「氷壁」最終回
こうなるんだろうなあ~。
筋としては納得はいっているけれど・・・。
ちょっ展開がはやかったような・・・。
二人でひっそりと穏やかに暮らして欲しかったけれど、
お互いの「生きがい」をもてる場所が違いすぎたって
ことなのかな・・・。
奥寺は山と北沢との友情をとったということかな。
周りの人を振り回したけれど、死ぬ時、よい思い出だった
と思える恋愛だったのでは・・・。それならそれでいい。
美那子は家に戻り、扉に鍵をかけた・・・もう他の誰かを
愛したりはしないだろう。奥寺の思い出とともに八代と
生きていくと決めたのだ。
奥寺も山に生きると決めた・・・美那子という女性と暮らし
たという、思い出を胸に抱きながら。
孤独で何もなかった二人なのだから、すべてを捨てて、
愛し合える、燃え上がるような恋ができてよかったなあと思う。
★~★
人を愛したら山を捨てるしかない、という北沢の遺書で、
美那子は奥寺の前から去った・・・。
何かを引きずったまま山に登ったら、死ぬことになる、
それをよくわかってる奥寺は山に登るのを怖がる。
けれど、心は山にある。
山が生きがいで、生活はすべてそのためにある、
一緒に暮らせば暮らすほどそれが美那子にはよくわかる。
そんな人を無理に、縛り付けておいても・・・。
自分が去ることで、まったく迷いなく、K2へ向かわせよう
としたんだろうなあ。K2へ行くことはもう止められない、
山でこそ生きられる人なんだ、でも無事で帰ってほしい、
その願いをこめて。
お守りを見せられたあと、奥寺の手に触れて、美那子は
念じるようにそっと目を閉じる。
美那子のその想いが伝わってきて、ポロポロ泣けた。
そしてお守りの中にあった美那子の写真を取り上げて、
別れた。あれは絶対に奥寺の手から取り上げないといけ
ないもの、彼女は迷わずそれをした。自分への想いを
断ち切らせるために・・・。
心から愛している人だから。
奥寺のためだったら、いっぱい泣ける美那子だから・・・。
その場で二人で暮らすことに必死で努力したからこそ、
別れを選択することができたのかもしれない。
★
ちょっと意外だったのは、八代のところに戻った時の
美那子の表情。・・・安堵したような笑顔。
彼女にとって、恩のある人だけではなく、やはり懐かしく
思える夫ではあったんだなと、そのとき、わかった。
・・・形の違う愛なら、同時に存在できるのかな?
人生経験の少ない私にはあの表情はちょっと理解でき
なかった。美那子にとって八代が父親のような存在と
いうなら別かもしれないけれど・・・。
ただ、八代の家に戻っても針のムシロであることには
変わりない気がする。
それと、深読みかもしれないけれど、八代のところに
戻らないと、奥寺は美那子を引きずる。一人で暮らす
のではなく、夫のところに戻ることで、完全に終わりに
したのかも・・・。
それくらいの芯の強さは持ってる人だと思う。
★
今回、一番好きというか、ふいに泣いたシーンがあって。
それは、八代の家から出てきて、橋の上で美那子と奥寺が
出会うところ。彼は何も言わず、美那子のカバンを手にし
て歩き出す。ここがとても素敵だった。
それから、奥寺が自分のアパートに美那子を招きいれ、
すぐにココアをいれてあげるところ。
なんだろ、ここでもわけもなく、泣けた。
おもてなしができるような装備は何もないのに、それでも、
細やかな気遣いをみせる奥寺にちょっと感動した。
この人はいつもそうだ。
人がやってきたら、おもてなしをする、そういうやさしい
感じがとても好きだった。
★
最後、奥寺、難しいルートを単独で登っていたけれど、きっと
戻ってくる。最後のリベラの歌、奥寺の最後のシーンにかぶ
らなかったの。「完」と出たあと、山の映像とともに歌が流れ
た。だから、彼の物語はまだ続く。
「彼方の光」という歌は、天に召されたような内容の歌詞なの
で・・・。(日本語訳はスタジオパーク~で紹介されてた)
美那子が彼を守っているんだと思う。
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