メイちゃんの執事・第10話最終回
遅くなりましたが、最終回のあらすじ&感想です。
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「メイちゃんの執事」は最高でした。
こんな素敵なドラマに出会えるから、私はテレビが大好きでいるんだと再認識しました。
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メイは、理人の部屋の前で、彼が支度を終えて出てくるのを待っていた。
剣人たちがデュエロを必死でとめても、深手を負った理人は聞こうとはせず、戦うと言い張ったのだ。
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支度を終えた理人が部屋から出てくる。
心配そうに自分を見るメイに、理人は矢傷のあたりをポンポンと叩いてみせる。
「お待たせいたしました。
では、参りましょう。」
けれど、その顔色はすぐれず、声のハリもない。
メイはそんな理人に思い余って抱きつく。
「・・・ひとつだけ・・・、約束して・・・。」
理人の表情が不安にゆらぐ・・・。
「・・・私のそばにいて・・・。これからもずっと・・・。」
理人は、メイの体をしっかりと抱き寄せ、いつもの優しい声でささやく。
「メイ様、私を信じてください。
信じてくだされば、私は必ずその信頼にこたえます。」
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この冒頭からデュエロ終了までがかなり好き。何度見返したか・・・。
すごいシーンの連続ですよね。深いなあ~と感動します。
最終回にきて、ロマンティックなシーンも満載です。
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デュエロがはじまる。
だが、初めから理人の剣は、忍に容赦なく弾かれる。
すばやく剣を拾い、体勢を立て直す理人だったが、忍の剣の受け・・・。
肩を切られ、血がにじむ・・・。
「勝負になりそうにないな。」
忍は、余裕の表情で嘲笑う。
さらに、理人のわき腹の傷を狙い、何度も攻め立てる。
理人は激痛に顔を歪め、苦しげにあえぐ・・・。
「がんばって・・・」
応援するメイの声も、か細くて・・・。
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そんなメイのそばにいつの間にかルチアが立っていた。
「メイさん、負けを認めなさい。このままじゃ、理人様が死ぬわよ。
あなたやクラスメートの退学は条件からはずしてあげるわ。
あなたが理人様をあきらめさえすれば。」
ルチアの提案をメイはきっぱりはねつける。
「あきらめません!あいつは負けません!約束しましたから。」
ルチアはメイの予想外の強気に驚く。
「バカなこと!・・・この状態でどうやって勝つというの?」
「リカとデュエロをした時に、あなたの執事が教えてくれました。
”執事は信じられなければ、力を発揮できません。”と。
あなたは自分の執事を信じていないんでしょう?
だから、多美にあいつを襲わせた。
そうでもしないと勝てるかどうか不安だったから。
ルチア様!
あなたは一番大切な人を傷つけたの。自分が手にいれるためだけに。
あなたには負けない!
絶対に!柴田理人を渡さない!
あいつは、私の執事だから!」
メイに激しく責められたルチアは逆上する。
「彼は、私のものよ!
忍!理人さまを始末しなさい!どうなってもかまわないわ!
はやく私のものにしてっっ!!!」
メイはルチアの言葉に目を見張る。
だが、ルチアは忍に命じるだけでなく、そばにいたメイを力一杯、突き飛ばす。
そして、隠し持っていたナイフを頭上に掲げる。
「あなたもよっ!
私に逆らった報いを受けるのよっ!!」
ナイフに気付いた剣人は咄嗟にメイに駆け寄ろうとするが・・・。
その直後、目を見開いたまま動けなくなってしまう。
ルチアのナイフがメイに向かって振り下ろされる瞬間。
その喉元に突きつけられる理人の剣を見たからだった。。。
柵の中で戦っていた理人が、振り下ろされる忍の剣から身をかわすこともせず、ただメイを守るためだけに自分の剣を差し出したのだ。
忍の剣を受けた理人の背中は、ざっくりと裂かれ、血がしたたり落ちている。
それでも、理人の剣の切っ先は、ルチアの喉元を狙い続けている。
理人はルチアに向かって叫ぶ。
「メイ様を、傷つけないでください!!
私のお仕えする・・・、私の、大切なお嬢様です!!」
理人が剣に身をさらしてまでメイを守ろうとした姿を目の当たりにしたルチアは脱力し、その場に崩れ落ちてしまう。
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目に涙をあふれさせながら、そんな理人をみつめているメイ・・・。
メイは体を起こすと、柵の中にいる理人に必死で顔を近づける。
吐息がかかるくらいの距離で、メイと理人の視線が重なる。
「・・・勝って、・・・理人・・・」
意地っ張りのメイが初めて理人の名前を呼ぶ・・・。
それを聞いて心からうれしそうに微笑む理人。
「・・・かしこまりました。メイ様!」
激痛の中、気力を奮い立たせると、理人は再び忍に立ち向かっていく。
今までとは違い、別人のような体のキレを見せる理人。
数度の攻撃の後、あっという間に忍の剣をはじいてしまう。
理人に止めの剣をつきつけられ、忍はうずくまってしまう。
「やれっ!遠慮はいらない。」
「負けを認めろ!」
理人はそれ以上攻撃しようとはしない。
「すべてはルチア様のため。」
「・・・もういいわ。私の負けよ。」
メイの隣で放心状態だったルチアがつぶやくように言う・・・。
それを合図に、ローズの声が響く。
「そこまでっ! 勝者、柴田!」
デュエロが終了する。
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メイは、ポロポロ涙を流しながら、ホッと深い息を吐く。
理人はすぐにメイのもとに駆けつけてくる。
「メイ様との約束、果たしました!」
メイは満身創痍の理人を見て、感極まってその胸に飛び込む。
細く長い腕が理人の体を大事そうに包み込む。
「・・・ありがとう。」
クラスメートの目をまったく気にしないメイの行動に、理人は少し戸惑いを見せた後、目を細めて彼女を抱き寄せる。
執事達が二人に駆け寄り、理人を称える。
「理人さん!その傷でよくやったよ!!」
それでも、メイは理人の体に腕をまわしたまま離れない。
理人はメイを抱いたまま、木場や大門と握手するのだった。
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デュエロの最中、固唾を呑んで兄の戦いを見守っていた剣人もようやく安堵した表情を見せる。
そして、すぐにルチアと忍の姿が消えていることに気付く。
それは理人とメイも同じだった。
「まさか・・・」
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今まではメイが危険な目に遭う時っていつも理人はいなかったんですよね。けれど、もしいたらこうやって身を挺して守ってたという姿が見られましたね。
剣人か、多美がメイを守るのかと思ったら、なんと理人!
こんな展開になるなんて思いもしなくて、ただただひたすらに感動してしまいました。
そして、いつも「あいつ」だったのが、やっと「理人」と名前呼び。
たった一回ですが・・・。効果絶大でしたね~(笑)。呼ばれた時の理人の表情がとても素敵です。
理人がクルクルとターンして忍を剣の柄で打つところ、体の動きがキレイ。見惚れます。
それから、デュエロに勝った後のメイの抱きつきがかわいい。好きって気持ちが素直に出ていてうれしくなっちゃいました。
もちろん前半のハグも、熱さを感じさせてくれますよね~。
どちらもメイの長い腕が理人の体に巻きついているのがなんとも色っぽくてキレイなんですよね。
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あと、要所要所に映る剣人の表情が、理人を心配したり、目の前の光景に圧倒されたりしてるのがこちらにも伝わってきました。いい表情。
剣人は理人のすさまじい闘志を見て男として何かを感じてそう・・・。
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デュエロの会場を後にしたルチアと忍はルチア宮へ戻っていた。
多美は、忍にルチアのいる寝室に入れて欲しいと懇願するが聞き入れられない。
理人を傷つけられてもメイは、「こんなことをしても自分が傷つくだけなのに・・・」と多美を責めなかった。そのことで多美は余計に自分の行動を恥じて、身の置き所がなかったのだ。
「あの方がそれを選ぶなら、私も・・・」
いっそ、死んだ方が・・・。
忍は、思いつめている多美を気絶させる。
「君ががいなくなると神田が悲しむ・・・。
それに詩織様のお供は私ひとりで・・・」
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そこへ、メイと理人、剣人が飛び込んでくる。
メイは、多美に駆け寄り、無事を確認する。
「忍・・・お前っ!」
その様子を見ていた忍は、理人に向かって静かに話しはじめる。
「・・・もう詩織様を休ませてあげてくれ。やっと解放されたんだ。
周太郎様のかわりに本郷家の後継者として生きる責任からも。
君への想いからも・・・。
本郷家で血縁でないという理由から冷遇され、支えてくれる者もおらず・・・。
孤独に苦しみ続けた詩織様は、執事である君への恋に救いをもとめた。
ただ自分だけを見て欲しいと。
結局、その思いは詩織様自身を壊してしまったがな。
だから、私は詩織様を取り巻くすべてを取り除いた。」
「じゃあ、今までのって・・・?」メイは忍にたずねる。
「すべては・・・詩織様への私の想いからです。
どうしても知っていただきたかった。
私が詩織様だけを見ているということを・・・。
理人君、君にとってメイ様がそうであったように。
私にとってはあの方こそが使えるべきお嬢様だったんだ。
詩織様のためだったら、どんな罪だって背負うことができた。」
忍はそこまで話すと、ゆらりと体を翻し、ルチアのいる寝室に入っていこうとする。
「・・・それも今日で終わりだ。」
それを見ていたメイが、大声で叫ぶ。
「ふざけないでっ!! どいてっ!!」
メイは忍を突き飛ばし、寝室へ入っていく。
理人と剣人は後を追う忍を取り押さえる。
「行くな!はなせよお!!」
忍の絶叫が響く・・・。
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メイが寝室の扉を開けると、ルチアはベッドの上で、今まさにハサミで喉を突こうとしていた。
「ダメーーー!!」
メイはルチアからハサミを奪おうとするが、なかなか奪えない。
「はなして!!
お願いだから死なせて!
もう何もないの!もう、空っぽなの!
私なんてもう誰も・・・。」
ルチアの絶望の言葉を聞いたメイは、彼女を力いっぱい抱き締める。
「そんなことないっ!
そんなことないよっっ!!
あなたがいてくれたから・・・、私は、ずっと幸せに暮らしてた。
あなたが、今まで本郷家を背負ってくれたから・・・ずっとがんばってくれたから。
今の私がいるのは、あなたのおかげなの。
1人じゃないよ・・・。私がそばにいるから。
だから・・・だから、生きて!
生きて幸せになって!お願い!」
ルチアはメイの言葉にハラハラと涙をこぼす。
ハサミを握り締めていた手から力が抜けていく・・・。
それは本郷家で孤独だったルチアの心を融かす感謝の言葉。
同じ立場のメイだからこそ言える言葉だった。
そして、彼女が一番欲しかった言葉・・・。
1人じゃないよ。仲間だよ・・・。
メイとルチアは抱き合って泣く・・・。
「メイ様・・・」
自分や忍ではどうすることもできなかったルチアの心を癒したのはメイだった・・・理人はメイを誇らしげにみつめていた。
神田や多美、学園長から詩織の境遇を聞かされたクラスメートもルチア宮に駆けつけ、そんな二人を見守っていた。
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メイはメイの立場でちゃんと詩織の立場を理解していたんですね。あれほど憎しみをぶつけられて、それでも相手の根本的な寂しさを理解できて抱き締めてあげられるなんて。
きっと、詩織が今まで一番言われたかった言葉をメイが言ってあげたんだなと、言ってあげられたんだなと思いました。
だから、詩織は救われた。泣いて気持ちがまた潤いはじめた。言葉をかけることって大切なことですね。
メイの優しさやあったかさが宝物みたいに感じます。
詩織と和解できてよかった。詩織にも本郷家の中で仲間ができました。本来の優しい彼女に戻っていけそう。忍もいるしね。
こんなメイを見て、理人、ますますメイに惚れちゃいますね~。
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~~数日後~~
金太郎のもとに挨拶にきたメイと理人。
金太郎付きの執事がメイに伝える。
「延期していた後継者披露セレモニーを聖ルチア学園特設会場で行います。」
詩織は後継者の座を下り、メイが正式な後継者に決定したのだった。
「メイ、大変なのは これからだぞ!」
金太郎はニコリともせずに言う。
「わかってるよ。お祖父ちゃん!」
メイはキリッと表情を引き締めた後、ニッコリと微笑む。
メイと理人が立ち去った後、執事たちが金太郎に言う。
「メイ様は強くなられました。詩織様も順調に回復されています。」
「あの子も、これからはメイの力になってくれるはずだ。」
金太郎はメイの覚悟を試し、彼女はきちんとそれを乗り越えてくれた。
「お祖父ちゃん」と呼ばれた金太郎は、一息つくように満足気な表情を見せるのだった。
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ずっと「金太郎さん」呼びが「お祖父ちゃん」に。そう変化する二人のやりとりをちょっと聞きてみたかったような・・・。
金太郎は詩織のことも大事に思っていたんでしょうね。詩織では後継者の重責を果たせないだろうってこともわかっていて、メイに託していたのかもしれないですね。
次世代の二人の間で解決してくれたらと。
そのために二人が想いを寄せてる理人をコマのように動かしていたような・・・(笑)。
理人は9話ではもうそのことに気付いていたような。
メイが自分の力で詩織と仲良くなってくれて、本郷家を支えていってくれることになったんだから、お祖父ちゃんとしては万々歳ですよね。
メイとしては、逃げないで詩織の重責を背負う覚悟をしたって感じかな。
しかし、お祖父ちゃんの策士っぷりはまだまだ他にも・・・。
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金太郎のもとを辞したメイと理人は、仲本家への後継者になったことを報告にいく。
そこで剣人の留学を知る二人。
「剣人君、Sランク執事の資格を取るために明日からイギリスに行くんだよ~。」
寂しそうにいう夏美。
唖然とするメイと理人・・・。
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早速、メイと理人が教室の剣人のもとへ駆けつけると、そこではすでにクラスメートが送別会の準備の真っ最中・・・。
派手な飾り付けに驚く二人・・・。
メイは教室の真ん中にいた剣人に歩み寄ると、いきなり食ってかかる。
「あんたどういうつもり? 留学なんて私、聞いてないから!」
「・・・お前、理人につきっきりで、病院にいたじゃないかよ!」
「連絡くらいすればいいでしょ?」
「こっちだっていろいろ忙しかったんだよ!」
ケンカ越しの言い合いは互角で止まらない。
「そんなの理由にならないから!
大体あんたがSランク執事なんてお笑いだから!豆シバのくせに!」
「うるせえなっ!向こうでがんばるって言ってるだろっ!!」
「だったら、なんで黙ってたのよ!!」
「なんでお前にいわなきゃいけないんだよ!!!」
剣人に面と向かってそういわれて初めて絶句するメイ。
内心では自分がこんなにムキになっていることにも驚いていた。
「・・・そう、だったらフランスでもイギリスでも行けばいいじゃん!」
メイは、自分の中の複雑な感情もその場に置いていくように、ぷいっと教室から出ていってしまう。
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メイは結局、オンブラ寮の自室でふて寝し、剣人の送別会には参加しないまま・・・。
「送別会くらい行けばいいのに・・・何やってるんだろう・・・私。
・・・今の独り言だから気にしないでよ、多美。」
多美は、メイの部屋で反省の日々・・・。
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ほら、お祖父ちゃんの次の企みが・・・。剣人、留学決意。
これは続編でその後を見せてもらえるんですよね。行ったきりじゃ、剣人が気の毒な・・・(笑)。
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それと、聞き捨てならないことが!!
理人が入院中、メイがつきっきりで看病?そんなあ~、セリフだけで終わらせないで映像として見せてほしい~~。
しかし、理人、わき腹に矢が刺さったのに数日で快復って・・・超人的。
看病、見たかったなあ・・・。
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ところで、メイ。絶句してましたね。その前のケンカ越しのやりとりがまた息がピッタリ。
そばにいるのが当たり前だった剣人が遠くに行ってしまう・・・あの拗ね方、ちょっと心配ですわ~。ハッと剣人への想いに気付く時がきそうな気がして。恋かどうかはわからないけど。
剣人が留学から帰ってきたら、三角関係でひと波乱ありそう・・・。
その度、理人ががんばってメイを惹きつけておいてくれればそれでOKなんですけど。
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理人は教室にいる剣人に声をかけ、庭園へと連れ出す。
「まさか、お前が留学するとはなあ~。」
理人はリラックスした様子で剣人に話しかける。
「自分でも信じらんねえよ。」
剣人もあっさりと認める。
「執事なんか絶対にならないって言ってたのに。」
「ああ・・・けどよお、あんたら見てたら、執事も悪くないなと思っちまったんだよ。
だから、やるなら本気でやらないと。」
決意させたのは忍とのデュエロだったのだろう。
理人は剣人の決意を後押しするように言う。
「お前の方が才能がある。
メイ様も、俺のことも、お前が救ってくれたんだ。」
剣人は率直に話してくれる兄に打ち解けたように言う。
「・・・アニキってさ、不器用だよな。」
理人は気さくに笑ってみせる。
「ああ、自分でもそう思う。」
「そのくせ、おいしいところはもっていくしよ。」
理人も本音を語り出す・・・。
「俺は・・・、おまえがうらやましいよ。
メイ様は、おまえにしか見せない顔をもってる。
遠慮なく自分をさらけ出せる・・・お前は特別な存在なんだろうな。」
剣人は照れをごまかすように口を尖らせる。
「そんなもん!幼なじみだからだろ!
そんなところまでアニキに負けてたまるかよ~!」
そして、あらためて理人に向き直って宣言する。
「俺、あきらめてねえから!
今は負けてるかもしれねえけど。
男としても、執事としても、アニキのことを越えて、あいつのことを絶対にふりむかせる気でいるから!
だから、それまであいつを泣かせたら承知しないからなっ!」
理人もそれに受けて立つように言い切る。
「お前に言われなくてもそのつもりだ。
それに、お前に負ける気もない。」
理人の泰然と構えた余裕の返事を聞いて、剣人はおもしろくなさそうにつぶやく・・・。
「あ~あ、目を醒まさせるんじゃなかった・・・。」
理人はクスリと笑ったあと、男から兄の顔に戻って剣人を見守っている。
二人はしばらく並んで同じ景色をみつめていた。
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この兄弟のやりとり、すごく好きです。
理人も兄の顔を見せたりするし。兄弟で張り合ったりもしてるし。
理人の「お前に負ける気もない」っていうセリフ、グッときますね。
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翌日、聖ルチアで後継者セレモニーが開催される。
本郷家の正式な後継者となったメイのお披露目の会だった。
来賓が見守る中、メイは壇上に立ちスピーチをはじめる。
だが、本郷家の使いから手渡された台本は、でたらめの経歴が書き綴られ、メイの生い立ちや両親のことについては伏せられた内容で・・・。
メイは、偽りを話すことに耐えられず、次第に声が小さくなっていく・・・。
途方にくれたメイの視線は、そばで控える理人のもとへ。
理人はメイの気持ちを察しているかのように、微笑んでくれる。
それに勇気づけられ、メイは台本と閉じ、深呼吸をひとつして話し始める。
「・・・私は、ついこの間まで田舎の小さなうどん屋で暮らしていました。
お金もなくて、生活は苦しかったけど、両親と一緒に幸せな生活を送っていました。
でも、両親が死んで、その時にはじめて自分が本郷家の人間だと知って、それからここに、お金持ちの世界にやってきたんです。
最初はこんなところ、最悪だって思ってました。
お嬢様ひとりに執事がつくなんて有り得ないって思ったし。意地悪されたり、いきなりデュエロって言う決闘を申し込まれたりして。
こんなところ、来なけりゃよかったって・・・。
でも、こんな私を支えてくれる人がいて、クラスメートのみんなとも少しずつ仲良くなれて。
執事との絆とか、お嬢様の悩みとか、たくさん教わって、考えたり、悩んだりして・・・。
この場所にいることがどんどん楽しくなって、みんなのおかげで乗り越えることができたんです。
昔、お父さんが普通が一番だと言ってました。
私も今、心からそう思います。
大事な人を思ったり、感謝したり、信じあったり、支えあったり、そのためにがんばったりすることが、普通の一番大切なことなんだって。
そういう普通の当たり前のことを、ちゃんとしなきゃいけないんだって。
だから・・・だから・・・私・・・。
ごめんなさい!!」
メイは来賓に向かって深く頭をさげる。
メイの行動にどよめく会場・・・。
理人はすばやくメイをドレスから制服へと着替えさせると、手を差し出す。
メイはその手を握り、二人してセレモニーから抜け出していく。
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本郷家の使者が大勢、二人を連れ戻そうと追いかけてくる。
メイと理人の行く手を阻もうとする使者を、クラスメートが助けに入って逃がしてくれる。
まず、リカと青山が使者の前に立ちはだかる。
青山はフェンシングの剣を手にしている。
青山「リカ様、手加減は?」
リカ「必要ないわよ。青山。」
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続いて、凛と四谷。手には水晶のブレスレットが。
四谷「これ以上一歩でも進むと呪いますよ。」
凛「四谷の呪いはすごいわよ~。」
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メイと理人が廊下を走っていると、偶然ソーレ4人衆と出くわして・・・。
すかさず、根津が4人を誘惑。
根津「あっちでおれと楽しいことしない~?たまには乱れてもいいじゃな~い。」
4人を連れて行った先には不二子が待っている。
不二子「た~っぷり、乱れさせてあ・げ・る」
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会場出口には泉、木場が待機。
メイたちを外に出したあと、襲い掛かってきた使者を見事に投げ飛ばす泉。
泉「私は竜音寺家当主、護身術は心得てるわ。」
木場「泉様!」
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庭園に出た二人は、いつの間にか本郷家の使者に囲まれてしまう。
「これ以上、わがままは許されません。会場にお戻りください!」
メイは自分から理人を引き離そうとする使者を後ろからペシペシ叩く。
その大勢の中に割り込んでくる多美と神田。
二人はあっという間に、使者を倒してしまう。
多美「さっさと行き!
さあ、下手に動くと怪我すんでえ!」
多美と神田はすっかりいつもの調子に戻り、メイと理人が逃げるのを笑顔で手助けしてくれる。
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さらに、追ってくる使者を、バズーカ砲でドッカ~~ン。
使者をやりこめる大門。
みるくはエンジンを改造したヘリで、メイと理人を空港まで送りとどけてくれる。
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普通が一番。お父さんは言ってた。
これ、理人も同じことを言ってましたね。告白の時。
メイがそういう子だから仕えたいと思ったと。
お父さんから理人へとバトンを渡された、つながってる気がしますね。
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ずっと、ずっと楽しませてもらったお嬢様&執事のコメディシーン。
もう最後なんだなと思うとウルウル胸がいっぱいに。というか泣きました!
こんなにどのコンビも好きになるなんて。みんないい味だしてます。
リカの「青山」という言い方とか、泉の横で頼りなげな木場とか、根津&不二子のいちゃいちゃとか、定番になりましたね。
多美と神田も元気が復活したし、言うことないです~。
あと、大門の登場には思わず拍手!みるくのヘリ操縦もお馴染みになりました。
このほかにも京子様が送別会でわんこそばを次々と飲んでいたこととか(笑)、忘れられません。
お嬢様&執事のシーンでは一番、印象に残ってるのが、学園を去るメイを思いとどまらせようとして、プレゼント攻撃、かくし芸攻撃、そしてうどん作りに・・・という流れ。
このうどんオチで泣かされました。1話のは伏線だったんですね。大泣きしました。
ダンスの練習シーン、仲本家のシーンでのみんなの大騒ぎも最高に楽しかったです。
また、いつか絶対に見せてほしいな。
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メイ達が抜けた会場では、ローズと桜庭がマジックを披露し、来賓をもてなしていた。
その様子をカメラで見ている金太郎。
それまでのメイのスピーチも理人との逃走も、金太郎はすべて見ていたのだった。
その金太郎のもとに執事たちが駆け込んでくる。
「金太郎様、関連企業から立て続けに苦情に連絡が!」
「本当に後継者はメイ様でいいのかと・・・」
慌てた様子の執事たちをよそに、金太郎は心から愉快そうに笑っている。
「それでこそ、わしの孫だっっ!!」
豪快な笑い声が部屋に響きわたる・・・。
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ローズと桜庭も、送別会では誰も見ていなかったマジックがここでは大好評(笑)。
大好きなコンビでした。
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何があっても、もうメイが可愛くて仕方ないような金太郎。
メイは卒業まで3年。聖ルチアで過ごせそうですね。
いろんな行事があるんでしょうね。楽しそう。
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みんなの助けを借りて、メイと理人は無事、剣人が旅立つ前に空港に駆けつける。
「豆シバ!」
「お前、なにしてんだよ?」
少し照れたようにいう剣人。
セレモニーを抜け出してきてくれたことは口に出して言うまでもない。
「見送りにきたんだよ。文句ある?
散々、助けられっぱなしでそのまんま行かせるわけないでしょ?」
「よく言うよな。送別会、来なかったくせに!」
「だって!!」
いつもの調子で言い返したくなるところをメイはグッと堪える。
「・・・ごめんね。昨日。
ありがとう。
・・・つらいときずっとそばにいてくれて。
それとさ、あんたが私に言ってくれたこと。ちゃんと返事してなかったけど。
私・・・、私さ・・・」
「もどってきてからでいい・・・。
そん時にも一回、俺の気持ち伝えるから。
俺の気持ちは変わらねえけど、お前の気持ちは変わるかもしれねえだろ。」
「豆シバ・・・」
「じゃあ、またな。めがねうどん。」
剣人は珍しく穏やかな声でメイに別れを告げる。
メイもそれを受け、笑みを浮かべ頷く・・・。
「剣人!」
それまで黙って二人のやりとりを見ていた理人が剣人に声をかける。
「がんばれよ!」
兄のエールに思わず目を潤ませる剣人。
「首洗ってまっとけよ!」
懸命に笑顔を作ると、理人には相変わらずの憎まれ口を叩いてみせる。
「ありがとうな!」
剣人は最後に、二人に見送りのお礼を言って旅立っていく。
剣人の姿が消える間際、その後ろ姿を見送っていた理人が言う。
「あいつはきっと優秀な執事になります。」
その表情には弟への愛情があふれていた。
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ここはもう、剣人の表情がかわいくて・・・。
大きな目をシバシバさせて、泣かないように堪えてる様子がいいんですよね。
剣人はほんとに一途で気持ちが強くて優しい青年。
留学してどんな風になって帰ってくるのか、見てみたいです。
見習い執事をしていたリカ&青山がどんな反応をみせるのかも見てみたいな(笑)。
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ところで、ここで返事をしようとしたメイ。
いや、門出の時だから、ここでは返事はやめてあげて・・・って思ってしまった私。
結局は剣人が帰国してから聞くとして言わせなかったですけど。
今、聞かされたら行く意味がなくなっちゃいますよね(笑)。
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「豆シバへ。
元気でやってますか?
学園があがっても、こっちは相変わらず賑やかだよ。
みるくちゃんがソーレランクに昇格したよ。
リカはうどんに凝っちゃって、今度コンテストに参加するってはりきってる。
不二子は根津さんが浮気したと大騒ぎ、凛と四谷さんがそんな二人をけしかけてる。
それから、泉が新しいルチア様に選ばれたよ。
学園を変えていくと、ビシビシやってる。
学園長は相変わらずさぼってばかり。
仲本家はみんな元気してる。
夏美はイギリスに留学したいって言ってたからそっちで会えるかもね。
それと、詩織さんは忍さんと一緒に少しずつ元気になってきてる。
今度、遊びにいくから写真を送るね。
お祖父ちゃんの許可をもらってお父さんとお母さんの骨もお墓にいれた。
私は相変わらずオンボロランクだけれど、本郷家にふさわしいレディーを目指してがんばってます。
あんたもたまには手紙をよこしなさいよ。
メイより」
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みるくがソーレ、泉がルチアに昇格は、想像できてましたよお。
理人、夏美に英語を教えてましたね。夏美は剣人を追っかけるのね。それも素敵。
詩織が笑顔満開で登場。忍と手をつないでいてラブラブ。
メイとの交流もしっかり続いていて、なんだか一緒に紅茶でも飲んでる姿が想像できました。
それから、両親のお墓が登場。でも「東雲家之墓」なんですね。。。
金太郎は周太郎の骨は本郷家の墓にいれるって言ってたのに、やはりユウの骨をいれるのは反対したのかな。それとも、メイが勝手に「東雲家」でお墓を作ってしまったのか・・・。
理人が後ろに控えているんじゃなく、メイと一緒に並んで手を合わせていたことが、なんともうれしかったです~。
メイ、学年があがってもオンブラランクなんですね。他の生徒はランクが戻ったのに。
しかし楽しそうな学園生活です。
両親を亡くして一人になったメイが築いてきた居場所なんですね~。感慨深いです。
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剣人への手紙を書き終えたメイが、ホッと一息ついて顔をあげる。
「メイ様、オンボロじゃなく、オンブラです。」
手紙を覗き込んでいた理人はすかさずチェックをいれる。
メイはそんな理人に驚いて、ササッと手紙を折りたたんでしまう。
「いいでしょ~、別に。それより見ないでよ。」
理人はあっさり謝罪する。
「失礼。
・・・何を書いているのか気になったもので。」
メイはその言葉を意外に思って聞く。
「そういうの、気にするタイプだったっけ?」
「きっと、メイ様にお仕えしてるせいですね。」
「ん?」
「以前は、執事として自分の感情を出すべきではないと思っていましたが・・・。」
「今は・・・?」
理人はふっと笑顔になる。
そして、メイと視線の高さをあわせるために机をはさんでかがみ込む。
「我々、執事にとって、お嬢様は太陽のような存在ですから。」
メイは理人にみつめられてのその言葉に恥ずかしそうに下を向いてしまう。
「いいよ、そういうことをいちいち言わなくても・・・。」
理人はそんなメイにより顔を近づけて訴える。
「言葉にしたくなったのです!」
「・・・なんで?」
メイは、次に何を言うのか知りたくて理人を見る。
でも、理人は寂しげに目を伏せてしまう・・・。
「・・・メイ様が・・・、私以外の誰かを見てるのが・・・つらいので・・・。」
その伏せられた目が、急に強い意志をもって挑むようにメイをじっとみつめる。
メイの胸の鼓動が急に踊り始める。
「・・・ですから、目を、逸らさないでください。」
自分のことだけを見ていて欲しい・・・、突然、想いを打ち明けられメイはうろたえる。
「なっ、何いってんの・・・」
理人は、そんなメイのおとがいをクイっと持ち上げると、唇をメイの唇に重ねる。
温かく柔らかな唇の感触に、メイは硬直したまま動けなくなる。
理人はそっと唇をはなすと、人差し指をたて、
「内緒ですよ。お嬢様と執事の恋愛は禁止なので・・・」と優しくささやく。
メイは理人の顔を見ることも出来ず、コクリと頷くのだった。
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そんな時、部屋の扉を開ける音がする。
メイの部屋に大挙してなだれ込んでくるクラスメート。
花火大会に行こうとみんなで約束していたのだ。
メイも理人も慌ててごまかすが、みんなは部屋に流れる甘いオーラにすぐに気付いてしまう。
「ああ~~!もしかしてぇ~~!」
必死に否定する二人。
やがて、メイはみんなの輪の中に引きずりこまれ、口々に冷やかされる。
友達に囲まれ楽しそうに笑っているメイを、
理人は穏やかな笑顔で見守るのだった。
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「メイちゃんの執事」 終わり
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最後にこんな素敵なキスシーンがあるなんて!!!
ドラマのキスシーンってあまりキレイに見えなくて困ったりするんですけど・・・。
理人のキスはほんとにキレイでセクシーでしたね。
やきもちを妬いての行動ってところもポイント高いですよね。
キスになる過程のシナリオも演出も、すごくロマンティックで、これはなかなか忘れられないシーンになりました。
ありがとうです!!
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キスをごまかす理人とメイに大笑い。羊も理人のそばで困ってます。
多美と神田は今後も二人の邪魔をしそうですね(笑)。
そして、最後は微笑んでいる理人・・・。
素敵なラストシーン。
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最高の最終回でした!!!
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こんなロマンティック満載のドラマ、なかなかないです。
続編で再び、ロマンティックに浸りたいです!!!
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さて、「メイちゃんの執事」もこれで終わりです。
こうやってあらすじ&感想を書くのは、とても楽しかったです。
つい調子にのって長くなるばかりでしたが・・・。
この10話をUPしてしまうと、もうほんとに「メイちゃんの執事」の世界とはお別れなんだな~と思うと、なかなか完了させる気になれず、ずっと引っ張ってしまいました。
寂しいです。ほんとに。
こんな下手な文章を読んでくださった方、ほんとにありがとうございました。
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また、スペシャルや続編がありました折には、元気よく復活したいと思います。
これで、ひとまず「メイちゃんの執事」とはお別れです。
ああ、でも2,3記事は書きます。
DVD発売の告知があれば、うちのブログでもお知らせしたいので。
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ほんとに、続編ができるといいですね。続きが見たいな~。
制作していただけるように、伝え続けていかないといけないですね。
願いを叶えるために戦わないと、ね!
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