官僚たちの夏・最終回「天下りせず」
※官僚たちの夏はあらすじなしで感想のみ書いています。
それから9話の感想はパスしてしまいました。
(敬称略)
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今回は昭和40年からのお話。
アメリカに占領されている沖縄・小笠原諸島の返還がテーマでした。
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須藤首相(長塚京三)は小笠原の返還交渉でアメリカの言いなりになってしまうんですね。
その後、次官に牧(杉本哲太)を指名し、風越(佐藤浩市)は退官。
須藤の繊維業界を犠牲にして沖縄返還を実現する。
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難しい・・・。
歴史的背景をしっかり知らないために、頭はいっぱいいっぱい。
でも、領土返還を前にして、どっちが正しいのかなんてわからないです。
風越は守ることばかりで描かれていて、別の案が出てくるわけでもないので、どう判断していいのか・・・。須藤の迷いも理解できるし。
うまく交渉して譲歩してもらうことができなかったってことなんでしょうね。
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しかし、今回のタイトルが「天下りせず」
天下りの弊害をわかっているからしないと風越は退官していきました。
その後は雑誌の評論などを書いて食べていくとか。
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業界のために奮闘していた鮎川(高橋克実)は病で亡くなり、庭野(堺雅人)も過労で倒れて。
通産省次官は牧、片山(高橋克典)へと引き継がれることに。
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本来、あんなに親身になってくれる鮎川みたいな人はいるんでしょうか・・・。
庭野もそうですが、朝から晩まであんな働き方をしていたらそりゃ、体を壊しますよね。
風越も娘に結婚を考えている人がいる言われて、ポカン・・・でしたものね。
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ドラマの前半では玉木(船越英一郎)より冷徹な人物として描かれていた片山が、最後にはググッと自分の大きさを見せたました。
須藤の顔色を窺ってばかりの牧に、片山は自分は自分の理想とする日本を実現するためにがんばっていくと宣言してましたから。
1話では窓際だった片山が最終回は次期次官。
一番大きな花を咲かせたって感じでした。流れはどう変わるかわからないもんです。
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その片山を前回、励ました玉木のセリフ。
次官争いに負けそうになった片山は天下りした玉木を訪ねるんですね。
そこで、通産省をやめて企業で働こうかなと弱音をはくんですが、そんな彼に玉木が言うんです。
「片山、お前はなんのために入省したんだ?
僕はおまえにこの国を豊かにする自信があるからだと思っていたよ。
お前はもう日本の経済史に残る大仕事をしてきたんだ。
お前は一企業の仕事じゃ満足のできない男だ。
国のために働き続けるしかない人間だよ。
僕はそうあって欲しいと思っている」
国のために働く仕事と企業の仕事は違うんですね・・・。
国のためにと「大志」を抱いてみんな官僚になったということなんだなあ~と感じ取れました。
自分は適任ではないと次官を退き、さっさと一企業に天下った玉木が言ったんですから、ちょっとはっとさせられる印象的なセリフでした。
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ライバルであったり、対立していたりしても風越と玉木のようにつながりを絶やさないでいる人たちがいて、大人のドラマだなと思いました。
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ドラマの総括として、
何度書いてますが、勉強になったドラマでした。
「官僚」とか「霞ヶ関」とか、ニュースなどで聞くことはあっても、実際に働く人たちの姿を取材したドキュメンタリーなどを見たことがありませんでした。
ドラマは40年以上前の「通産省」を描いてましたが、それでも今の官僚の人たちの仕事ぶりの一端を見たようで、ニュースや討論会を見るにしても双方向から物事を見られるようになった気がします。
いいドラマでした。
内容が難しく、何度か感想をパスしたりして、私としては力不足を痛感することが多かった作品でしたが。
それだけ見応えがあったってことですね。
また、こういうあまり描かれていない視点からのドラマを見たいです。
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