メイちゃんの執事・第9話
理人に覚悟ができたせいか、落ち着いていて素敵でした。
さすがSランク執事。メイを自発的に成長させていくなんて。
今回は特に雪山のシーンははじめから終わりまで、最高でした。
この先、長い間忘れることのない素敵なシーンでした。
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決闘の後、メイはオンブラ寮で理人の傷の手当てをしていた。
ベッドに並んで腰掛け、ふと無言でみつめあう二人・・・。
少し二人だけの時間を持てるかと思いきや、ドヤドヤと押しかけてくるクラスメート。
慌てる二人だったが、彼らはメイの学園復帰のお祝いにみんなで食事しようと誘いに来てくれたのだった。
リカは見習い執事の剣人の傷の手当てをしてくれているらしい。
メイは、剣人の傷も心配する。
理人は、そのメイの表情をどこか不安げにみつめていた・・・。
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冒頭のみつめあうシーン、理人、輝いてます(笑)、まぶしいっ!
メイが照れて目を逸らしたあと、無理矢理顔をあげて理人と視線をあわせるところ、何回見てもいいです!そりゃこの笑顔、キレイすぎて正視できませんよね。
今回、理人に熱烈にみつめられてメイの表情が硬直しそうになってるシーンが結構あったような・・・。ラブラブはうれしいですよね。
ずっとやきもきして見てきた、こちらとしては。
みんなオンブラにいるので、一緒にご飯を食べようなんて、うれしいですよね。
「甘いオーラ」とからかったばかりに、理人から香水をふきかけられるみんな。コンコン咳をしてたり、目を押さえてたり、、、見てると楽しい。空気があったかくていいんですよね~。ほんと大好きです。
あと、包帯ミイラが豆シバだとわかったとき、大門と根津が抱き合ってます~。
理人とメイもここでもちょっとラブラブです。お互い、腕をさわったり、肩に触れたり。
包帯をはずしてリカに怒られた豆シバ。「大げさなんだよ!バカ!呼吸ができません!」って最後だけ敬語!多分、手当てをしてくれているリカへの感謝の気持ちが反映されたんでしょうね。最後だけ。
それと、豆シバを心配するメイを見る理人の表情。
なんだか、メイ自身が気付いていない剣人への想いを見透かしているみたいにも見えてしまって・・・。
まあ、いつかひと波乱あったとしても、メイは理人を選ぶはずだけど。
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一方、理人が再びメイの執事にもどったことで、ルチアは荒れ狂う。
「ご安心ください。ルチア様のために必ず・・・・」
多美はルチアに駆け寄ってなだめようとするが、彼女に激しく突き飛ばされてしまう。
「私のため?あんただって今にいなくなるんでしょう!」
多美はガラスの破片に手をついて思わず顔を歪める。
ざっくりと開いた傷口からは血が流れ出している。
多美の傷を心配して屈み込んだ忍にルチアが言い放つ。
「忍!東雲メイを徹底的に苦しめなさい!手段を選ばなくていいから!
後悔させるの。私を怒らせたことを!」
「・・・はい。」
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忍、何かを企んでいるはずなのに、でもルチアの状態を見るのは悲しそう。
多美の後ろにいる忍、様になってますわあ~。
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メイは剣人にはっきりと返事をしようと庭園に呼び出す。
「なんだよ。」ふてくされた様子で剣人はメイを見る。
「まだ、ちゃんとお礼言ってなかったなと思って・・・」
遠慮がちに話すメイを見て、剣人は口を尖らせる。
「別に何もお礼を言われるようなことはしてねえよっ。」
「でも、また学園にもどってこれたのは、あんたのおかげだし、それに私・・・。」
「勘違いするなよ! 別に俺、お前のことをあきらめてないから。
ちゃんとアニキと勝負してからじゃないと意味ねえんだよ。
それでお前が俺のことを選んでくれないと。だからそんな辛気臭い顔をするなよ。
ブスがますますブスになるぞ!」
メイは弾けるように笑って言い返す。
「悪かったわねえ! ブスで!」
神妙な話は似合わない。
気心がしれているせいか、少し話すとすぐにいつもの調子に戻ってしまう二人だった。
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メイは何度も理人が好きって伝えようとしてるんですけど、豆シバにうやむやにされてますね。。。
たとえ、はっきり言ったとしても、剣人は「俺はあきらめねえ!」って言いそうですよね。(笑)
まあ、メイが言えないのはちょっと引っかかりますけど・・・。
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ただ、兄と勝負して勝ったとしても、メイが選ぶとは限らないと思うんですよね。
成長して理人よりいい男になってみせるってことなんでしょうか。きっと。
これが中盤の金太郎の留学話につながるんですね。
「ブス」のやりとり、幼なじみの気安さが伝わってきました~。
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メイが学園に戻った日から、クラスメートにはいろいろな災難がふりかかっていた。
メイと剣人は慌てた様子のクラスメートに教室に戻るように言われる。
「メイ! うちのクラスが大変なの!すぐ来て!」
二人が教室に戻ると、クラスメートは次々と起こっている災難を報告しあっていた。
学園内で襲われる者がいたり、実家にトラックが突っ込んできたという者がいたり、中には親の会社が買収されたという者まで出てきたり・・・。
そして、クラスメート全員の意見が一致する。
「こんな大規模な嫌がらせができるのは、、、ルチア様しか・・・」
教室が重苦しい空気に包まれる。
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オンブラ寮に戻ったメイは、自分のせいで周りに迷惑をかけていると落ち込む。
理人はそんなメイを励ます。
「メイ様のせいではありません。
今はただ金太郎お爺様に認められるレディーを目指すことです。」
「こんなにたってもまだステラ1個だけどね。」
ステラを手にとって苦笑いするメイ・・・。
「卒業まで、まだ3年もございますから。」
理人の言葉にかぶさるように、部屋をノックする音が聞こえてくる。
理人がドアを開けると、金太郎付きの執事たちが立っていた。
「お迎えにあがりました。
本郷金太郎お爺様がお呼びです。」
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メイはまだ卒業まで3年あるんですね。新事実ですわ!!
ということは、少なくとも3年は理人と一緒にいられるってことなんですね~。
まだまだみんなと学園生活が楽しめますね~。。。
続編も充分、作れそう~♪
と思ったんですが・・・。
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メイは理人と共に金太郎のもとへとやってきていた。
初めて会う祖父。メイはその威光を放つ風貌を見て、緊張で顔が強張る・・・。
「メイ、よく来たな。・・・周太郎に目元がそっくりだ。
緊張することはない。ワシが憎いか?」
「・・・そんなことはありません。」
メイは懸命に首を振る。
「そうか・・・。お前は優しいな。」
その金太郎との初対面の場にルチアと忍が加わる。
ルチアは、メイと理人の姿を見てとまどう。
金太郎は2組が揃ったのでさっそく本題に入る。
「今日、ここに呼んだのは本郷家の後継者を決めるためだ。
わしの腹はすでに決まっておる。それはお前だ。
詩織。
本郷グループの後継者は、詩織だ。」
メイと理人に衝撃が走る。
金太郎についている執事が、今後は世界中の関連企業にこの後継者決定の報告がなされ、詩織はアメリカで行われるセレモニーに参加することになると伝える。
金太郎が続ける。
「理人。お前も詩織とともにアメリカに行くように。3日後だ。
メイ、学園に残るも、本郷の名を捨てるも、自分で決めろ。」
「お待ちください!それでは、あんまり!」
金太郎の冷たい言いように理人は思わず口を挟もうとするが、金太郎は聞く耳をもたない。
ルチアは先ほどの不安な面持ちから一転、明るい笑顔でメイに話しかける。
「やっと決着がついたわね。メイさん。
安心して。あのときの約束はちゃんと守るから。」
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せっかくあと3年あると思っていたら、すぐに理人と離されそうな・・・。
お爺ちゃん、ほんとに酷なことをします・・・。メイの立場がまったくなくてかわいそうじゃない・・・。
でも、後継者候補でなくなっても、このまま学園に残ることはできるんですね。理人は奪われてしまうけれど・・・。
ちらっと思ったんですけど、ルチアの嫌がらせが度を過ぎていて、それをやめさせるために後継者決定をはやめたのかな・・・と。
金太郎は何か企んでますね。
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呆然としたまま、メイはオンブラ寮に戻ってくる。
「お気をしっかりお持ちください。」
「無理だよ。今まであったこととまったくレベルが違うじゃん。金太郎さんにはっきり言われちゃったんだから。どうしようもないよ。」
「そう、どうしようもないんだよ。」
いつの間に侵入したのか、部屋の中で多美の声がして、メイと理人は驚く。
「警戒するなよ。もう襲う必要もないんだから。
後継者争いで負けてへこんでいるところを笑いに来ただけだから。
私のことも憎いだろ。」
メイは多美の憎まれ口を相手にしない。
「豆シバから聞いたよ。ルチア様があんたの恩人だって。」
多美は自分の過去をメイ達が知っていたことに動揺する。
「だからなに?許してくれるっていうの?
だったら、ルチア様のことも恨むなよ。ルチア様はほんとは優しい方なのにあんたのせいで・・・。
残された時間、せいぜい別れを惜しみなよ。」
一方的にしゃべって出ていこうとする多美。その手の包帯に気付くメイ。
「ねえ、その手どうしたの?」
「あんたには関係ないだろ・・・。」
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多美がメイの部屋から出てくると、執事の神田が腕組みをして彼女を睨みつけていた。
「東雲メイがもっと嫌な人間だったら良かった、そう思ってますね?
その方が、罪悪感を持たずに済む・・・。」
言われたことが図星だったようで、多美の表情がゆがむ・・・。
「・・・ルチア様のためなら私は罪悪感なんて感じないよ。
あの人がいなかったら、私は今こうして生きてられないんだから・・・。」
「施設の園長先生の言葉をおぼえてるか?
人を傷つける者は、いずれ自分も傷つけられる。」
多美は神田の言葉に泣き出しそうになる。
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相当、揺れてるんですけどね・・・。多美。
神田にがんばってもらうしかないしなあ~・・・。
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本郷金太郎の決定を聞いたクラスメートは、メイに駆け落ちをすすめるが・・・。
メイ自身は「どうしたらいいのか、わからない」と首をふるばかり。
また、理人は執事達から、「本郷家の当主の命令に逆らうのは無理か・・・。世界中どこにいってもすぐにみつけられる。一体、どうするんだ?」と心配される。
「理人さんだって、東雲さんと離れたくないんでしょ?」と同情しきりの木場。
だが、理人は予想外に明るい表情で言う。
「メイ様次第だ。」
誰の目にもメイが気落ちして途方にくれていることは明らかだったが、理人は覚悟を決めているせいか動じない。
「俺はメイさまが立ち上がるのを待つ。」
理人の言葉をそばで聞いていた剣人がつい口をはさむ。
「あいつと離れたくなけりゃ、アニキがなんとかしてやればいいじゃないか!」
「これは、メイ様が乗り越えるべき試練だ。
メイ様が本郷家にふさわしいレディーになれるかどうかの。
俺の意志はメイ様に示した。
今度は、メイ様の番だ。」
理人の瞳に、試練に挑むような強い意志が宿る。
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理人、他の執事達との距離がグッと近づいてました。
今までとは違って、みんなを仲間として話してたし。
ちょっと思ったんですけど、もし剣人だったら、俺がなんとかしてやらないとって動きまわりそう~。でもそれではメイの成長は中途半端。
理人の対応は、やはりSランク執事だからなんでしょうね。
本人に乗り越えてもらうって、本人に乗り越えさせるってことでしょう。
なかなかですわ。惚れ惚れ~~。
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ルチアの心は喜びで包まれていた。
金太郎が後継者に選んでくれたこと、理人をそばにつけてくれたこと、思わぬ援軍に彼女の声が弾んでいく・・・。
「お爺様が私を選んでくれた。勝ったのね。私。
忍、本郷家後継者としてどんな望みでもかなえてあげるから。なんでも言って。」
「望みでございますか?ルチア様のそばで私は満たされておりましたから。」
「そう・・・、でも、もうお別れね。」
ルチアのその素っ気ない言葉を聞いて、忍は寂しげな表情を見せる。
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ほんとに辛そう表情の忍。
忍はルチアを心底想ってるんですね。
ならなぜルチアを癒そうとしないのかわからないですけど・・・。
ルチアは理人ばかりを追いかけて忍のこと、まったく眼中にないから仕方ないのかな・・・。
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メイは学園長の隠れ家をたずねる。
大抵、そこで漫画を読んでいるのに、その時ローズは不在だった。
隠れ家から出ると、ルチアがひとりメイを待ち構えていた。
メイはルチアの挑戦的な視線にたじろぐ。
メイを探しにきた理人は二人をみつけて、とっさに扉の後ろに身を隠す。
「憎みなさいよ。人から嫌われることも嫌うことも私は慣れてるの。
ずっとひとりでここまで来たから。」
「私はルチア様のことを嫌ったり、傷つけようなんて少しも思ってません。」
ルチアの迫力に気圧されて、そう答えるのが精一杯のメイ。
「あなたのご両親のお骨も一緒になんかしないわよ。
ご両親の骨は粉々に砕いてどこかに捨ててあげる。別々にね。
私。あなたのこと大ッキライですもの。」
ルチアのあまりの言い様にいたたまれなくなった理人が、二人の間に割り込んでメイを連れて行こうとする。
「メイ様、行きましょう!」
だが、ルチアは二人の背中に追い討ちをかけるように言う。
「もうひとつ、いいことを教えてあげる。
学園長はあなたの味方なんかじゃないのよ。むしろあなたを憎んでいるかも。
学園長は元々、メイさんのお父さんの婚約者だったのよ。
それをあなたのお母さんが学園長から奪ったの。ひどい人よね。
あなたの親って。」
「ルチア様、あなたは!」
理人は激しく抗議するが・・・。
「私もその犠牲になったのよ!!」
ルチアは嫉妬で燃え盛った瞳で理人をにらみつける。
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自分の両親とローズの関係を知ったメイは、心底ショックを受ける。
メイは自室に飾ってある両親の写真を悲しげに見る。
学園に来た時からずっと励ましてくれたローズ・・・その彼女を自分の両親が一時期苦しめていたなんて・・・。
友達に迷惑をかけ、後継者として用済みとなり理人とも離される・・・。その上、自分がローズを苦しめているかもしれないと言われ・・・。
メイはついに自棄になってしまう・・・。
「もういいよ。もどってきた意味なかったよ。
もうレディーなんて・・・。」
「おやめください!メイ様らしくありません!」
理人のその言葉に、メイは苛立ちはじめる。
「あんただって、もうすぐいなくなっちゃうんでしょ?
残った時間でステラを全部集めたら、金太郎さんの気が変わるの?
立派なレディーになったら、あんたと離れないで済むわけ?
違うでしょ!!」
もう自分が努力したらなんとかなるという話ではないのだ。
誰しもが金太郎に運命をゆだねないといけない立場にいるのだ。
ふつふつとこみ上げてくる苛立ちをどうすることもできず、メイは理人にぶつけてしまう。
「こんなの、もうどうでもいいよ!!!」
メイはステラを掴んで、床に放り投げる。
いつも大事に枕元に置いてあったステラが、床に鈍い音をたてて転がる・・・。
理人は、そんなメイを嘆くようにじっとみつめると彼女の頬を叩く。
突然、理人に叩かれたメイは目に涙をため、部屋を飛び出していく。
そして、そのまま学園から姿を消してしまう。
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理人はここにきて、メイの扱いに迷って揺れるってことが全くないですね。
はじめの頃は、メイが姿を消すとオロオロして走り回って探していたのに、今はまったく慌てない。
なんだかこの変化はすごいです。
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それと、メイの「立派なレディーになったら、あんたと離れないで済むわけ?」という言葉。
素直になったなあ~~、メイ。(笑)「あんたと離れたくない」と理人に言うなんて。
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メイが行方不明になって、クラスメートは一生懸命探してくれます。
美冬から迫られた木場、またまた「泉様~~」と助けを読んでました。引きずられるようにして泉に連れてかれましたね~。
あと、京子の「お腹すいたあ~」も、ガリガ~リ同様、大笑いしました。
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その夜、理人はルチア宮を訪れる。
「メイさんがいなくなって大変な時になんの御用かしら?」
ルチアは理人の突然の訪問を喜ぶ。
「ルチア様に私の意志を伝えておくべきかと。
・・・私の心は、今も、これからも、メイ様とともにあります。」
ルチアは嘲笑う。
「お爺様に逆らうことなんかできると思ってるの?」
「メイ様がその意志を示めされるのであれば。」
メイが望めば、金太郎にさえ歯向かうという理人の覚悟を聞いたルチアは激昂する。
「バカバカしい!あの女は逃げたのよ!」
「逃げているのはあなたです!ルチア様。
ご自分の苦しみから逃げるために、人を傷つけ、心を踏みにじろうとする。
メイ様は・・・、あなたとは違います。」
理人はきっぱりと言い切り、部屋を出ていく。
ルチアは理人に面と向かって拒絶され、悔しさのあまり唇を噛む。
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理人、言いましたね~。
今までどこか遠慮して決定的なことは言わないできた理人でしたが、ここではっきり、きっぱりさせました。
金太郎に逆らう覚悟も。こういわれるともうルチアにはどうすることもできないですね。
ルチアの傷ついた顔をみて、ちょっとかわいそうでもありましたが、でもはっきり言うことが結局はルチアのためになりそう。
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ルチア宮を後にした理人は学園長に会いにいき昼間の出来事を報告する。
「そう・・・知っちゃったの?あの子・・・。」
「はい、相当ショックを受けておられました。」
「婚約者をとられたからって、その娘を憎むほど暇じゃないわよ。」
しかし、いつも陽気なローズの表情がふと陰る。
「・・・まあ、でもユウちゃんのことは憎んだわよ・・・。
私の実家、四国の小さなうどん屋なの。」
そばにいた桜庭はローズの突然の告白に驚き、すかさず補足する。
「ローズ様は中学生の頃、本郷金太郎様に見初められたのです。
そして・・・周太郎様の婚約者候補として、この聖ルチアに。」
ローズは、過去の思い出が押し寄せてくるのか、声のトーンが沈んでいく。
「・・・それからユウちゃんと親友になって。
・・・周太郎さんとユウちゃんの仲を知ったときは、散々嫌がらせしたわ。
ちょうど・・・今の詩織みたいにね。」
その頃をローズと一緒に乗り越えてきた桜庭は辛そうに目を伏せる。
「でも、周太郎さんが本郷家を捨てるって決めて、悟ったの。
自分には二人の仲を引き裂くことはできないって。
むしろ、あの人を失ってふっきれたのかもね・・・。」
「・・・ローズ様はそのあと、見事ルチアの座につかれました。」
桜庭は気をとりなおして、自慢げにそう付け足すのだった。
ローズは理人をみつめて言う。
「メイは今・・・、試されているのよ。」
その言葉に同意するように理人は大きく頷く。
そんな理人に、ローズはあるものを託してくれる。
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ローズの過去が明らかに。なるほど~。
うどん屋の娘だったからなんですね。
メイの両親がローズのうどんの味を受け継いだってことなんですね~。
しかし、金太郎はルチアだけでなく、ローズの運命まで変えてしまっていたんですね。そして、周太郎の人生も・・・。罪深いな・・・。
後継者選びでは、金太郎は迷走状態ってところなんですね。
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短いシーンでしたが、ローズの苦しさがほんと伝わってきました。
ついでに、よく似た境遇のルチアの苦しさも理解できますね。。。
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翌日、剣人の前に金太郎付きの執事たちがあわられる。
彼らは金太郎の使いできたといい、パソコン画面を見せる。
画面の中の金太郎が剣人に話しかける。
「剣人、イギリスに留学しろ。
留学して、Sランクの執事を目指せ。
理人を目覚めさせたお前の力を買った。お前には執事としての才能がある。」
まったく眼中になかった執事修行を金太郎から一方的にすすめられて、剣人はムッとする。
「そんなもん、誉められてもうれしかねえよ!
大体!なんでメイじゃなくて、ルチアってヤツが後継者なんだよ!
目が節穴なんじゃねえのか!」
その言葉に金太郎は笑う。
「小僧、威勢がいいなあ~。
メイにもそれくらいの元気があればいいんだが。
たしかに詩織は病んでおる。
だがメイにはそれ以上に足らないものがある。」
「なんだよ?それ。」
「覚悟だ。
求めるものを戦ってでも勝ち取る覚悟だ。
おまえはどうだ?剣人。
メイの心を掴むために兄、理人を超える覚悟があるか?」
金太郎の言葉に剣人は黙り込んでしまう。
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剣人に留学をすすめる金太郎。
なんでまた?とビックリ。
でも、剣人は理人と勝負したいと思っているし、メイの心を掴むための覚悟があるか?なんて聞かれ方をされたら、勢い留学しそうな雲行きですよね。
ただ、剣人が留学するっていうことになったら、その流れで理人は剣人と勝負するまでメイと学園にいることになりそうですね。
Sランク執事になって理人と勝負するために留学するんですから。
その戦いは見せてもらわなくては!
ということは、続編とかSPはありそうな流れではありますよね~。
ちょっと予感を感じることができて、うれしかったりして・・・。
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雪が積もった山上からメイは眼下に広がる湖をみつめていた。
雪が音をさえぎっているのか、鳥の鳴き声以外まったく音がしない・・・。
静かで穏やかな時間が流れていく・・・。
ふと、背後から雪を踏みしめる足音がする。
少し警戒しながら振り向くと、そこには理人がいた。
自分のところに近づいてくる理人を、メイはうれしそうにニッコリ微笑んで迎えた。
「よくわかったね。ここにいるって。」
「メイ様の執事ですから。」
ちょっとイタズラっぽく上目遣いでそう言うと、理人もニッコリ笑う。
前日のわだかまりは一切なく、二人の間にはただただ優しい空気が流れている。
メイは理人がそばに来るのを待って、再び、湖に目を移す。
「ここね。去年の冬にお父さんとお母さんと一緒に来たんだ。
3人で遊びにきた最後の場所だった。」
「ええ、以前お聞きしました。」
理人はそれを覚えていてくれて、まっすぐにここへと迎えに来てくれたのだ、メイは静かに頷く・・・。
「なんか急に来たくなっちゃってさ・・・。」
彼女の隣に立ち、同じようにその景色を眺めながら理人は語りかける。
「・・・本郷家の血を受け継いでいることは、メイ様にはただ辛く、苦しいことでしょうか・・・。
私は、メイ様が本郷家の血を受け継ぐ方でよかったと思っています。」
理人はメイの横顔をそっとみつめる。
「・・・そのおかげで、メイ様と出会えました。
・・・執事として、お仕えすることも。」
理人の視線を感じ、その優しい声が胸に響いて、メイはふいに泣きそうになる。
だが、次に理人の発した言葉にハッとする。
「・・・私は、戻ります。」
思わず顔をあげ、理人を見るメイ。
「明日、旅立つための準備をしなければなりません。」
メイの瞳に小さな失望がよぎる。
何か言いたいけれど、どう伝えたらいいのかその言葉がみつからない。
理人はそこまで話すと、胸のポケットから一通の手紙を取り出し、メイに渡す。
「学園長がこれを。」
手紙を手にとり、差出人をみるとそこにはメイの両親の名前が・・・。
理人はメイをしばらくみつめた後、何も言わず頭を下げる。
そして、ひとり、来た道を帰っていく。。。
メイは、理人の後姿を名残り惜しそうにみつめている。
息が詰まりそうな学園から出て開放的な空間に身をおいても、自分を取り巻く現状は何も変わっていない・・・。
そして、どこかに逃げようとしても、理人は・・・ついてきてくれるわけじゃないのだ・・・。
メイは理人を見送った後、手紙に目を落とす。
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その内容を読み進むうち、メイの瞳からはポロポロと涙がこぼれ落ちていく。
その手紙は、両親が書きローズに預けたもの。ローズはそれを理人に託してくれた。
その事実が、過去のことは親の世代ですべて終わったことなのだと、教えてくれていた。
手紙を読み終えたメイは、理人のあとを追って走り出す。
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メイへ。
周太郎より
元気でやっているか?
お父さんとお母さんに万が一のことが起こり、メイが本郷家のことを知った時のために、この手紙を残します。
本郷家のことを知って、きっとメイには自分がどうすべきか決断をしなきゃいけない時がくる。
どのような選択をする場合も、そこにはきっと何かを得て、何かを失う覚悟が必要になるだろう。
お父さんは大切な人を守るために家を捨てる覚悟をしました。
自分にとって大切なものは何か。
それがわかれば、どのような覚悟を持つべきか。答えはきっとでるはずです。
その答えが出たときは、勇気を出して戦いなさい。
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ユウより
メイ、優しくて強いあなたなら、大丈夫。あなた自身のために。
そして、あなたのそばに大切な誰かが・・・、一緒に戦ってくれる誰かがいるなら、その人のためにも精一杯戦いなさい。
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理人はメイに手紙を渡したあと、あっさりとその場を後にした。
けれど、背中ではずっとメイの気配を探っている。
自分の想いが伝わって、いつ自分に向かって走ってきてくれるかと待っている。
だが、そのメイはなかなかやってこない。
ふいに足は止まり、山上の方を見上げてしまう。
メイなら立ち上がってくれる・・・信じるしかないのだと、理人は再び歩き出す・・・。
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「待って!!!」
理人を呼び止めるメイの声がする。
振り返ると、まっすぐに彼のもとへと走ってくるメイがいる。
理人はひととき愛しそうにメイをみつめるが、すぐにその想いを仕舞い込んでしまう。
メイは少し手前で立ち止まると、意を決したように叫ぶ。
「戦うよっ!私っ!
望みをかなえるために戦うっ!!」
理人はメイの決意を見定めるように彼女を見ている。
・・・やがて、
自分からメイに歩み寄ると誇らしげに微笑みかける。
「それでは、私は・・・」
理人は小雨に濡れたメイの手を取り、自分の大きな手で大事そうに包み込むと・・・。
「・・・メイ様が戦うための、剣に。」
さらに、一歩近づき、メイの手を自分の胸に押し当て上からそっと手を重ね、
「・・・メイ様を守るための、盾になりましょう。」と共に戦うことを誓う。
その仕草は執事としてのものだったが、理人の想いはメイに伝わり、彼女の胸は高鳴っていく・・・。
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この雪山のシーン。最初から最後まで、素晴らしすぎ!!
メイと理人が会った時の笑顔。すごい信頼関係ができているんだな~と感動。
理人の語りはものすごく優しくて、私まで泣きそうになるし・・・。
それだけ話して、ひとり帰っていく理人がこれまたいいんですよね。
メイに戦う気になってほしくて、あえて突き放すなんて。
道を下りながら、心配そうに山上を見上げてる理人の表情が切なくてよかった~。
メイに声をかけられて振り向くときも切ない表情をしていたし。
すぐに執事の顔になってしまってたけれど・・・。
あの手での誓いは、執事としての最大限の愛情表現ですよね。
素敵でした。手の動きだけであんなに色っぽく感じるなんて感動、感激しました。
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メイは理人と学園へ戻る。
二人が教室に入っていくと、そこにはメイのことを心配していたクラスメート全員と、ソーレ達に囲まれるルチアがいた。
メイは、堂々とした足取りで、ルチアの前に出る。
「ルチア様、いえ、本郷詩織さん!
あなたにデュエロを申し込みますっ!」
ルチアは突然の申し込みにも驚かない。
「なるほどね~。
聖ルチア伝統のデュエロの勝敗で決まったことは誰もくつがえすことはできない。
たとえお爺様でも。
それで後継者の座を奪おうというわけ?」
メイは即座に反論する。
「後継者の座はいりません。
執事、柴田理人をかけた勝負です!
私が負けたら、この学園を立ち去ります。」
「ふざけないで!私にはなんの得にもならない話よ。」
ルチアはあきれてその場を立ち去ろうとするが、メイの傍らにいる理人を見て思いとどまる。
「理人様。
私が勝ったらこの女のことは忘れて、生涯、私に仕え続けると約束できる?」
理人はルチアを見てきっぱりと言い切る。
「それがデュエロの条件ならば。」
ルチアはメイに向き直る。
「それならすべてをかけて勝負しましょう。
私が負けたら、理人様のことはあきらめる。後継者のことも辞退して、この学園から去ってあげる。
あなたが負けたら、このクラスのみんなにも学園から去ってもらうっていうのはどう?
優しいあなたはお友達が苦しむのはいやなんでしょう?
この条件が不服なら、デュエロは無理ね。」
メイが答えに窮していると、その隙間を埋めるように、すかさず泉が承知する。
「その条件で構いません。」
続くリカも、「スリルがあっておもしろそうじゃない?」と挑戦的に微笑む。
次々とそれに続くお嬢様たち、そして執事達。
「みんなあなたの仲間よ。メイ。」
「みんな・・・」
メイはみんなの応援に胸が一杯になる。
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メイが戦うと言ってはいるけど、どうやるのかと思ったら、なるほど~。ここでデュエロが出てくるんですね~。
デュエロの条件は絶対です!て以前も言ってましたし。。。
金太郎の決定を無効にしようとするんですね。
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ところで、メイ。はっきりと「柴田理人をかけた勝負です!」と言いましたね。
他のお嬢様と同じく、ちゃんと自分には理人が必要なのだと宣言しました。
正直、聞いた時は、ドキドキしましたよお。あまりにストレートで。
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「望み」が両親のお墓云々から、理人へと変わりました。
後継者決定後、ルチアにお墓の約束を反故にされていたので、当然、メイの「望み」の候補にはあったはず。
でも、理人を選んだんですね。
メイの成長が見られました。
ほんとに大切なもののために戦えと伝えたのは両親ですものね。
お墓にこだわられるより、絶対に喜んでいると思います。
両親は家を捨てて駆け落ちしてるくらいですもの。
あの両親の手紙にも泣きました。。。
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あとは、またクラスメートの友情に泣きそうに。泉たち、気持ちがいいったら!
お嬢様たち、みんな強いです。ああ、もっと見たいよお~。。。
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ルチアはメイを囲むクラスメートの輪を忌々しげに見た後、傍らにいる忍に命じる。
世界中のありとあらゆる武術をマスターしていると噂される忍が、前に出てメイと理人に伝える。
「では、ルチア様の代理として私がデュエロをお受けいたします。
デュエロは真剣での勝負だ。いいな。」
「いいだろう。」
理人が頷く。
ルチアと忍は教室を出ていく。
.
デュエロの申し込みが成立して、メイと理人は顔を見合わせ微笑む。
この勝負で自分達の運命を変えられるかもしれないのだ。
だが、その安堵感を引き裂いたのは一本の矢だった。
「では、メイ様・・・」
理人が何か言おうとした直後、突然窓ガラスを割って飛び込んできた矢が理人のわき腹に突き刺さる。
理人は自分の腹に刺さった矢を抜こうとするが抜けず、体のバランスを崩して倒れそうになる。
メイはとっさにそんな理人の体を抱え、衝撃を受けないように自分の体に乗せるようにして床に横たえる。
理人が手で押さえているわき腹から血が流れ出す。
メイはわけもわからず、理人にすがりつく・・・。
「いやあ~~~!」
メイの絶叫が教室に響き渡る。
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ああ、ビックリ・・・。矢が刺さってしまった・・・。
倒れ掛かる理人を自分の体で支えるメイ。優しい~~。
しかし、多美かあ~。やったのは。
まさかここまでやるとは・・・。
忍はロシア兵100人でも倒せないという強さを持ってるんでしょう?何もこんなことしなくても・・・。深く刺さってそうなので、こんな状態でデュエロができるとはとても思えず・・・。
ああ・・・瀕死の状態で戦うのか・・・。理人は・・・。
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さて、あとは最終回を残すのみ。
寂しい・・・。
寂しすぎるっっ!
大切な最終回、ドキドキしながら見たいと思います。
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