今日、キネマ旬報の香川照之さんのコラムを読んだ。
アンフェアに関しての裏話。アンフェアに対しての愛情と
熱意が伝ってくる、力のこもった文章だった。
読んでいて、すごくうれしかった。
蓮見役の濱田マリさんの演技が「とぐろをまきはじめた」
なんていう表現、ニマニマしてしまう。
それこそ、マニアには垂涎のお話。(笑)
「まだあえて閉じたままにしてある部屋はいくつもある」そうで、
そこに列挙されていた内容はやはり故意に残されていたもの
だったんだなあ~と再認識。問題視していていいものらしい。
ただ、私、小久保に関しては、単に山路にとってかわって、
出世したいだけの人だと思っていたので、ずっ~~と
ノーマークの人物。小久保・・・絡んでくるんでしょうか・・・?
★
★★★★
★
香川さんと言えば、雪平の元夫、佐藤役。
ドラマの初回を見た時、連続殺人などの結構、浮世離れ
した話の中、佐藤家だけがとっても現実的な存在で、
その大変さがとても身に迫って感じられたのを覚えてる。
編集者の佐藤は、とくに仕事が不規則で、残業も当たり前、
定時に帰ることなんて皆無だろう。なのに、小学校低学年
の娘と二人暮し。娘の世話など到底できるはずがない。
雪平に接するとき、母親でありながら子育てから離れて
いる彼女を暗に責めるように佐藤はいつも口調がきつい。
毎日、毎日心に余裕などないのだろうと推測させる。
そしてそれは家政婦さんにすべての負担がかかってくる。
ドラマの牧村は、夜遅くまで美央の面倒を見て、佐藤が
帰宅するまで家にいるし、朝もなぜか朝食の支度をしている。
一体、いつ帰ってるんだろう?
ほんとにこんな家政婦さんがいるのかな?
これじゃあ、家政婦さんの家庭が成り立たないんじゃない
の?なんてそこばかり気になって仕方なかった。
でも、それが夫と娘を亡くし、一人暮らしの牧村ならできるし、
その上、余裕がない佐藤の心に、すっと牧村が入り込めた
原因で、この先の伏線だったのだろう。
佐藤は牧村の死後、人が変わったようになって会社を辞め、
事件の解明に没頭していくのだから。
1話で、私が感じた佐藤家への「大変だな~」という感情が
終盤に起こる佐藤の行動への伏線だったんだなと思うと、
ほんとに脚本家さんはすごい!!!としか言いようがない。
尊敬してやまない。
★
ラスト近く、雪平に呼び出されてやってきた佐藤の表情は
鬼気迫っていた。いや、鬼気迫る・・・というより、
はっきり言って、「すごい人相が変わってるやん!」だった。
あの表情を見て、どうやったらここまで人相が変わるんだろう
と思ったもんだ。何日か本当にまともにご飯を食べず、心理的
かなり追い詰められてたら・・・この表情が出てくるかな・・・
などと香川さんの表情を見ながらあれこれ考えてしまった。
俳優さんは一瞬にしてああいう表情ができるんだな、と思うと
なんだか恐ろしい。(笑)顔がひと回り小さくなってたもん・・・。
★
山路もほんとに良かった。
クセのある嫌味な上司から、紆余曲折あり、八方から
攻撃され、やがて失墜していく。
佐藤と同様、大きくレールからはずれていく存在。
しかし、ほんとに、ほんとに味わいのある役柄だった。
うまくいえないけれど、アンフェアに深い味わいを与えた。
得体の知れない、胡散臭い人だな~と思わせながらも、
どこか憎めない、
不思議な人情味を醸し出していた山路管理官だった。
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