« 「時効警察」7回目 | トップページ | 「アンフェア」8回目 »

2006年2月27日 (月)

「氷壁」最終回

こうなるんだろうなあ~。

筋としては納得はいっているけれど・・・。

ちょっ展開がはやかったような・・・。

二人でひっそりと穏やかに暮らして欲しかったけれど、

お互いの「生きがい」をもてる場所が違いすぎたって

ことなのかな・・・。

奥寺は山と北沢との友情をとったということかな。

周りの人を振り回したけれど、死ぬ時、よい思い出だった

と思える恋愛だったのでは・・・。それならそれでいい。

美那子は家に戻り、扉に鍵をかけた・・・もう他の誰かを

愛したりはしないだろう。奥寺の思い出とともに八代と

生きていくと決めたのだ。

奥寺も山に生きると決めた・・・美那子という女性と暮らし

たという、思い出を胸に抱きながら。

孤独で何もなかった二人なのだから、すべてを捨てて、

愛し合える、燃え上がるような恋ができてよかったなあと思う。

★~★

人を愛したら山を捨てるしかない、という北沢の遺書で、

美那子は奥寺の前から去った・・・。

何かを引きずったまま山に登ったら、死ぬことになる、

それをよくわかってる奥寺は山に登るのを怖がる。

けれど、心は山にある。

山が生きがいで、生活はすべてそのためにある、

一緒に暮らせば暮らすほどそれが美那子にはよくわかる。

そんな人を無理に、縛り付けておいても・・・。

自分が去ることで、まったく迷いなく、K2へ向かわせよう

としたんだろうなあ。K2へ行くことはもう止められない、

山でこそ生きられる人なんだ、でも無事で帰ってほしい、

その願いをこめて。

お守りを見せられたあと、奥寺の手に触れて、美那子は

念じるようにそっと目を閉じる。

美那子のその想いが伝わってきて、ポロポロ泣けた。

そしてお守りの中にあった美那子の写真を取り上げて、

別れた。あれは絶対に奥寺の手から取り上げないといけ

ないもの、彼女は迷わずそれをした。自分への想いを

断ち切らせるために・・・。

心から愛している人だから。

奥寺のためだったら、いっぱい泣ける美那子だから・・・。

その場で二人で暮らすことに必死で努力したからこそ、

別れを選択することができたのかもしれない。

ちょっと意外だったのは、八代のところに戻った時の

美那子の表情。・・・安堵したような笑顔。

彼女にとって、恩のある人だけではなく、やはり懐かしく

思える夫ではあったんだなと、そのとき、わかった。

・・・形の違う愛なら、同時に存在できるのかな?

人生経験の少ない私にはあの表情はちょっと理解でき

なかった。美那子にとって八代が父親のような存在と

いうなら別かもしれないけれど・・・。

ただ、八代の家に戻っても針のムシロであることには

変わりない気がする。

それと、深読みかもしれないけれど、八代のところに

戻らないと、奥寺は美那子を引きずる。一人で暮らす

のではなく、夫のところに戻ることで、完全に終わりに

したのかも・・・。

それくらいの芯の強さは持ってる人だと思う。

今回、一番好きというか、ふいに泣いたシーンがあって。

それは、八代の家から出てきて、橋の上で美那子と奥寺が

出会うところ。彼は何も言わず、美那子のカバンを手にし

て歩き出す。ここがとても素敵だった。

それから、奥寺が自分のアパートに美那子を招きいれ、

すぐにココアをいれてあげるところ。

なんだろ、ここでもわけもなく、泣けた。

おもてなしができるような装備は何もないのに、それでも、

細やかな気遣いをみせる奥寺にちょっと感動した。

この人はいつもそうだ。

人がやってきたら、おもてなしをする、そういうやさしい

感じがとても好きだった。

最後、奥寺、難しいルートを単独で登っていたけれど、きっと

戻ってくる。最後のリベラの歌、奥寺の最後のシーンにかぶ

らなかったの。「完」と出たあと、山の映像とともに歌が流れ

た。だから、彼の物語はまだ続く。

「彼方の光」という歌は、天に召されたような内容の歌詞なの

で・・・。(日本語訳はスタジオパーク~で紹介されてた)

美那子が彼を守っているんだと思う。

|

« 「時効警察」7回目 | トップページ | 「アンフェア」8回目 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「氷壁」最終回:

» NHK土曜ドラマ:「氷壁」 最終囘 [仙丈亭日乘]
『氷壁』最終囘「山男の傳説」 八代の家を出た美那子。 喫茶店で物思ひにふけり、つひに奧寺のアパートに向ふ。 橋の上で美那子と出會ひ、奧寺は自分のアパートに美那子を連れてゆく。 一緒に暮しはじめる二人。 八代を尋ねて、美那子と離婚してくれるやうに頼む奧寺。 しかし、八代は云ふ。 「離婚はしない。玄關の鍵はいつでも開けてゐると美那子に傳へてくれ」 八代さん、さすがだね。 それでこそ、男といふものだ! 一緒に暮しはじめた二人であつ�... [続きを読む]

受信: 2006年2月27日 (月) 07時41分

« 「時効警察」7回目 | トップページ | 「アンフェア」8回目 »