続き。
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ホテルに入っていく春樹の車。
春樹がそのホテルのレストランの個室にいくと、そこには彼の
両親と、ミチル、彼女の両親である浅倉財閥の会長夫妻がいた。
お見合いの席だった。
「ほんといい話だ。お前の結婚相手として、これほど、ふさわ
しいお嬢さんはいらっしゃらないし・・・」と道造。
「ミチルさんはまだ大学を2年残しているので、春樹とは婚約
しておくということで・・・」と継母。
一方的に話をすすめる両親に、春樹は憮然として、
「僕はそんな話は聞いてません!」
と話を遮り、部屋から出ていく。
ミチル、こうきたかって感じ。春樹の両親の許しを得て、外堀
を埋める作戦。浅倉家は葛城Gの筆頭株主らしいし。
無下に断るわけにもいかない。やり方によっては春樹を完全
に追い詰めることになるのになあ。。。
春樹、適当に話をあわせておくかなって思ったけれど、退出
してちょっとすっきり。(笑)
ところで、追いかけるミチルの振袖、すっごくかわいい。淡い
ピンク系で。今は振袖にピアスもOKなのね~。
○
浅倉会長一家が帰った後、春樹の両親が食事を続けている。
「あの態度、誰が今まで育ててきてやったと思ってるのかしら」
と、自分達の顔をつぶされて、春樹のことを苦々しく言う継母。
「育ててきてやった」って・・・なんていう・・・言葉・・・。
浅倉一家を前にしたときの表情と一変してるし。
ほんと外面がいいなあ・・・。
「まあ、いいじゃないか、あいつには私から話しておく」
妻をなだめる道造。
「あなた、春樹のことになると甘いんだから。春樹の亡くなった
母親のことを愛してらしたんですものねぇ~」と絡む妻。
「もういいじゃないか、何年前のことだと思ってんるんだ」
うむむ。わかりません。この継母。
奥さんって何年も前の夫の浮気を思い出しては文句をいうって
聞いたことがあるけれど。でも、いくら愛人の子でも愛人はすで
に亡くなり、春樹は5歳という幼いうちに引き取られ、20年ちかく
一緒にいる。その間に春樹という子自身を愛するようになってて
もおかしくないのに・・・。道造がいつまでも変わらず女癖が悪く
て、彼女を悩ませるから、受け入れられないのか・・・。
諸悪の根源は道造だ。きっと。
この継母が出てくる度、もうちょっと優しく接してあげて、と思っ
てしまう。春樹の子供の頃の孤独が垣間見えるなあ。
★
社長室に呼ばれる春樹。
春樹が部屋に入ると、いきなり話し始める道造。
「先週、インドネシアで、わが社が養殖している海老を乗せた
船が、衝突事故を起こした。一年かけて養殖した海老が、
全部パーだ。おまけに衝突した相手から損害賠償を求められ
ている。
どれぐらいの大損か、わかるよな?
それに加えて、ある外資系のファンドが、うちの社の株を買い占
めにかかってるという噂もある。
それが事実だとすると、経営にまで口を出してくる可能性がある。
最悪の場合、社長の交代もありえる。
・・・ミチルさんと結婚しろよ。
そうすれば、浅倉財閥が後ろ盾になってくれる」
「金のために結婚しろと?」
「お前のためだ、この会社の経営者となるお前のためだ。
よく考えろ」
大損と株買占め。2点セットできました。会社が損害をこうむ
ったことが世間に知れると株価が下がって、買占めやすくなっ
てるってことかな。
会社(お金)のために人を道具のように動かしてきたら、きっち
り自分にも返ってきたって感じだった。自分自身も道具のように
扱われる。会社のために自分の人生を切り売りしていくことが
春樹にできるのかな。
「ついでにいっておくと、あのシェフはいい女だが、お前の結婚
相手にはふさわしくない」
「彼女とは別に・・・」道造がそっと春樹の頬をたたく。
今回は新聞紙のかわりにゲンコツで柔らかパーンチ。
道造は、春樹と鈴子がつきあってると思っている。どうしても
息子の恋人が気になってしまう様子。で、鈴子との交際を
邪魔しようとするし、ミチルとの結婚を進めてる。
今後も手強い相手になりそう・・・。
「ああ、(鈴子と)別れたら、教えろよな。
・・・そういうことだよ」
ここ、私は、この最後の言葉で、猛烈にムカついた!
それまでだってムカついてたけど。
なんなのよっ、この言い方は~っ!卑劣なっっ!!
春樹が、鈴子と別れたら、どうするつもりよ?道造!!
また、愛人になれと、くどきに行くのかい!
ぐわ~~~っ!道造、腹立つぅ~~~!!
息子のネクタイなおしながらの、あの態度。いやらしさがにじみ
出てるじゃない!!
胃の底あたりで、怒りがとぐろを巻いてるよ。ったく!!
○
社長室から出てきた春樹。
『死んだ兄の修一も天国でなげくことになる』
兄のように、と目指してがんばってきた仕事。
『でもあなたはお兄さんじゃない・・・あなたはあなたでしょ?』
春樹は鈴子の言葉を思い出し、苦しそうに窓の外をみつめる。
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春樹は、すごい修羅の道を歩いてきた気がする。
お金持ちとはいえ、育ってきた家庭環境は相当辛いものだった
だろうし、大好きな兄のためにその遺志を継いで後継者になろ
うと努力しても、家族は彼のそんな心根に気づいてくれない。
求められるのは冷徹な選択。道具として扱われ、自分の結婚
相手も知らないうちに決められる。
春樹の明るいきさくな面を前回、見ているだけに、葛城Gの中
で彼に要求されるものが、本来の彼自身ととても乖離してきて
て、しょってるものが重そうで、苦しいそう・・・。
○
バンビーナでは、みんなでミーティング中。
気持ちが一致して、裁判をすることに。
大河内のお酒癖の悪さと、マキの「撤収!」がおもしろい。
○
マキに言われて目が覚めた徹は、工事現場のバイトをしはじめ
る。そして、お金が入ったので、お礼の意味を込めて、彼女を
食事に誘う。ビールを飲んで、心から「俺、幸せだな」と言う徹。
微笑むマキ。
ちょっと前まで、「俺なんて、死んだ方がマシ」なんて言ってた
徹が、今は心から「幸せだな」と笑ってる。
指をパチンと鳴らして、魔法をかけられたように、一瞬で不幸
から幸福に。みじめな気分から晴れやかな気分に。
単純だけれど、人間ってこんなものだと思う。
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明日、こんな笑顔になれるかも、そう思うから生きていけるの
かも。
○
○
ここからが今回のお気に入りシーン
道造から強力なプレッシャーをかけられた春樹。
たった一人、夜の公園で黙々とバスケをする春樹の背中は
泣いているように見えた。。。鈴子と会わないかな、と思って
たら、二人が、ばったり。
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ミーティング(飲み会)の帰り、鈴子は公園でひとりバスケをする
春樹をみつける。ケンカのことを思い出して、その場を立ち去ろ
うとする鈴子だが、そんな彼女に春樹が気づく。
ファンス越しにボールを当てて、その向こうにいる鈴子に気づ
かせる春樹。 こういうの、好き。
「こんな時間にひとりで何をしてるの?」 声をかける春樹。
「店のみんなと飲んでたの・・・」
「そう」
「どうせわかることだから言っておくけど。私達、戦うことにし
たから」
「戦う?」
「あの店、つぶさせないから。だからこれからは、お互い、敵」
複雑な表情から、やがて納得したように、
「まあ、やってみるがいいさ」と爽やかに笑う春樹。
再び、バスケをはじめる。
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鈴子は、裁判のことを伝えて、会話が終わったので、その場を
去ろうとする。けれど、ひとりでひたすらバスケをする春樹の
様子に引っかかりをおぼえる。
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「・・・ねえ、何かあったの? ねえ・・・」
やさしい鈴子、春樹の様子がおかしいことに気づいてくれる。
鈴子、前回は「なあ~に?」だったけれど、今回は「ねえ~」、
甘えた感じが、なんかいい。
自転車を置いて、公園に入ってきた鈴子に背中を向けながら、
気持ちを吐き出す春樹。
「プロのバスケ選手になりたかった。
マジに考えてたんだけれどな。
けど、しょうがない。あの会社、俺が継ぐしかないんだし。
・・・なんか兄さんがいなくなってから、
いろんなこと、あきらめ続けてる。
言っただろ?
あなたはお兄さんじゃない。あなた自身でしょ?って」
「ああ、あれはちょっと言いすぎちゃったかなって・・・」
恐縮する鈴子。
「いや、そのとおりだ。けど・・・、
俺がどう思おうが、
何を感じようが、
何ひとつ思うとおりにはいかない。
みんなが思っているほど、
たいした男じゃないんだよ。俺は 」
ここのセリフ、いいなあ。泣けてくる。。。
いろんなことをあきらめて、兄のかわりにがんばってる。
けれど、誰も春樹自身を見てはくれない。望むことは
なにも思いどおりにならず。人生さえ会社の組織の中に組
み込まれてる。
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春樹は鈴子の方をむいて寂しげに微笑む。
「でも、なんでだろうなあ。
なんで、あなたにはこんなこと、話すんだろう。
誰にも話したことないのに・・・」
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春樹が鈴子のそばにやってくる。
「言われたんだ・・・。
アメリカに行く前に・・・」
「沙織さん?」 不思議そうに尋ねる鈴子。
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春樹は鈴子をじっと見て言う。
「あなた、きっと彼女のことが好きなる・・・って・・・」
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ふと、笑顔になって、
「・・・まあ、有り得ないって、言ったけどね・・・」
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突然の言葉に驚きながら、
「そうよ、そんなこと、有り得るはずないじゃない」
鈴子も即座に否定する。
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そんな彼女の言葉に間髪いれずに、
「そうかな?」 と真顔に尋ねる春樹。
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「・・・そうよ・・・」
春樹に真剣にみつめれて、口ごもる鈴子。
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みつめあう二人。
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「そうだよな・・・」
納得しようとするように応じる春樹。
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「そう・・・」
二人は、お互いの瞳の中に答えを探すように視線を重ねてる。
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「うん・・・」
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春樹は、鈴子に微笑む。
ふと、二人、視線をそらす・・・。
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短いセリフのやりとりだけれど、二人の心が深く絡まっていく
のが見えて、ほんとに素敵なシーン。。。
(私、大泣き中・・・)
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春樹は、鈴子の背後からボールをゴールに向かって投げる。
ボールは見事にゴールに入る。
二人のこの距離感がまた素敵で、ドキドキする。
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「有り得ないよな・・・」と言った後、ボールが遠くのゴールに入る。
「有り得ないことが起こる・・・奇跡」
奇跡が起こるよ。。。そういうことかな。
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春樹がかわいそうで、もっと鈴子に甘えればいいのに、と
思いながら、、、でも、決してそうはしない彼に、切なさが
こみあげた。
(ここら辺は、もうティッシュを目にあて、泣きじゃくり・・・)
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春樹は鈴子にボールを渡し、投げるように言う。
嫌がりながらも春樹に促されて、ボールを投げる鈴子。
そのボールを拾い、楽しそうにボールを扱う春樹。
少しずつバスケを楽しむようになる鈴子。
しばらく、二人でバスケをして遊ぶ。
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楽しいひとときを過ごして、公園から出てくる春樹と鈴子。
「もう遅いし、送っていこうか?」
「ああ、いい。自転車があるから」
「そうだね。これからはお互い敵なんだから」
一緒にいて、少し癒された感じの春樹だった。
ここまでが今回のお気に入りシーン。
このあと、ミチルと藤森が、春樹と鈴子にアタックするんだけれ
ど、どうでもよくなってしまった。(笑)
(私、泣き疲れ放心状態中・・・)
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春樹が帰宅すると、ミチルが部屋にあがりこんでいる。
「どうして? どうしてあたしじゃダメなのよ!
春樹さんのご両親も賛成してくれてるのに。何がいけないのよ!」
子供のように駄々をこねるミチル。
「ミチル、お前のことは妹のようにしか思えないって・・・」
「だからそれでもいいって!」
あら?このやりとり、どっかで・・・。ああ、春樹と沙織だ。。。。
「いいか、お前が幸せになるには、お前のことをちゃんと愛して
くれる人と結婚しないといけない。その相手は俺じゃないんだ」
ここのセリフもいいなあ~。沙織のことで成長した感じの春樹。
「あたし、真剣なんだから。小さい頃からずっと春樹さんのことが
好きだったんだからっ!」
ミチルに言い含める春樹はほんとに優しい。すごく冷静な兄と
いう感じ。だから、ミチルも困らせて甘えたくなるのかもね。
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自転車で帰ろうとする鈴子には藤森が声をかける。
「どうしたの?」
「弁護士の資料を届けに・・・」と藤森。
彼は春樹と鈴子のバスケを見ていた。
「ああ、じゃあ、預かっておくわ」
「あのさ、もう一度、やり直さないか?俺達、もう一度・・・」
驚く鈴子。
( 第6話、終わり )
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いつも1話、1話に心に沁みてくる素敵なシーンがあって、
このドラマの最大の魅力だと思ってる。
毎回、春樹の思いがヒシヒシと伝わってくる。
今回は夜のバスケシーン。良かった。
でも、きっとこんなに切なくて、春樹がかわいそうに思える
のは、道造演じる橋爪さんの名演技のおかげもあるんだと、
泣きながら、ひそかに感謝した私だった。
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来週、ますます楽しみ。
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