{ あらすじ と ●感想 }
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美那子のところに兄が駆けつける。
「お前、本当に不倫していたのか?なぜ北沢くんとのことを
知られてる?・・・兄妹そろって社長の顔に泥を塗って、
ただですむとは思えない・・・」
●この兄のセリフ、なんでか違和感があって仕方ない。
なぜ?「兄妹そろって・・・顔に泥を塗って」
考えてみればそれで間違いないんだけれど・・・。
兄嫁が夫より「常務」の美那子に頼りきってるせいかな?
全部一人で抱えこんで、「私がなんとかする」とがんばって
いるのに、やってきた兄が「兄妹」で「顔に泥を塗る」なんて
いうから、私も美那子と一緒になってムッとしたのかも・・・。
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奥寺は裁判の打ち合わせに。南部社長、北沢母、妹、弁護士。
弁護士が代表して奥寺に、「なぜ、北沢と美那子とのことを
黙っていた」と問うが、彼は無言。
北沢母が「彰を守ってくれたの?」と聞かれて、奥寺は、
「・・・はい」と答えるが、彼の本心に気づいているユカリは
「それだけじゃないでしょう?美那子さんのためでしょう」
驚くみんなに続けて、「奥寺さんはやさしいから、兄のため
だけでなく、美那子さんのために黙っていんです」と
打ちあける。怒る南部社長。「お前~!相手は敵なんだぞ!」
●北沢母の考えにうなづいたものの、即座にユカリに否定
され、立場のない奥寺。(笑)私も奥寺が「はい」と答えたの
は、意外だった。美那子のためでもあるとは言えなかった
のか、言えないよねえ。それは。。。
しかし、真剣に裁判に挑んでいる南部社長や、弁護士さん
からしたら、奥寺の行動はほんとに困りもの・・・。
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ヤシロ邸。
自室にいる美那子に奥寺から電話が・・・。出ない美那子。
●奥寺は、南部社長に叱られても、美那子への想いが
もうとまらない模様。いつからだろう?奥寺が暴走しはじ
めたのは。帰国してから、ヤシロ本社の会議室で二人っ
きりで話したくらいからかな?お互いの飾らない本音を
ぶつけあったのはあのシーンだった気がする・・・。
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ヤシロ息子は山関係のライターに本の出版と引き換えに、
ヒーロー奥寺を徹底的に叩いてほしいと要請する。
すべてが順調にいっていて、和解へと進みつつあるという
報告を息子から聞いた社長は、和解の条件は奥寺の
発言撤回だけでいいと言う。
なぜもっと締め上げないのかと、不満気な息子に
「奥寺なんてどうなってもいい、大切なのは社のイメージだ」
という叱り付ける。
その二人の話を美那子は、立ち聞きしている。
●「奥寺などどうなってもいい」、「大切なのは社・・・」
それを聞いて、夫の冷徹さにおびえたのか。妻の自分さえ、
会社のためなら使い捨てされるんだろう、そう自分と奥寺
を重ねたのか・・・。
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森脇は奥寺を訪ね、土下座して謝る。仕事ができなくなるよう
な圧力をかけられたと。次々と自分のまわりの人が困った状況
に陥っていると知る奥寺。
しかし、和解をすすめる南部社長には「やはりカラビナの故障が
原因。北沢のためにも発言をかえるわけにはいかない」と断固
拒否する。
●一緒にやきとりを食べる二人。なんかいい。
前で、ジクジクと鳥の焼ける音がしていて、つい焼き鳥を
食べたくなる。おいしそうだ。
それと、はじめに社長がごちそうするから来いと彼を誘った
のかな?去り際ためらいなく、ごちそうさまでしたと言う
奥寺。おい、おい、勝手にごちそうって決めていいの??
なんてとっさに思ってしまった・・・。
・・・細かいことが気になる私。(笑)
「死者の名誉より今生きているものの方が大切だぞ」
と奥寺に言いづらいことを言って諭す社長。
ほんとに奥寺のことがかわいいんだろう・・・。
★
北沢の月命日。
お墓で北沢の母に会う。
母は北沢の自殺説のことを聞くが、奥寺はそれを否定する。
「彼は死ぬような状況ではなかった。自分のために、好きな
女のためにいきたいと願っていました」と。
母に息子が愛した女性に興味を持ち、「美那子さんって
どんな人?」とたずねる。
奥寺は美那子のことを「かわいそうな人です・・・」と答える。
奥寺をみつめる母。
●以前、K2で「あの人はさみしい人だ。俺は天涯孤独
だからわかる」と奥寺は北沢に言っていた。
かわいそうな人、さみしい人、美那子のことを奥寺は
そう表現する。そして天涯孤独な自分だからわかると。
つまり、奥寺も、かわいそうな人、さみしい人・・・。
二人は同じ思いを共有している。
よく、ドラマであるけれど、同じ悲しみを持つもの同士、
惹かれあうという設定。まったく違う性格のライバルが
いて、その人との方が幸せになれるとわかっていても。
心の中の同じ空虚さを一緒にみつめていたり。。。
お互いに癒しあう存在なのだろうか。
一体、どちらがその人にとっていいんだろうと考える。
けれど、自分の心の底に隠しているさみしさに気づいて
くれるところから、心が開かれていくとしたら、同類同士
が惹かれあうというのは、必然的なものなんだろう。
★
北沢宅で母と妹。山男の歌を歌う。
母は「奥寺さんはユカリを幸せにできる人じゃない・・・」と
ユカリに。
●北沢母の思いがけない歌・・・。ううっ。。。(笑)
なかなかアカペラで歌うのは、難しい・・・。
ところで、奥寺の言葉で母は彼が美那子に同情し、
惹かれているのを見抜いたみたい。
ユカリにはっきりと、あきらめなさい、と伝える。
この気持ちのいいくらいの率直さ。さすがに北沢や
ユカリの母って感じだ。二人ともお母さんに似てる。
そういえば、息子の死を聞いても、生きて帰ってきた奥寺
に「あなたが無事でよかった」と言ってのけた肝の据わっ
た女性だものね。
静かに海をみつめる奥寺。。。。
★
八代邸では、奥寺が和解を断ったことが社長に伝わる。
それを聞いた八代は、美那子に「こうなったら、最後まで
やるしかない。君も証言台に立たってもらうかもしれない」と。
驚く、美那子に「妻のスキャンダルをさらす夫がどこにいる。
私だってつらい。でも、ほかに方法がないんだ」と八代。
八代は重ねて聞く。
「・・・北沢くんを好きだったのか?北沢くんは君をくれと言った。
あれは君も同意のことだったのか?」否定する美那子。
美那子と対峙した八代は、気持ちが爆発する。
「何が不満なんだ?ほしいものは全部与えた。何が足りない?
正直にいってくれ。馬鹿にされるのは我慢ができん!!」
突然、激しく問い詰められ、美那子は彼の目を見ず、
「北沢さんとは、食事はしました。それだけです」と苦しく弁明。
「・・・そうか、君が今の生活を続けていきたいということは
わかった。君は彼につきまとわれていて迷惑をしていた。
そういうことだな?なら、それを法廷で証言してくれ。
自殺説の有力な裏づけになる」
自らが北沢を悪者にする証言をする状況に陥ったことに
動揺する美那子。
●かつて疑いを逃れるために夫についた一つの嘘が、
ずっと尾をひいて、ここでは、もう絶対に引き返せない
状況に。外野がいる中で、嘘の証言をし、愛し信じて
くれた北沢を貶めないといけない・・・自業自得といえば
それまでだけれど、どんどんと状況が変化し、事が
大きくなっていくのは、美那子の立場から見れば、
まさに針のむしろ、徐々に真綿で首を絞められていく
ようだろう。そして、今が最後、真綿が紐になり、
とどめをさされた。
★
自室にもどり、呆然とする美那子。裁判でうその証言を
しないといけなくなったことに途方にくれる美那子。
北沢の声が響く。「あの日のあなたは真実だと信じています」
奥寺の声。「あいつは最期まであなたのことを想っていた。
生きてあなたの元に帰ろうとしていた」
●罪悪感が美那子を苦しめる。
この美那子を見ていて、なんか苦しみが伝わってこないと
いうか、なぜ?彼女がそこにいるのは、兄の家族のため
だけのような・・・。他にそこにいる必要はないみたいな。
夫とは暖かく和む団欒はないし、自室もまったく生活感が
ない・・・。暗く冷たい牢屋のようだ。
いつ、そこを飛び出すのか・・・視ている私はそれをただ
待っている感じになってしまう。もっと美那子が八代を
捨てられない何かがあれば・・・。恩とか、絆とか。
そういえば、美那子と八代の出会いとか、描かれて
ないなあ・・・。
そこへ奥寺から電話。
携帯を胸に抱きながらも出れない美那子。
電話が切れる・・・。
美那子は奥寺の言葉を再度思い出す・・・。
「俺は本当はあなたを守りたかったんです・・・」
●何度目の奥寺の電話だろう・・・。奥寺はなぜそんな
に美那子を気遣うんだろう。・・・惹かれているから。
彼には美那子が相当、孤立していることがわかるから。
唯一、北沢の想いを知り、この屈折してしまった裁判
の中で、美那子が犠牲になっていることを、奥寺だけ
が知っているから、だからなんだろう・・・。
そして、まさに同じ苦しみの中に身をおいてるから、
彼は電話をかけ続けているのかな。
美那子は咄嗟に家を飛び出す。
薄着にカーディガンをはおり、夜道を駆ける美那子。
歩道橋の欄干の端に小さく身を寄せ、奥寺に電話する。
ルルルル・・・。
即座に電話に出る奥寺。
「・・・美那子です・・・」
「やっとつながった」
「・・・うそをついた・・・北沢さんとのこと、夫に責められて。
言えなかった・・・」
それまでの想いが溢れ出し、泣き出す美那子を必死に
なだめる奥寺。
「会って・・・話がしたい」
「私も・・・会いたい」
「山へ・・・行きませんか?俺の好きな山をあなたに見せたい」
「行きたい・・・」奥寺の声を聞いて、少し安堵したような美那子。
●会議室での言い争いと川べりの奥寺の告白以来の二人
の本音の会話。美那子は奥寺の気持ちを知り、彼を
寄せ付けようとしなかった。
でも、この状況になり、唯一自分の事情を知り、理解
してくれている奥寺に自分の気持ちをぶちまけるしか、
救われる道がなかった。
そういえば、北沢とは遊びだったのかと、奥寺に
聞かれ、「あなたに何がわかるっていうの?仕方なか
ったのよ」って言ってたな、美那子。
それがどう仕方なかったのか、とっても聞きたい。
それは次回でわかるのかな・・・。
★
翌日。
裁判の打ち合わせをキャンセルして、山へむかう奥寺。
途中、ユカリにみつかり、事を察した彼女は、
「私とお兄ちゃんのために、行かないで!」懇願する。
が、それを振り切るように行く奥寺。
一方、美那子も会議を欠席して山へと向かう。
●奥寺は電車でむかい、美那子はタクシーで行く。
奥寺の携帯は旧式で塗装がはげてて、美那子は
最新の携帯。とても描写が細かいなあと思った。
しかし、裁判をしていて、敵側の夫人と山へ行く。
それも北沢と関係を取りざたされている女性と。
奥寺はただでさえ叩かれているのに。
こういう状況で、山へいける奥寺ってすごい。。。
南部社長や、弁護士さんのため息が聞こえてきそうだ。
~~おしまい。
ここまでの総括(^^)
奥寺が、美那子を好きなのはわかる。
北沢が、美那子に惹かれたのもわかる。
でも、美那子が北沢と一夜を共にした経緯というか、
彼に惹かれた理由がわからない。
ああいう光の中にいるような明るいまっすぐな人に
一時あこがれたって風なら受け取れる。
「仕方なかった」というのは、どういうことか、
まだはっきりとは語られてない。
そして、奥寺への想い。
この時点で、美那子は、まだ奥寺を愛している
とは思えない。ただ、窮地にいる自分を別の場所
へと連れ出してくれる理解者というだけのような・・・。
そして唯一、気持ちをぶつけ合える相手。
惹かれているとは言えても恋してるとか、愛してる
って、ところまではまだいってない気がする。
美那子って女性は、苦境に陥っている自分を救い出
してくれる男性にただ、すがりつこうとしてるように思える。
八代にも、北沢にも、奥寺にも。
次回、お山で二人の気持ちがぐっと触れ合うに違いない。
とっても楽しみだ。
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