの回の深夜のふたりのやりとりは、とても心に残っていて、このブログでもセリフを書き出してありますが、最終回で同じことを今度はアオキョーに言ってあげるための伏線だったんですね。
感動しました。
こうきたか~~!って感じです。
アオキョーの号泣にしみじみ。
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そして最後、冒頭にあったクレーム、シュウマイの1個足りない謎が解かれて。
なるほどね~、フタにくっついてたのね~と思わずうなってドラマは終了となりました。
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ほんとに爽やかな最終回でした。
土曜ワイドなどの2時間でまたやってほしいです。
これなら、何度でもできますよね。
南極アイスのテレビショッピング、見られなくなるのはちと寂しいです。(笑)
あのキャラ、最高でしたもんね。
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