メイちゃんの執事・第8話
いやあ~~、すごかった~。
もうずっと入り込んで見てしまって、疲れた疲れた。
前半はメイの恋する苦しさにグッタリ。後半は戦う二人にグッタリ。
こんなに夢中になって見たのは数年来のことかも。
でも、ほんとに良かった~~。
これでもう理人は揺れることはないだろうし、メイとの絆はがっちりできましたね。
もう二人は別れることはないでしょう。
次回からはちょっと安心して見られます・・・。ふぅぅぅ~。。。
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(敬称略)
メイは聖ルチア学園を去り、仲本家に世話になる。
剣人もメイを追いかけ、執事見習いをやめ故郷にもどる。
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今回エンディングが先に流れたので、ちょっとオロオロ。
こんなやり方もあるんですね~。。。
メイ、うどん屋でバイトしてるとき、すごくかわいかったですね。
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メイは近所のうどん屋でバイトをはじめ、以前の高校への復学も考えるようになる。
でも、剣人とは浜辺での彼の告白にとまどい、以前のような二人には戻れないまま・・・。
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そんなメイを待ち伏せして、勇気を出して話しかける剣人。
「あのさ、この間のこと・・・」
メイはぼんやりとしたまま剣人の話を聞いている。
そんなメイの表情が一変する。
剣人の背後からやってくる理人の姿をみつけたからだった。
メイは自分に向かって歩みよってくる理人を、ただただじっとみつめている。
理人も一瞬たりともメイから視線をはずさない。
メイの前に立った理人を、剣人は不満そうに見る。
「失礼いたします。東雲メイ様。
本郷家よりメイ様にお伝えしないといけないことがありまいりました。
1週間以内に学園に戻らないと学費の支払いを停止し、今後復学は不可能となります。
また、本郷家との関わりを断ち、財産分与の権利もすべて放棄していただくことに。」
メイは話を途中まで聞いたところで目を伏せてしまう。
「用件はそれだけ?」
「はい。」
「・・・そう・・・、ご苦労さま。」
理人の答えに失望を隠せないメイはバイトがあるからと、さっさとその場から去っていく。
そんなメイの後ろ姿を、理人はそっと振り返ってみつめている。
メイと対峙していたときの冷静な仮面ははがれ、そこには今にも泣き出しそうな表情の理人がいた。
そのあふれる想いを湛えた視線は小さくなっていくメイをひたすら追いかける・・・。
それを見た剣人は理人への文句を言えなくなってしまう。
「アニキ・・・」
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遠くからメイの元に来るまで、ずっとメイをみつめ続けてる理人にドキドキ。
なのに事務的な用件だけなんて、心が折れそう・・・。
でも、メイを見送る理人の表情を見て、彼の本気度がうかがえてホッとしました。
メイがこの表情を見ていないってところが、なんとも・・・。
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理人は本郷金太郎のもとへと戻る。
金太郎はメイだけでなく理人にも、あっさりと冷酷な決定を言い渡す。
「お前は詩織のもとに戻れ。
柴田家の執事は本郷家の後継者に仕えるのが慣わしだ。
メイがいない今、お前のいる場所はそこにしかあるまい・・・」
理人は動揺しながらも、その命令に従う。
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金太郎は理人をいたぶってますね~。絶対に全部わかっているはず。
メイのところへの使いをわざわざ理人にさせているし。
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メイが仲本家にもどると、そこには学園のクラスメート達が大挙して押しかけていた。
学園からメイがいなくなって、どうも調子が出ない彼らはとうとう田舎までやってきたのだった。
12箇所の欠陥があり、2年もたないとみるくに診断された仲本家は、大勢のお客の到来にも案外問題なく耐えていた。
「あんた達、何をしに来たのよ?」目を丸くしてたずねるメイ。
「あんたを連れ戻しに来たのよ!」と泉。
「納得できないの。あんなやめ方されて!」とリカ。
「それは・・・」
メイは言いよどむが、そばにいた剣人がついに真相を暴露する。
「脅されてるんだよ!ルチアって女に。
メイはあの女にずっと嫌がらせを受けてた。
このまま学園に残っていたら、まわりのお前らのことも狙うって言われて。やめるしかなかったんだ。」
剣人の言葉をにわかに信じられないクラスメート達だったが、本郷家の後継者争いが背景にあるならそういうこともあるかもしれない・・・と思いはじめる。
さらに泉とみるくは自分たちの経験から剣人の言葉が間違っていないことを告げる。
「バカみたい。私達のことを気にしてやめるなんて!」
リカは文句を言うが、「それだけじゃない・・・」とメイは口ごもる。
そんなやりとりの中、不二子は理人がルチアの執事にもどったことを伝える。
メイはショックを受ける。
「このままでいいの?あなたが帰れば、理人様だって・・・」
「私には関係ないよ!私だってこっちでうまくやってるんだから!」
「まさか彼氏できたとか?」
「仲良くしてる男ぐらいいるから~!ほらっ!」
指差した場所には剣人がいた。
それでも、クラスメートにまったく相手にされず、メイは苦し紛れに剣人の腕をとり、「デートの約束もしてるしっ!」と口走ってしまう。
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ここのお嬢様&執事の一連のドタバタがおもしろい~!!もう大好き!!!
みるくがお世話になったので、春平にお礼をする大門。さっすがの気配り。
「片手で失礼」とことわりをいれて受け取る春平。(笑)
みんなの中に割って入ってイケメン執事に大興奮の美冬。
美冬に抱きつかれた六本木と木場はどちらも自分のお嬢様「京子さま~」「泉さま~」って助けを求めてるし。(笑)いざとなったらお嬢様を頼るのね。
美冬を引き離した母、秋子も木場に「かわいい~」と抱きついて一緒に倒れて、どこからともなく・・・「ああ、奥さま~」の声。(笑)
不二子にもたれかかられた春平は、デレ~として、「いいんですか~(ドキドキ)」。これがもう大笑い!
よろけた青山に突き飛ばされて、ふすまに頭から突っ込むリカ・・・。
リカは爆発頭が多いですね~。7話では青山が扉に首をはさんでいたので、今回はリカが災難に遭うと・・・。なんかこのペアはギャグが迫力を増してます~。(笑)
再び、美冬が乱入してきた時、大門がみるくを後ろからハグしてましたね~。小さなみるくになにかぶつかるといけないと盾になってあげてたみたい。大門~やさしい。
ああ、このドタバタを見るのもあと2回。寂しい・・・。
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メイの言うことが本当かどうか、クラスメート達はデート先まで確かめにくる。
遠巻きに監視し、背景に同化し、デートの様子を探ろうとする。
メイは思いつめた表情で剣人の待つ、そのデート場所にやってくる。
剣人を成り行きでデートに誘ったことを後悔していたのだ。
「あのね・・・豆シバ・・・」
メイの気持ちを察したかのように、剣人は言葉をさえぎり、
「よし!今日は俺様が最高におもしろいところに連れてってやるよ!」と元気に言い放つ。
メイは思いなおして、歩き出した剣人の後をついていく。
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ここでもお嬢様&執事達、大活躍。
もう京子お嬢さま・・・独壇場。
仲本家では間違ってストーブに腰掛け、やかんを持って飛び上がってましたが。遊園地では、次々と食べる食べる。最後はちくわを持ってましたね~。
時々、羊のアニメが入るのもかわいくて、みつけては楽しんでます。
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遊園地で遊ぶうち、メイは少しずつ明るい笑顔をみせはじめる。
剣人はそんなメイにホッとする。
前方に一面の菜の花畑をみつけたメイは、見にいこうと剣人を誘って先に歩き出す。
剣人はそんなメイに追いつき、そっとメイの手を握る。
メイは、突然、剣人に手をつながれ、ためらうが・・・。
その手をふりほどくこともできず、ひたすら前を見て歩き続ける・・・。
菜の花畑で隠れて見守っていたクラスメート達は、その様子を見てそっと立ち去る・・・。
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なんだか切ない展開です・・・。
メイはそんな心境じゃないのに、剣人だけ恋してる。。。
こういうときは見守ってあげるのが一番なのに・・・。
でも、メイも手をふりほどくことができないから、剣人の想いが強ければ今はなくても将来は引きずられそうな部分もあるのかも・・・。
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メイが家に戻ると、クラスメート達からの寄せ書きが置いてある。
そのどれもこれもが、メイのことを思っての温かいメッセージだった。
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ここでやってくるローズと桜庭。はあ~、もう大好き!
「やっぱりいいわね~、コタツは~」とスルリとこたつの中に入って横になるローズ。
どうしたのか・・・ものすごく庶民的。(笑)
「ローズさま、みかんなどいかがでしょう?」と人のうちのみかんをすすめる桜庭・・・。
「むいてちょ~~だい!」 ローズ、かわいすぎっ!
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ルチア宮にいる理人に多美が話しかける。
「東雲メイ、あなたといるよりずっと楽しそうよ。」
多美は遊園地でのメイと剣人の手つなぎ写真を理人に見せる。
「詩織様は彼女とは違う。あなたのかわりなんていないの。
はやく詩織様だけを見てさしあげて。」
理人は、うつろな視線を窓の外へと向けるだけ・・・。
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多美、恐るべし。
きっちり手つなぎ写真を隠し撮りして理人に見せてる・・・。
自分はルチアの執事になってしまっているし、それを知ったらメイが自棄になって剣人とデートしててもおかしくはない・・・と思ってるのかな・・・。理人。
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クラスメート達は、学園を抜け出しメイに会いに行ったことで処分を受け、全員オンブラランクに落とされる。
執事たちも規則どおり、ジャケットなしの姿になる。
そんな彼らをよそに、理人はルチアの世話をそつなくこなしている。
「理人さん、あとでちょっといいですか。」
木場は、いつになく真剣な面持ちで理人を別室に呼び出す。
そこでは執事全員が待っており、理人は口々に責められる。
「見損なったよ。」
「どうして、東雲さまを迎えに行かない?」
「どうしてそんな平然とルチア様の執事ができるんだよ!」
そんな言葉に理人は平然と言い返す。
「本郷家の執事としての仕事だ。」
「心を偽ってまで執事を続けることが本望か。」
「前に君は俺に走り出す勇気をくれたじゃないか?」
「執事として正しいかどうかはわからないけれど、あのときの姿が本当のおまえなんじゃないの?」
「僕は泉様のためならどんな苦しいことでも耐えられる。東雲様はその気持ちが一番大切だと言ってくれた。」
木場の言葉に続いて、青山が執事全員の総意として毅然と言う。
「俺たちは今のお前を認めない!」
その言葉を最後に、執事達は次々と部屋から出ていく。
ひとり残っていた神田は、去り際、理人の肩を叩いていく。
理人は誰もいなくなった部屋で、重く深い溜め息をつく・・・。
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執事達、すごい連帯感です。
理人にビシッと言うところはほんとカッコ良かったです。
2話で青山、3,4話で木場、5話で大門、6話で根津と、それぞれお嬢様への想いを試されているんですよね。
そしてみんな、堂々と自分の気持ちをさらけ出して、お嬢様との絆を深めてる。
今は理人が。みんなの言葉は執事達からの激励ですよね。
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あと、普段、ほのぼの系の木場がこういうことになると俄然しっかりするのはなんかいいです。泉はとてもしっかりしてるので、いつもは彼女の癒しに徹してるんでしょうね。
ところで、神田。
理人の肩を叩いてる場合じゃないですよ。理人もメイも剣人も、きっと神田が多美を立ち直らせるのを待ってるはず。がんばってもらわないと。
今後、神田も試されるんでしょうね。
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仲本家には、学園長のローズと執事の桜庭も訪れる。
ローズはしばらく居座って繰り返し学園に戻る気はないのかとメイにたずねるが、彼女は「ありません。」と答えるばかり・・・。
そんなメイにローズはうどんを作って食べさせる。
「うちの味に似てる。」と驚くメイ。
「まだ腕はなまってないわね。」その言葉になぜか満足気なローズ。
その後、彼女はメイの母親、ユウとの関係をはじめて話してきかせる。
ユウとローズは聖ルチアの同級生で大親友だったというのだ。
ユウは名門東雲家の令嬢だったが、事業に失敗して学園にいることができず、一緒に卒業することはできなかったという。
「でも、彼女は一番大切なものを手にいれたの。あなたのお父さんよ。」とローズは懐かしそうに続ける。
当時、周太郎には許婚がいた。それにもかかわらずユウは絶対にあきらめずアタックし続け、結局、周太郎はすべてを捨てて結婚したのだという。
ローズは、幼いメイと若い父母が写った写真をメイの前に置く。
メイにも母のようにあきらめるなと言いたいのだ。
「あらためて言っておくわ。戦う意志のない者に幸せはめぐってこないのよ。」
ローズはそういい終えると、桜庭を従えて聖ルチアへ帰っていく。
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周太郎の許婚が実はローズだったってこと、メイが知ったらどうなるんでしょう。
きっと、仲本家に居座って説得しようとしてくれたことを感謝するでしょうね。。。
しかし、メイの家のうどんの味はローズの味?
これってどういうことなんでしょう。気になるぅ~。
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聖ルチア学園の教室では、理人がルチアの本を探していた。
背後にやってきた忍は、ルチアが好きそうな本を理人に手渡す。
本を受け取り、教室を出ていこうとする理人に忍は声をかける。
「君がそばにいて、ルチア様は本当に幸せそうだ。
この数年の中で最も穏やかな日々を過ごされている。」
「だからなんだ?」
忍の言葉に理人は苛立つ。
「君はどうなのかと思ってね。明日が過ぎればメイ様はもうここには戻れない。」
「メイ様が選ばれたことだ。」
理人は苦しげに答えるが、忍は一段と、理人の心に立ち入ってくる。
「そういうのを言い訳という。
逃げたのは君だろ? 理人君。
自分の苦しみから。」
「やめろっ!」
理人は図星をつかれたのか声を荒げる。
忍は知らぬ顔で続ける。
「そして、空っぽの自分を求めてくれる詩織様を選んだ。」
「だまれっ!」
「メイ様のそばにいると、彼女を想う自分がつらいから。」
「だまれと言ってるだろっ!!」
忍は冷たい笑みを浮かべ止めを刺す。
「腰抜けめ!」
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忍、もっと言ってやって~~!
他の執事よりSランクだけに自分に課しているハードルが高いというのもあるでしょう。自分がいてもメイを守れなかったという自責の念もあるでしょう。学園にいては危険だということもあるでしょう。
でも、そんな思いをひとつひとつ取り除いて、その本質をのぞいてみたら、忍の言うとおりなんでしょうね。
ただ、今は自分のメイへの想いを自覚してるけど、理人って、3,4話あたりからメイに避けられたり拒否されたりすると、途端に動揺して、溜め息をついたり、金太郎やローズのところに筋違いの話をしに行ったりしてましたから。
メイが自分の意志で理人の前から去ったという事も、理人を腑抜け状態にさせてる一因ではあるんでしょうけれど・・・。
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メイはバイトを終えて、剣人と共に家に帰ろうとしていた。
いつもの海岸どおりを歩きながら、剣人は共通の友人の話をしはじめる。
けれど、メイは上の空。
適当な返事が、いつも遅れぎみに返ってくる。
そんな状況に剣人はついに耐えられなくなってしまう。
「・・・お前、今どこにいるんだよ。」
「・・・えっ?」
メイは驚いて立ち止まる。
「どこにいて、誰としゃべってるんだよ。
今、お前が見てるの、俺じゃねえだろ。」
メイは心を見透かされて、泣き出しそうな表情になる。
「豆シバ・・・」
「今のお前、俺が知ってるメイじゃねえよ。俺の好きなメイは・・・。」
剣人は、そんなメイを残して帰ってしまう・・・。
日常の生活を送るだけで精一杯・・・、泣かないでいるだけでいっぱいいっぱい・・・。
ふいにどこかで理人の名前が出ると、切なさがこみあげてきて途方にくれてしまう。
剣人のまっすぐな想いを感じることさえ、今のメイには困難なことだった・・・。
メイは自分の態度に剣人がずっと傷ついていたことを知り、うなだれたまま動けなくなってしまう。
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その夜、メイはこたつでひとりローズや剣人の言葉を思い返していた。
もう終わったこと・・・考えれば考えるほど、メイは答えを見出すことができなくなっていく・・・。
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この切なさ。。。つい自分が恋してた時の苦しさを思い出して、たまらない気持ちになりました。
ほんと、しんどかった~・・・。
メイからすれば、理人はすでにルチアの執事になっているし、やってきた時も冷たい態度に見えたでしょうし・・・。ローズから戦えといわれても動けないのは当然です・・・。
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同じ頃、執事達や忍から責められた理人は、メイと暮らした部屋で、思い出の中にひとり身を置いていた。
押し寄せる葛藤に揺さぶられ、その苦しさに涙が溢れてゆく・・・。
夜の帳はそんな理人を包み・・・飲み込んでしまう・・・。
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仲本家で悩んでいるメイの顔に、オンブラ寮にいる理人の苦悩の顔が重なるシーンが、ロマンティック~。お互いに相手を求めて苦しんでいるんですよね。
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そして、剣人は夜の砂浜にやってきていた。
闇に染まった視界からは途切れることなく波音だけが届けられる。
そこは数日前、剣人がメイに思いのたけをぶつけた場所だった。
けれど、メイはまるで学園に魂を置いてきたようで・・・。
剣人は、田舎でのメイの寂しげな姿を次々と思い出す。
「どうすりゃいいんだよっ!」
砂浜に勢いよく体を投げ出して寝転がる剣人。
目を閉じると、金太郎の伝言を伝えに来た兄の表情が浮かび上がる。
いつも先を歩いていた優秀で完璧な兄。その兄が誰の目もはばかることなく、愛しそうに去ってくメイの後ろ姿を追いかけていた。
それは、紛れもなく恋に焦がれる男のものだった。
剣人は・・・漆黒に染まる海原を力強くみつめる。
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その日は、メイが聖ルチア学園に復学できる期限の最終日だった。
剣人はひとり学園の門をくぐる。
そして迷うことなくルチア宮に辿りつくと、理人を連れ出し教室にむかう。
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教室で、剣人は理人と対峙していた。
不穏な空気を察し、クラスメート達は続々と駆けつけてくる。
「ちゃんとケリをつけないと消えねんだよ!
メイの中にいるお前も、お前の中にいるメイも。
はっきりしろよっっ!」
「・・・剣人・・・」
理人はどこか遠くで起こっていることのように、剣人の言葉にも反応できずにいる。
「いつまでもすました顔してるんじゃええよっ!」
剣人はそう叫ぶと、理人を殴りとばす。理人の体が床を滑ってゆく。
「何をしてるのよ!」
殴りあいを止めようとしたリカや泉を制止したのは執事達だった。
「男には戦わないといけないときがあるんです。」
「彼は今試されているんです。自分の心を・・・」
剣人はたて続けに理人を殴る。
けれど、理人は殴られるがまま、まったく反撃しようとはしない。
「ふざけるなよっ!
もうメイのことなんてどうでもいいっていうのかよっ!
俺は、ずっとメイのことを見てきた。
メイのそばにいれるなら、なんだって耐えられるんだよっ!
渡さねえっ! お前なんかにメイを渡してたまるかよっ!」
剣人の必死の叫びが、ようやく理人の心に火をつける。
理人はゆっくりと立ち上がると、剣人に向き直る。
そして、殴りかかってくる剣人の動きをすばやくかわすと殴り返す。
理人の反撃に剣人の体は吹き飛ばされる。
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みるくに導かれて学園にやってきたメイは、二人の殴りあいの場に飛び込んでくる。
「メイは渡さねえ!」
聞こえてきた剣人の言葉が心に突き刺さる。
メイは二人を止めようとするが、その前を執事達が壁のように立ちはだかる。
木場が断固とした調子でメイに言う。
「東雲様のためです。」
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理人はジャケットを脱ぎ捨て、二人は本格的な殴りあいをはじめる。
激しいぶつかり合いの中で、理人の膠着していた心身が一気に解き放たれていく。
メイは真剣な殴りあいについ逃げ腰になる。
だが、そばにやってきたローズは「しっかりと見ておきなさい」とメイに目を逸らすことを許さない。
メイは泣きながら二人をみつめる・・・。
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長い殴り合いの末、力尽きる剣人。
理人は、顔面から崩れ落ちる剣人をとっさに両手で抱きかかえる。
剣人は兄の腕の中で、涙ながらに叫ぶ。
「負けられねえんだよっ、俺はっ・・・!」
理人はそんな剣人の背中を、ポンポンと優しくさすりながら言う。
「俺もだ!」
理人のその言葉を聞いた剣人は、全身の力を抜き、床に転がる。
ケンカを仕掛けたのに、負けてしまった自分を不甲斐なく思う反面、兄から狙いどおりの答えを引き出したことはどこか満足気でもあり・・・。
・・・再び二人を結びつけようとしている自分はとんだバカだと思ったり・・・。
「ああ、何やってんだあ~俺は・・・」
剣人の周りには、彼の健闘を讃えるかのように執事達が駆けつける。
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剣人、いいヤツだ~。
恋のライバルとしての決闘だと思いつつ、結局は兄の目を覚ますためにしたんだろうなあ~と思いました。
メイが何より苦しんでいるから・・・。
剣人が崩れてきたとき、理人ががっちり抱きかかえたのも良かった。背中ポンポンも。兄弟愛が見られました。
そんな剣人の思いを執事達が理解してくれていたのもうれしかったです。
倒れたときに剣人に駆け寄ってくれましたもんね。男ばかりじゃ、寂しいかもしれないけど・・・。
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理人は剣人の様子を伺った後、その場にメイがいることに初めて気付く。
「・・・メイ様・・・。」
理人はまっすぐにメイをみつめたまま動かない。
二人の壮絶な戦いを目の当たりにして放心状態のままでいるメイにローズがたずねる。
「もう一回だけ聞くけど、戻るの?やめるの?」
メイは目を伏せたまま、その問いかけにすぐには答えらない。
その様子を見た理人は、足を引きずりながらメイの前にやってくる。
メイは、そばに来た理人を見る。
メイにだけ発せられるいつもの優しい声がその場に響く。
「・・・このような姿で、申し訳ありません・・・。
お迎えに、あがらなかったことも・・・。」
理人の言葉にメイは懸命に首を振る。
一切の迷いが消えた理人の涼しげな目元には強い意志が宿っている。
「・・・ですが・・・、やっと目が覚めました。
もう二度と、メイ様のそばを離れませんっ!」
理人はメイの眼前で片膝をつき、
「私は、メイ様の執事ですからっ!」
そう宣言すると、ありったけの笑顔と共に彼女に向かって手を差し出す。
理人の眼差しは柔らかな光をたたえ、メイだけをみつめている。
二人以外、他には誰もいないかのように・・・。
メイは、理人の手に自分の手を重ねる。
理人はそのメイの手をしっかりと握り返す。
「おかえりなさいませ。」
メイは心から安堵し、涙が頬を静かにこぼれ落ちていく・・・。
その涙を拭い、彼女はもう一方の手も理人の手に添え、両手でそっと握り締めた。
他の誰より、あなたにそばにいてほしい・・・。
その手こそが、メイがずっと待っていたものだった。
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このラスト、めちゃめちゃ良かったです。
目が覚めた後の理人の目がとっても素敵です。
生き生きしてます。今までどんだけ抑圧されていたのかがよくわかりました。
これからはメイのそばを離れないって、宣言したし、ホッとしましたよお。
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あと、メイが照れながら、理人の手を両手で握るところも好きなシーンです。
剣人の時のと対比してしまって、その違いがよく出てます。
ほんとに、理人だけを求めていたってことがあらわれてました。
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それとこれ、リンクになってるんですね。
後ろハグはまず、理人がして、それを多美の写真で見た剣人が続いて後ろハグ。
今回、手つなぎデートを剣人がして、それを多美の写真で見た理人がラストの手つなぎ。
今回は大きな決闘もしましたが、兄弟の静かな戦いも行っていたのかなと。
こういう作りこんだところがこのドラマのすごいところのひとつだと思います。
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それと、手つなぎは、3人の関係が如実にあらわれてました。
剣人は突然、手をつないでメイを戸惑わせるのに対して、理人は、手を差し出してじっと待つ。メイが手を出したら握ってあげる。
メイはというと、理人の手がうれしくて、両手で握り締めてしまう。
こんな細かい描写がうれしくて、ほんとに何度見ても飽きることがないドラマになってます。
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それと、この結末に忍がニンマリしてましたが、どうも何か企んでいるというより、いい人に見えてしまいました。どうなんだろ・・・。
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さて、今回は剣人のまっすぐで誠実な気持ちが、考えすぎてがんじがらめになっていた理人とメイを救ってくれました。
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次回はどうなるんでしょう。
とりあえずは、聖ルチアでの制服姿のメイと彼女のそばにいる理人が見られそうですね。
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ものすごく、楽しみです。。。
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