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2007年3月24日 (土)

華麗なる一族・最終回

やっと、「華麗なる一族」を見ました。

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やりきれない結末でしたが・・・、あんまり見たいと思えるドラマの結末ではなかったですが・・・、でもそれでも、いいドラマでした。

全編を通してじっくりと見られる重厚なドラマでした。

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鉄平という人が、自殺を選ぶのはやはり納得はできなかったです。

雪山や山小屋で過ごしている時間がわりとあって、その間ずっと、気分を変えて思いとどまるのじゃないかと、かすかな希望を抱いていました・・・。

その時間は彼の辛さがひしひしとつたわってきました。

最期のシーンも壮絶で真に迫っていました・・・。

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鉄平が自殺するキャラではないと思いながら、またそれとは別に、「鉄平の死」で見えてくるもの、あきらかになるものがありました。。。

純粋な志を持った彼の死で、浄化されていくものが。

多分、それを見せたかったんだろうと思いました、このドラマ。。。

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阪神特殊製鋼が、帝国製鉄の傘下になり、裁判を終結させられてしまうシーンは、あまりに悔しくて、鉄平(木村拓哉さん)がかわいそうでならなかったです。。。

私はここで泣きそうになりました。

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それと、鉄平は金融再編のことを全く知らなかったんですね。なぜか私は企業家としてうっすら気づいているかと思いこんでました。

銀平(山本耕史さん)が自棄になってやって来ていた本当の理由も鉄平はやっと知ったんですね。。。

銀行を守るために阪神特殊製鋼をつぶされたと知った鉄平の絶望は大変なものだったと思います。

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そして、父親からの生まれてこなければ良かったという決定的な言葉・・・。

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遺書でなにより自分を信じて関わってくれた多くの人達に迷惑をかけたことを詫びていたのが印象的でした。多くの人に迷惑をかけ、父親に卑劣な形で裏切られ、自分自身の存在まで頑なに否定された。

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でも、そんなことが重なっても、夢とあふれるような情熱をもった鉄平なら起き上がってくるはずと思えたのに。

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霊安室での鉄平の遺体と、やす子(原田美枝子さん)、大介(北大路欣也さん)が対面するシーンはやはり号泣しました。

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大介も、かわいそうでした。 「憎い」という感情に溺れてしまった。

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敬介の子でないとわかった時のやす子の驚きと悲痛な様子を見ていて、彼女自身も積極的には鉄平を愛してなかったんだなとわかりました。

それでは鉄平にとって母の存在はなんの救いにもならなかったはずです。

それで一層、大介と鉄平が哀れに思えて。泣けました。。。

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高須相子(鈴木京香さん)の大介との別れ方、良かったです。

「私があなたをうしなうのではなく、あなたが私をうしなうのよ」

そう言い切って、部屋を出たあと、泣き崩れる相子。

どこまでもプライドの高い女性でした。。。

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それから、妻の早苗(長谷川京子さん)。

大川家の庭で、夫の遺書を読んで顔をゆがめて大泣きする様子は、とても心に残りました。

けれど、クリスマスから夫の所在がわからなくなり、一番に芙佐子のもとへ訪ねていったのには、「女」だな~とチラっと思ってしまいました。

もし夫の親友、三雲を訪ねていたら・・・どうだっただろう。。。

彼女については、そんなことをふと思ってしまいました。

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結局、大介が、多くの人を犠牲にして守ろうとした銀行は、今回は大同銀行を吸収することができたけれど、将来はもっと大きな銀行に吸収される?ようですね。。。。

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一方、鉄平の高炉建設の夢は、会社は帝国製鉄の傘下になってしまったものの、志を継ぐ仲間たちの手でしっかりと叶えられた。

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対照的な結末をむかえたことになるんですね。

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華麗なる一族」カテゴリの記事

コメント

はじめまして

洞察鋭い感想を新鮮な気持ちで読ませていただきました。
きなこ庵さんの文章を読んでいると、「華麗なる一族」がさらに違う視点で楽しめそうです。

私は久々にしっかり最初から最後まで見通した(日本の)連続ドラマでした。

表現力の優劣はあったにせよ、役が役者に合っていて、絵画的な愉しみもありました。
うつくしい絵を眺めているような気分。

すてきな感想文(解説文)、ありがとうございました。

投稿: 桔梗 | 2007年3月24日 (土) 10時28分

桔梗さん、コメントありがとうございます。

一応、初見での感想を大事にして書いていますので、勝手な思い込みで感想を書いてしまったり・・・言いたいことがほんとは書けていなかったり・・・そんなことも多いです。(^^;

でも、こういう見方もあるのねって思ってもらえたら、うれしいです。
足跡を残してくださって、ありがとうございました。(^^)

投稿: 都羽子@きなこ庵 | 2007年3月24日 (土) 21時45分

都羽子@きなこ庵 さん、早速のご返答、ありがとうございます。

>こういう見方もあるのね
まさにそれ、でした。
各女性の見方が新鮮で、気がつかなかったことや考えもしなかったことを教えてもらった感じです。

他のいろいろな情報も面白いですね。
ドラマもDVDもお菓子も、、、
おもしろそ、美味しそ、って。

私、結構、テレ朝ドラマが好きです。
「京都迷宮案内」等々1時間にしては、とても丁寧に作られているものが多いと思うのですが、なかなか一般化しませんね。(癖あるから?)
石橋蓮司さんが神の手を持ったお医者さんの役だったお話など、昼間の再放送ですっかり泣かされました。
今シーズンのも良かったと思っています。

こんな勝手な書き込み、いいのかな?

ご返答へのお礼のつもりです。(もうお気遣いなくていいですからね。)

投稿: 桔梗 | 2007年3月26日 (月) 01時14分

こんばんは~桔梗さん。(^^)

ブログの情報を、おもしろいと言ってもらえてすごくうれしいです。
サイドメニューの方も見てくださっているんですね。ほんとうれしいです。。。私も、楽しみたいと思ってこのブログを作成しているので最高のお言葉です。ありがとうございます。

テレ朝のドラマは私もかなり熱心にチェックしています。大好きなんで。「京都迷宮案内」も「相棒」も他のドラマも個性的でおもしろいし、味わいがあるんですよね。
テレビ朝日さんには、根強いファンがいることをがっつり受け止めてもらってシリーズ化してるドラマを大切にして欲しいなと願っています。

どんな書き込みでもかまいませんよお。こうやってお話できるのはほんとに楽しいことなんで。またいつでも書き込みしてください。ドラマ以外のことでも大歓迎です。(^^)

投稿: 都羽子@きなこ庵 | 2007年3月26日 (月) 21時30分

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