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2006年2月11日 (土)

「氷壁」4回目part3

{ あらすじ と ●感想 

美那子のところに兄が駆けつける。

「お前、本当に不倫していたのか?なぜ北沢くんとのことを

知られてる?・・・兄妹そろって社長の顔に泥を塗って、

ただですむとは思えない・・・」

●この兄のセリフ、なんでか違和感があって仕方ない。

なぜ?「兄妹そろって・・・顔に泥を塗って」

考えてみればそれで間違いないんだけれど・・・。

兄嫁が夫より「常務」の美那子に頼りきってるせいかな?

全部一人で抱えこんで、「私がなんとかする」とがんばって

いるのに、やってきた兄が「兄妹」で「顔に泥を塗る」なんて

いうから、私も美那子と一緒になってムッとしたのかも・・・。

奥寺は裁判の打ち合わせに。南部社長、北沢母、妹、弁護士。

弁護士が代表して奥寺に、「なぜ、北沢と美那子とのことを

黙っていた」と問うが、彼は無言。

北沢母が「彰を守ってくれたの?」と聞かれて、奥寺は、

「・・・はい」と答えるが、彼の本心に気づいているユカリは

「それだけじゃないでしょう?美那子さんのためでしょう」

驚くみんなに続けて、「奥寺さんはやさしいから、兄のため

だけでなく、美那子さんのために黙っていんです」と

打ちあける。怒る南部社長。「お前~!相手は敵なんだぞ!」

●北沢母の考えにうなづいたものの、即座にユカリに否定

され、立場のない奥寺。(笑)私も奥寺が「はい」と答えたの

は、意外だった。美那子のためでもあるとは言えなかった

のか、言えないよねえ。それは。。。

しかし、真剣に裁判に挑んでいる南部社長や、弁護士さん

からしたら、奥寺の行動はほんとに困りもの・・・。

ヤシロ邸。

自室にいる美那子に奥寺から電話が・・・。出ない美那子。

●奥寺は、南部社長に叱られても、美那子への想いが

もうとまらない模様。いつからだろう?奥寺が暴走しはじ

めたのは。帰国してから、ヤシロ本社の会議室で二人っ

きりで話したくらいからかな?お互いの飾らない本音を

ぶつけあったのはあのシーンだった気がする・・・。

ヤシロ息子は山関係のライターに本の出版と引き換えに、

ヒーロー奥寺を徹底的に叩いてほしいと要請する。

すべてが順調にいっていて、和解へと進みつつあるという

報告を息子から聞いた社長は、和解の条件は奥寺の

発言撤回だけでいいと言う。

なぜもっと締め上げないのかと、不満気な息子に

「奥寺なんてどうなってもいい、大切なのは社のイメージだ」

という叱り付ける。

その二人の話を美那子は、立ち聞きしている。

●「奥寺などどうなってもいい」、「大切なのは社・・・」

それを聞いて、夫の冷徹さにおびえたのか。妻の自分さえ、

会社のためなら使い捨てされるんだろう、そう自分と奥寺

を重ねたのか・・・。

森脇は奥寺を訪ね、土下座して謝る。仕事ができなくなるよう

な圧力をかけられたと。次々と自分のまわりの人が困った状況

に陥っていると知る奥寺。

しかし、和解をすすめる南部社長には「やはりカラビナの故障が

原因。北沢のためにも発言をかえるわけにはいかない」と断固

拒否する。

●一緒にやきとりを食べる二人。なんかいい。

前で、ジクジクと鳥の焼ける音がしていて、つい焼き鳥を

食べたくなる。おいしそうだ。

それと、はじめに社長がごちそうするから来いと彼を誘った

のかな?去り際ためらいなく、ごちそうさまでしたと言う

奥寺。おい、おい、勝手にごちそうって決めていいの??

なんてとっさに思ってしまった・・・。

・・・細かいことが気になる私。(笑)

「死者の名誉より今生きているものの方が大切だぞ」

と奥寺に言いづらいことを言って諭す社長。

ほんとに奥寺のことがかわいいんだろう・・・。

北沢の月命日。

お墓で北沢の母に会う。

母は北沢の自殺説のことを聞くが、奥寺はそれを否定する。

「彼は死ぬような状況ではなかった。自分のために、好きな

女のためにいきたいと願っていました」と。

母に息子が愛した女性に興味を持ち、「美那子さんって

どんな人?」とたずねる。

奥寺は美那子のことを「かわいそうな人です・・・」と答える。

奥寺をみつめる母。

●以前、K2で「あの人はさみしい人だ。俺は天涯孤独

だからわかる」と奥寺は北沢に言っていた。

かわいそうな人、さみしい人、美那子のことを奥寺は

そう表現する。そして天涯孤独な自分だからわかると。

つまり、奥寺も、かわいそうな人、さみしい人・・・。

二人は同じ思いを共有している。

よく、ドラマであるけれど、同じ悲しみを持つもの同士、

惹かれあうという設定。まったく違う性格のライバルが

いて、その人との方が幸せになれるとわかっていても。

心の中の同じ空虚さを一緒にみつめていたり。。。

お互いに癒しあう存在なのだろうか。

一体、どちらがその人にとっていいんだろうと考える。

けれど、自分の心の底に隠しているさみしさに気づいて

くれるところから、心が開かれていくとしたら、同類同士

惹かれあうというのは、必然的なものなんだろう。

北沢宅で母と妹。山男の歌を歌う。

母は「奥寺さんはユカリを幸せにできる人じゃない・・・」と

ユカリに。

●北沢母の思いがけない歌・・・。ううっ。。。(笑)

なかなかアカペラで歌うのは、難しい・・・。

ところで、奥寺の言葉で母は彼が美那子に同情し、

惹かれているのを見抜いたみたい。

ユカリにはっきりと、あきらめなさい、と伝える。

この気持ちのいいくらいの率直さ。さすがに北沢や

ユカリの母って感じだ。二人ともお母さんに似てる。

そういえば、息子の死を聞いても、生きて帰ってきた奥寺

に「あなたが無事でよかった」と言ってのけた肝の据わっ

た女性だものね。

静かに海をみつめる奥寺。。。。

八代邸では、奥寺が和解を断ったことが社長に伝わる。

それを聞いた八代は、美那子に「こうなったら、最後まで

やるしかない。君も証言台に立たってもらうかもしれない」と。

驚く、美那子に「妻のスキャンダルをさらす夫がどこにいる。

私だってつらい。でも、ほかに方法がないんだ」と八代。

八代は重ねて聞く。

「・・・北沢くんを好きだったのか?北沢くんは君をくれと言った。

あれは君も同意のことだったのか?」否定する美那子。

美那子と対峙した八代は、気持ちが爆発する。

「何が不満なんだ?ほしいものは全部与えた。何が足りない?

正直にいってくれ。馬鹿にされるのは我慢ができん!!」

突然、激しく問い詰められ、美那子は彼の目を見ず、

「北沢さんとは、食事はしました。それだけです」と苦しく弁明。

「・・・そうか、君が今の生活を続けていきたいということは

わかった。君は彼につきまとわれていて迷惑をしていた。

そういうことだな?なら、それを法廷で証言してくれ。

自殺説の有力な裏づけになる」

自らが北沢を悪者にする証言をする状況に陥ったことに

動揺する美那子。

●かつて疑いを逃れるために夫についた一つの嘘が、

ずっと尾をひいて、ここでは、もう絶対に引き返せない

状況に。外野がいる中で、嘘の証言をし、愛し信じて

くれた北沢を貶めないといけない・・・自業自得といえば

それまでだけれど、どんどんと状況が変化し、事が

大きくなっていくのは、美那子の立場から見れば、

まさに針のむしろ、徐々に真綿で首を絞められていく

ようだろう。そして、今が最後、真綿が紐になり、

とどめをさされた。

自室にもどり、呆然とする美那子。裁判でうその証言を

しないといけなくなったことに途方にくれる美那子。

北沢の声が響く。「あの日のあなたは真実だと信じています」

奥寺の声。「あいつは最期まであなたのことを想っていた。

生きてあなたの元に帰ろうとしていた」

●罪悪感が美那子を苦しめる。

この美那子を見ていて、なんか苦しみが伝わってこないと

いうか、なぜ?彼女がそこにいるのは、兄の家族のため

だけのような・・・。他にそこにいる必要はないみたいな。

夫とは暖かく和む団欒はないし、自室もまったく生活感が

ない・・・。暗く冷たい牢屋のようだ。

いつ、そこを飛び出すのか・・・視ている私はそれをただ

待っている感じになってしまう。もっと美那子が八代を

捨てられない何かがあれば・・・。恩とか、絆とか。

そういえば、美那子と八代の出会いとか、描かれて

ないなあ・・・。

そこへ奥寺から電話。

携帯を胸に抱きながらも出れない美那子。

電話が切れる・・・。

美那子は奥寺の言葉を再度思い出す・・・。

「俺は本当はあなたを守りたかったんです・・・」

●何度目の奥寺の電話だろう・・・。奥寺はなぜそんな

に美那子を気遣うんだろう。・・・惹かれているから。

彼には美那子が相当、孤立していることがわかるから。

唯一、北沢の想いを知り、この屈折してしまった裁判

の中で、美那子が犠牲になっていることを、奥寺だけ

が知っているから、だからなんだろう・・・。

そして、まさに同じ苦しみの中に身をおいてるから、

彼は電話をかけ続けているのかな。

美那子は咄嗟に家を飛び出す。

薄着にカーディガンをはおり、夜道を駆ける美那子。

歩道橋の欄干の端に小さく身を寄せ、奥寺に電話する。

ルルルル・・・。

即座に電話に出る奥寺。

「・・・美那子です・・・」

「やっとつながった」

「・・・うそをついた・・・北沢さんとのこと、夫に責められて。

言えなかった・・・」

それまでの想いが溢れ出し、泣き出す美那子を必死に

なだめる奥寺。

「会って・・・話がしたい」

「私も・・・会いたい」

「山へ・・・行きませんか?俺の好きな山をあなたに見せたい」

「行きたい・・・」奥寺の声を聞いて、少し安堵したような美那子。

●会議室での言い争いと川べりの奥寺の告白以来の二人

の本音の会話。美那子は奥寺の気持ちを知り、彼を

寄せ付けようとしなかった。

でも、この状況になり、唯一自分の事情を知り、理解

してくれている奥寺に自分の気持ちをぶちまけるしか、

救われる道がなかった。

そういえば、北沢とは遊びだったのかと、奥寺に

聞かれ、「あなたに何がわかるっていうの?仕方なか

ったのよ」って言ってたな、美那子。

それがどう仕方なかったのか、とっても聞きたい。

それは次回でわかるのかな・・・。

翌日。

裁判の打ち合わせをキャンセルして、山へむかう奥寺。

途中、ユカリにみつかり、事を察した彼女は、

「私とお兄ちゃんのために、行かないで!」懇願する。

が、それを振り切るように行く奥寺。

一方、美那子も会議を欠席して山へと向かう。

●奥寺は電車でむかい、美那子はタクシーで行く。

奥寺の携帯は旧式で塗装がはげてて、美那子は

最新の携帯。とても描写が細かいなあと思った。

しかし、裁判をしていて、敵側の夫人と山へ行く。

それも北沢と関係を取りざたされている女性と。

奥寺はただでさえ叩かれているのに。

こういう状況で、山へいける奥寺ってすごい。。。

南部社長や、弁護士さんのため息が聞こえてそうだ。

~~おしまい。

ここまでの総括(^^)

奥寺が、美那子を好きなのはわかる。

北沢が、美那子に惹かれたのもわかる。

でも、美那子が北沢と一夜を共にした経緯というか、

彼に惹かれた理由がわからない。

ああいう光の中にいるような明るいまっすぐな人に

一時あこがれたって風なら受け取れる。

「仕方なかった」というのは、どういうことか、

まだはっきりとは語られてない。

そして、奥寺への想い。

この時点で、美那子は、まだ奥寺を愛している

とは思えない。ただ、窮地にいる自分を別の場所

へと連れ出してくれる理解者というだけのような・・・。

そして唯一、気持ちをぶつけ合える相手。

惹かれているとは言えても恋してるとか、愛してる

って、ところまではまだいってない気がする。

美那子って女性は、苦境に陥っている自分を救い

してくれる男性にただ、すがりつこうとしてるように思える。

八代にも、北沢にも、奥寺にも。

次回、お山で二人の気持ちがぐっと触れ合うに違いない。

とっても楽しみだ。

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