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2006年5月16日 (火)

おいしいプロポーズ・第4話(後編)

おいしいプロポーズ・~片思いのスープ~

沙織の電話で別荘からバンビーナに戻った春樹と鈴子。

春樹は笑顔満面で、沙織の待っているところへ向かう。

鈴子は厨房へ。

でも、食事の間中、沙織は一言も話さない。その様子に春樹

声をかけることができない。

そして、お料理の最後に沙織の思い出の料理、ナポリタンが

運ばれる。破顔する沙織。その様子につられて春樹も微笑む。

ずっとそうだけれど、春樹はほんとうに沙織が好き。

彼女から目を離さない、彼女の表情に一喜一憂してる。

すごく懐いているというか・・・だから見ていると、

とてもいじらしいというか、つい春樹の想いを応援してあげ

たくなる・・・。

そこへシェフとして鈴子が挨拶にやってくる。沙織は彼女に

頼みごとをする。

「私、鈴子さんに一つお願いがあるの。ここには当分、来れそ

うにないと思うから、このナポリタンの作り方、教えて欲しいの」

春樹と鈴子は驚く。

「ここに来れそうにないって?」尋ねる春樹。

「私、カリフォルニアに行くことにしたの。日野原さんが向こうの

大学院でもう一度、専門的な勉強したいというので、それにつ

いていくことにしたの。多分、向こうで結婚することになると思う。

今日はその話をあなたにしようと思って」

鈴子は、そっとその場をはなれる。

前回もそうだったけれど、春樹と沙織の会話には雪のように

降り積もっていく悲しさがある・・・。共有する兄の死という

悲しみ。

沙織、春樹、それぞれの想いにいつも胸がいっぱいになる。

「愛してるの?彼のこと。・・・どうなの?」

春樹の問いに即答できない沙織。

「・・・今でも愛してるのは、あなたのお兄さんだけよ」

「じゃあ、どうして?

俺が兄さんのかわりになるって言ってるじゃないか!」

「あなたにはあなたの人生があるわっ」

「いいんだよ。俺のことは!俺がそうしたいって思ってるんだ」

春樹は沙織が兄だけを愛し続けていることを知ってる。

それでもそんな沙織のすべてを抱えて、支えていきたいと願っ

てる。たとえ自分が兄のように愛されることはないとわかってい

ても、沙織が自分の中の修一を見ていても、それでもいいと

想ってる。

「あたしもあなたのことが好き・・・」

沙織は目を伏せて打ち明ける。

沙織は春樹を想ってる。

「それじゃあっ!!」

「・・・でも、思い出してしまうの。あなたを見ていると修一さんの

ことを。あなたはそんな私の気持ちに気づくでしょう?それが

ずっと続くの。あなたと結婚すれば・・・これからずっと続くの。

私はやり直したいの。自分の人生を。わかってくれるわよね?」

ずっと春樹の申し出に、答えを出せなかったのは、沙織も

春樹を想っていたからじゃないかな。自分に修一を見ていても

いいとまで言ってる春樹を、そして春樹自身を、愛していたの

では?悲しみを共有できる春樹となら、ずっと修一の思い出と

ともに生きていられる・・・。春樹はそれを許してくれる。

自分を預けてしまいたい。そう思う気持ちもあっただろう。

でも彼女はその想いを、切った・・・。

自分の悲しみに春樹の将来を巻き込んではいけないから。

春樹といても、二人の未来が明るくならないと気づいている

から。そして春樹は今はまだそれに気づかず一途に自分を

思ってくれいるから。

自分が切らないといけないと決心した。

日野原との未来はなんらかの明るさが想像できるから、彼を

選んだんだろう。今愛してるかどうかより、二人でいる未来が

想像できる人なのかも。

でも、沙織が本当に修一を失った悲しさを乗りえ幸せを手

するのは、日野原の次に出会う男性とのような気もする。

日野原を見る度、修一を失って悲しかった頃の自分を思い

出すかもしれないから・・・。

沙織は女性として素敵な人だと思う。儚げで上品なお嬢様と

いう感じだけれど、女性として芯が強いように思う。

だから与えられた幸せより、自分なりの幸せを自らの手で

掴んでいくように思う。

誰かを大事にする方法は一緒になることだけではないから。

生きていく場所を遠くに移すことはいいことなんだろう。

沙織が声を震わせて気持ちを吐露する様子に感動した。

二人で食事をしていたテーブルには、いつの間にか、沙織の

姿はなく、春樹、一人、ぼんやりと座り込んでいる。

.

店が閉店してもなお、彼はその場を動くこともできない。

そんな春樹の様子を見て、鈴子は一杯のスープを彼の前に出す。

「試作品です、明日のランチに出したいので飲んでみてください」

ためらいながら、一口、口に運ぶ春樹。

暖かさとおいしさにふっと表情が和む。

「コンソメみたいだけど・・・でも・・・」

「コンソメをベースに、

隠し味にナポリの海でとれた塩を一つまみいれてあります。

.

・・・その昔、貧しいナポリの船乗りが、

ひとりの美しい女性に恋をしました。

.

毎日、毎日、船乗りは、

夜空に一番星が輝きだすと、

その女性のもとに通い、

愛をささやき続けました。

.

けれど、

その女性は別の男性を選んで結婚してしまったんです。

.

船乗りは、悲しみのあまり泣き続け、

その涙が、

ナポリの塩となったと言われてるんです・・・。

.

飾りつけは一番星のつもりです」

スープの中に小さな星印がひとつ浮かんでいる・・・。

.

「名前は・・・?・・・このスープの・・・」

.

「『片思いのスープ』

・・・どうぞ、ごゆっくり、私は厨房にいますから」

.

鈴子が背をむけた途端、堰を切ったように、ポロポロと

涙を流す春樹。

苦しい春樹の心情を察して、鈴子の頬にも涙が・・・。

ナポリの塩の物語を話す鈴子。声が、どこまでも優しく、

控えめに、控えめに、ゆっくりと、春樹に語りかける・・・。

その声に泣かされる・・・。

.

「片思いのスープ」は・・・今夜だけ、悲しみに浸って、

思いっきり泣いてみてもいいのでは?そういう鈴子の

思いだったように思う。

誰かが辛い時、悲しい時、心をこめた料理でその人を癒せ

るって素晴らしい。鈴子は1話から沙織のためにナポリタン

を作ったりと、、、グルメというだけでなく、相手の心を大事に

料理をしてる。心のこもったお料理は最強・・・。

★~~ おまけ ~~★

今回、鈴子の元彼と思われる男性が登場した。多分。(笑)

銀行の融資担当、藤森。

彼は、葛城グループの高級レストランのチェーン化の企画を

聞きつけ、担当の春樹のところへ、ぜひ今回も自分の銀行で

融資をさせてほしいと、挨拶にやってきた。

春樹は彼に尋ねる。「この企画、うまくいくと思う?」

藤森はとぼけた感じで、「私は、高級だからといってもおいしい

と思ったことはないので、安くてもうまい食べ物はたくさんありま

すし。まあ食べ慣れてないだけなのかもしれませんが。

何分、一介のサラリーマンですから」

純朴で、相手が誰であれ飾らない性格、そんな風に見えた。

春樹は藤森を「正直者」だと評し、ちょっと気に入った模様。

「高級だから~~」というセリフ、1話で鈴子が春樹に似たような

ことを言ってた。「安くてうまい食べ物」は、鈴子の作った料理の

とかな。こういう言葉の一致ってなにげに二人の新密度をあら

したりして気になったりするんですよね・・・。

そうだ、今のところ、海沿いのモーテルに泊まったと思って

いるのは、道造とミチルかあ。でも道造はあれであきらめる

かな。。。二人の様子を観察していて、どうも嘘らしいと見破

り、再び、鈴子への思いが再燃なんてこと、あるかも。

または、春樹に嫉妬したり・・・。

それはそれなりにおもしろい。

沙織が去った今、ミチルはもっと本気モードでかかってくる

だろうし。そうしたら相当な攻撃が予想されるし。

藤森が目の前に出現すると鈴子は動揺するだろうし。楽しみ♪

ベタで素敵なロマンティックシーンももっと見たいよお~♪

さて、沙織への想いを経て、春樹が鈴子のことをどんな

風に愛するようになるのか、沙織への想いとどう違うのか、

それが一番の見所だと、思ってるんだけれど~★

おいしいプロポーズ・第4話(前編)

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