« おいしいプロポーズ・第9話 (感想前編) | トップページ | おいしいプロポーズ・第10話(最終話)感想前編 »

2006年6月22日 (木)

おいしいプロポーズ・第9話 (感想後編)

~ 別れの予感 ~ (感想後編)

.

翌日、社員食堂で働く鈴子のところへ、春樹が昼食を食べ

にやってくる。

甘く幸せそうに、視線を絡ませ微笑む二人。

こっちまで、照れちゃうんですけどっっ・・・。 (>_<)

「海の幸のリゾットをください」

春樹は、昨夜、リクエストしておいたメニューを注文する。

鈴子にリゾットのお皿をトレイに置いてもらって、

「いい香りだね♪」 とゴキゲン。

春樹の笑顔もいいけれど、鈴子の笑顔が最高に美しい!!

.

一方、葛城コンツェルンにミチルがやってくる。

社員達が頭を下げる中、彼女は社長室に入っていく。

道造は突然のミチルの来訪に驚く。

「今日はおじさまにお礼を言いにきました」

「お礼?」

「昨日、私達の婚約のことを、大々的に発表してくださって

ありがとうございます」

「ははは、善は急げっていうでしょ・・・」

「正直言ってほっとしました。ずっと不安でしたから。

でもまだ春樹さんが・・・」

「いやいや、春樹のことだったら心配しなくていいです。

あいつも馬鹿じゃないですから。ミチルさん、春樹にとっては

あなたが一番必要な人なんですから」

「ありがとうございます。お父様」 

一番必要な人・・・自分が思っていることと同じ言葉を、道造が

言ってくれてほんとにうれしそうにしてたミチル。継母に続いて、

道造まで味方につけた模様。

.

ミチルは道造に挨拶した後、春樹のオフィスを訪ねるが不在。

彼がいるという社員食堂へやってくる。

マネージャー大河内の麺のゆで加減に注文をつけていた

秘書大河内が、彼女の姿をいち早く発見して狼狽する。

ミチルは春樹と鈴子をみつけて立ち尽くす。

マネージャー大河内の「湯を切る」作業が大仰でおもしろい!

でも、秘書大河内の注文の、揚げを三角にっていうのはわかる

けれど、麺が延びていたので、あと2、3秒短く茹でるようにって

いうのは・・・。まるで嫌がらせ?いや、じゃれてるみたい。(笑)

.

「どう、リゾットの味は?」

鈴子は、食事を終えた春樹に声をかける。

「最高だった。米もアルデンテでよかったよ」 

大満足の笑顔が返ってくる。

「じゃあ、会議があるから」 

春樹はその場を立ち去る。

「うん、がんばって!」

鈴子は春樹を見送ったあと、少し離れたところで自分達の

様子を見ていたミチルに気付く。

.

ミチルは、黙って食堂を去り、再び社長室に直行、

道造を前にして、泣き崩れる。

「こんな侮辱をうけたの、生まれてはじめてです。父がこのことを

知ったらなんて言うか!春樹さんに年上の女の人がいるなんて」

上手だな。このセリフなんてきっちり道造の弱みをおさえた言葉

だし。まあ、ミチルから見ると、あんなに仲良く話してるところを

見せられて、神経を逆なでされるだろうけど。

ミチルって、春樹をめぐって鈴子と戦ってる気でいるしなあ。

以前、「春樹さんの相手が沙織さんなら仕方ない」って言って

沙織を例外に出来ていたんだから、鈴子もその例外に入る

ようになればいいのだけれど。

.

すぐに社員食堂に、社長秘書がやってきて、鈴子を連れていく。

秘書大河内は慌てて、春樹にそれを報告する。

「常務っ!常務っ!大変ですっ!

シェフが社長に呼ばれて!!」

.

秘書に促されて、鈴子が社長室に入ると、道造が待っている。

「うちの社員食堂で働いてるんだって?」

「はい・・・」

「私は反対したんですよ。バンビーナのスタッフをそのまま

新しい店で使うのはどうかってね。だけど春樹がみんな優秀だ

からそのまま残したいって。特にシェフのあなたの腕には

感心してるらしくて、それは私も同様ですよ。」

「ありがとうございます」

「ただ、少し困ったことが起きちゃってね。どうかな。

うちの息子から手をひいてくれませんかね。

いや、あいつにもね、何度も言ってるんだけどね、

相当、あなたに惚れてるらしくて。なかなかうんと言わない。

まあ、気持ちはわかりますけどね。いい女だし」

鈴子の背後にまわった道造に肩を触れられ、身がまえる鈴子。

なんでここで肩を叩くかな・・・道造。。。

「これは、失礼!

だけど、お遊びもこれくらいです。

いくら欲しい?」 

道造はスーツのポケットから小切手を取り出し、テーブルに

置く。

「えっ?」 

「この場で、小切手を切りましょう。いくら欲しい?

好きなだけ金額を言ってください」

「私、お金なんていりません」

「遠慮なんていりませんから。いくら?」 

鈴子を追って、春樹が社長室に入ってくる。

「彼女になんの用です?」 道造に抗議するように言う春樹。

「見てのとおりだ。いま、手切れ金を渡そうとしてる。

お前もまだまだ若いな。女と手を切るのがうまくいかないなんて

・・・だから親の私がかわりに話をつけて・・・」

カッとなった春樹は道造の言葉をさえぎって叫ぶ。

「言ったはずですっ!婚約はしないとっ!浅倉会長にもそう

お話しますっ!」

「婚約は、もう決まったことだっ!」 

道造も負けじと言い返す。

道造の断定的な言葉に驚く鈴子。

「・・・わかりました。でも、俺は婚約パーティには出席しません

から、そのおつもりで!」

「いい加減にしろ。どれだけ困らせたら気がすむんだ。

好きな女がいるから、婚約は断るだと?

寝ぼけたことを言ってんじゃない!」

道造は怒鳴りつける。

「それが自然なことですっ!どこもおかしくないっ!」

春樹は道造に訴える。

この春樹の言葉と、表情がすごくいい!でもほんとに当たり前

のことなんだけれど・・・。

「じゃあ、お前はこの会社がどうなってもいいのか?

今、浅倉財閥に見放されたらどうなると思ってるんだ。

この会社と、彼女と、どっちをとるんだ?」

道造の言葉に、押し黙ったままだった春樹はやがて答える。

「俺は・・・彼女を、選びます」

愕然とする道造。

ここの道造の驚き方がツボというか。春樹の出した答えが

彼にとってどれだけ意外だったかが表情にあらわれてる。

春樹の苦しそうな表情もとってもいい!

「今、なんて言った?

お前は私のあとを継いで、この会社の経営者になるんだぞ!」

「それは俺が望んだことじゃない!

兄さんが死んだあと、

兄さんのかわりに一生懸命がんばってきただけです!

でも、彼女と出会って自分らしく生きようと、そう決めました」

「お前、・・・葛城コンツェルンを継がないというのかっ?

死んだ修一や、親の私達の期待を、裏切るのかっ?」

道造は激昂し、春樹の胸倉をつかむ。

「きさまっ!今まで、一体、誰のおかげで・・・」

が、突然、胸を押さえ、苦しんで床にしゃがみこんでしまう。

「父さんっ??父さん!!・・・」

ああ、倒れてしまった・・・。こうなるとなあ~・・・。

.

道造は病院に運ばれる。

医者の診断は、一時的な血圧の上昇による心臓発作。

「一時的なので心配はいらないが、何度も起きると命に関わる

ので、ご家族の方も気をつけるように」と言われる春樹と鈴子。

継母が病室に駆けつける。

「春樹っ!お父様は?」 動揺してうろたえる継母。

「今、眠っています・・・」と春樹。

「あなた・・・どうしてこんなことに?」 

継母は倒れた理由を春樹に尋ねる。

「すいません・・・」 

春樹は継母に頭を下げる。

継母はその春樹の隣にいる鈴子を見る。

鈴子は遠慮して、病室の外へ出る。

「誰なの?」と鈴子のことを春樹に問う継母。

「僕が、おつきあいしてる女性です」 

「おつきあいって・・・あなた、ミチルさんと婚約したのよ!」

勝手に道造とかミチルが仕組んだのに。。。春樹の知らない

間に・・・。思わず突っ込む私・・・。

継母は、怒り心頭、涙声で叫びはじめる。

「まさか、お父様のお倒れになったのもそのことが原因で?」

「ほんとにすいません」

再び、頭を下げる春樹。

「だから、私は20年前、あなたを引き取ることに反対したのよ!

どこの女だかわからない浮気相手の子供を引き取るなんて!

きっと禄でもないことが起こるって!

修一があんな死に方をして、

今度は父親までこんな目にあわせて!

何かあったらどうするつもり!ねえ!」

取り乱して叫び散らす継母。

ひしひしと春樹の辛さがこっちまで伝わってくるよ。。。はあ~。

でもなあ、20年前のことを持ち出されても・・・。

責められ、うなだれる春樹。

「おい、よさないか・・・」

倒れた道造が目を覚まして仲裁に入らないといけないこの状況・・・。

春樹と継母は、道造の声に気づいて、ベッドのそばに駆けつける。

「あなた、目がさめたのね・・・」

「父さん・・・」

病室から出たものの、廊下にいた鈴子は、継母が春樹をひどく

なじっているのをすべて聞いてしまう。

鈴子の悲しげな眼差しがとっても美しくて見惚れてしまう・・・。

.

感想を書くのに何度か見なおしていると、この道造との社長室

のシーンと、病室の継母とのシーンは、とってもいいなあ~と

思うようになってしまった。迫力満点なんだもの。

はじめ見た時は、胸苦しくて、春樹がかわいそうなだけだった

けれど。

.

これで、鈴子は春樹の父、母から、春樹の会社での立場、

家庭内での立場をはっきり知らされることになった。特に継母

言葉は、鈴子の心にも針のように刺さったんじゃないかな。

あんな言葉で責められたら、春樹を想う気持ちは一層、

深くなっていきそう。

.

病室から少しはなれた休憩所で、椅子に腰掛けている鈴子。

この鈴子の表情が悲しくて・・・。

しばらくして、春樹が病室から出てくる。

「今夜は付き添うことにするよ。まだ心配だから」

「そうね、そうした方が、お父様もきっと安心されるわ。

じゃあ、私、帰るね」

「送れなくて、ごめん・・・」

「大丈夫、私ならひとりでも平気だから。」

春樹に心配させまいと、キレイな笑顔で微笑む鈴子。

しかし、それとは裏腹にひとりになった鈴子の足取りは重く、

顔はうつむいたまま・・・。

.

病室で、父に付き添っている春樹。

「父さん・・・」 

気持ちが引き裂かれてるような、辛そうな表情に

見ているこっちまで泣きたくなってしまう・・・。

.

歩道橋にひとりたたずむ鈴子。

春樹からもらった携帯のストラップを大事そうにみつめている。

やがて、しっかりと前を見据えて歩き出す。

.

第9話 終わり

.

「大丈夫、私ならひとりでも平気」

先を暗示させる言葉・・・。

鈴子は身を引いてしまうのかな。引いてしまいそう・・・。

今回は、ミチルからはじまり、藤森、そして、道造、継母の

会話から、春樹サイドの事情の深刻さが、鈴子に畳み掛ける

ように、これでもかってぐらいに伝わって、見ているこちらも

辛かった・・・。

春樹が、婚約撤回を求めて懸命に奔走してたのが救いだった。

愛し合っていて、その想いを貫こうとするのは自然なことなの

に、自分達以外には「わがまま」で「困らせる」行動になるなん

て・・・。この上、鈴子が身を引いたら春樹ひとりで孤立すること

なるなあ・・・。

どうなるんだろう。最終回。。。。

.

ただ、春樹は今まではお兄さんのかわりにって、がんばってきた。

自分の気持ちなんて、そこには存在しなかった。

夜のバスケのシーンでは、こんなことを言ってた。

「俺がどう思おうが、

何を感じようが、

何ひとつ思うとおりにはいかない」

今もまだ、春樹は変わらず、その状況の中にいる。

鈴子を失くしてしまっては、ミチルと婚約してしまっては、

ほんとに何ひとつ思うとおりにはいかないまま、今の暮らしを

続けていくことになる。そういう生き方がイヤだと決めたなら、

道造の体とか、会社とかあるけれど、

誰かのために、何かのためにじゃなく、

自分が幸せになるために、がんばれ~。春樹!

ハッピーエンドになってね。

.

大好き!!「おいしいプロポーズ」!

続編希望!

おいしいプロポーズ・第8話

|

« おいしいプロポーズ・第9話 (感想前編) | トップページ | おいしいプロポーズ・第10話(最終話)感想前編 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

おいしいプロポーズ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: おいしいプロポーズ・第9話 (感想後編):

« おいしいプロポーズ・第9話 (感想前編) | トップページ | おいしいプロポーズ・第10話(最終話)感想前編 »