ハゲタカ・第3話「終わりなき入札」第4話「激震株主総会」
(敬称略)
ハゲタカ・第3話「終わりなき入札」
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瑞恵(冨士眞奈美)は社長職を解任させられる。
新しく社長についた伸彰は、サンデーの民事再生の申し立てを行う。
今後は裁判所の監督のもと、あらたなスポンサーを得て再建を目指すことになる。
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スポンサーには、予定通り三葉銀行系のファンド、アイアンオックス社が名乗り出る。
芝野(柴田恭平)に出し抜かれた鷲津(大森南朋)も、負けじと再び瑞恵を担ぎ出しスポンサーとして手をあげる。
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やがて、両者の再建案が甲乙つけがたいなどの理由から、スポンサー選定は入札方式となる。お互いに入札を繰り返し、最終的に多い金額を提示した方がスポンサーとなれるのだ。
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瑞恵は、鷲津に「私は必ず社長に戻らなければいけないの。」とある書類を渡す。
その書類には伸彰社長が経理担当と組み、会社の金を横領していた証拠が記載されていた。
経理担当は三葉銀行からの天下りポジション。だから三葉銀行も知っていた可能性が高い。
鷲津は由香(栗山千明)にその書類を託す。
真相を確かめたい由香は芝野にその書類を見せるが・・・。
上司の飯島(中尾彬)から握りつぶせと命じられた芝野はそんな事実はないと由香を突き放す。
由香は横領の裏を取るため、必死に関係者まわりをはじめる。
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いよいよ、スポンサー選定の入札が始まる。
金額がどんどん競りあがっていく・・・。
そして、どちらも抜き差しならない状況に追い込まれた時・・・。
芝野は由香に電話をかける。
直後、伸彰の横領がテレビのニュースでスクープとして流される。
芝野はスポンサーから手を引き、鷲津がその権利を勝ち取るのだった。
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意気揚々と社長に戻った瑞恵に鷲津は再び解任を言い放つ。
「会社はあなたのおもちゃじゃない。サンデーは私達が立派に再生させます。」
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上司の命令に背いた芝野は責任をとって三葉銀行を辞める。
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すさまじい世界ですね~。見ていて圧倒されました。いやあ、おもしろかった!
銀行マンって、ものすごいストレスの中で仕事してるんですね、つくづく思いました。
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あと、冨士真奈美さんの毒々しい女社長が良かった。
やりたい放題やっている反面、息子に欠けているものは見えている。
ある意味、彼女もカリスマ社長だったんですね。
今回、印象に残ったシーンを特に書き出してみます。
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鷲津は社長室に飾ってある真ん中に穴のあいた木製玩具を手に取る。
「これはあなたが作ったものですよね?
サンデーの玩具はこの穴を通す部品を決して使わない。
子供がおもちゃを飲み込まないように作ったものだ。
この穴の大きさは子供の頃の伸彰さんの口と同じ大きさだ。
サンデーの原点である木工玩具。
その木工部門を伸彰さんは捨てようとした。
あなたが伸彰さんを切ろうとした理由だ。」
「なんにも見えてないんだわ。あの子・・・」
写真の中の幼い息子を撫でてむせび泣く瑞恵。
「伝わらない愛情もあります。たとえ親子でも・・・。」
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なぜ、突然息子を失脚させるようなリークを母がしたのか。不思議だったんですが、こういうことだったんですね~。
これ、入札の途中で芝野が伸彰に見切りをつけた理由も同じだったんでしょうね。
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息子にはわからないことが、鷲津にはわかっていた。
もうそれだけで、息子より鷲津に会社をゆだねた方がいいと瑞恵は判断できるはず。そんな風に上の会話で思わされました。
瑞恵の会社への思いと、単なる「ハゲタカ」ではない鷲津の内面の両方が垣間見えたシーンで、とても好きです。
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ハゲタカ・第4話「激震!株主総会」
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2004年。
鷲津が6年間で買った会社は13社。買収総額3000億円。
瀕死の日本経済を嘲笑うかのように買収を繰り返す彼を世間は冷酷な「ハゲタカ」と呼んだ。
だが、彼が買収した企業は結果的には救った形になり再生されている。
「ハゲタカ」は、単なる略奪者なのか、それとも救世主なのだろうか・・・。
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銀行を辞めた芝野(柴田恭平)は企業再生家となり成功を収めていた。
そして今回は塚本社長(大杉漣)の依頼で、執行役員となり大空電機の再生に関わろうとしていた。
「大空電機」はカメラの製造工場からはじめ、今や世界に通じる総合家電メーカーとして成長。
創業者である大木会長(菅原文太)は人員削減は一切せず、終身雇用、現場を大事にする家族主義を貫き、日本型経営の代表者と言われていた。
だが、昨年は800億円の赤字。その原因はカメラレンズ事業部にあり、デジカメにおされた上、特殊レンズの研究開発に金をつぎこんだのがその元凶だった。
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芝野は塚本とともに、末期がんで病床にいる大木会長に会いに出かける。
だが、芝野が提示した再建計画をつき返す大木。
「人を切るのは最後の最後の最後だと思っている」と頑なに信念を曲げない。
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一方、アメリカの親会社から大空電機ターゲットにするように命じられた鷲津(大森南朋)は一斉に株を買い占め、筆頭株主となって会社にやってくる。
親会社の目的はカメラレンズ事業部の米軍需企業への転売だった。
彼は迷うことなくカメラレンズ事業部の売却と1万人の人員削減を要求する。
芝野と同様、そんな鷲津のことも大木はまったく相手にしないのだった。
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鷲津は、取締役選任の株主議決権争いに持ち込むプロキシーファイトを行うことを決める。過半数の取締役を鷲津サイドから送り込んで経営権を取ろうと考えたのだ。
大空電機サイドと鷲津サイドで激しい議決権争奪戦が繰り広げられることになる。
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そんな中、開催される株主総会。
心配気な従業員や一般株主を前に読み上げられる大木会長の手紙。
カリスマの言葉を前にしては鷲津の言葉など吹き飛んでしまうのだった。
大木の手紙を受けて、芝野は「従業員全員で会長の再生計画を実行し、会社を再生させます。株主の皆様、3年の猶予をください。」と頭を下げる。
満場の拍手の中、鷲津の提案は否決される。
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ラストの大木会長の死には泣きそうになりました。
私も母も(笑)。
お茶の間に漂う沈黙・・・。二人でこんな感じ。
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株主総会でも、やはり情に訴えるものの方が、なじみやすいですよね。
思いっきり従業員も株主も情に流されたので、これで会社が立て直せるんならそれでいいんだろうなあ~と思いました。
人を動かせるのは、結局はそういう部分なんでしょうね・・・。
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今回新しく明かされたのは、三島製作所が大木の支援を受け、下請企業として存続していたこと。
どこまでも最初の経緯が絡んでくるようですね。
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